2015年2月28日土曜日

ブラック企業のブラックは差別用語なのかーその(1)


私が自宅で在米「在日韓国人2世」の友人と話をしていたときに出てきた、ブラック企業のブラックが差別用語だという話からFBで紹介したのですが、多くの反応は一言で、それは違うでしょう、というものでした。

私がFBで書いたのは次の文書です。
ブラック企業って、どうしてブラックなの?それはおかしいと在米の友人に言われてはっとしました。昨年の流行語になったブラック企業とは「従業員に過度の心身の負担や極端な長時間の労働など劣悪な労働環境での勤務をさせて、改善しない企業」とのこと。しかしどうしてイェローやレッドでなくブラックなのか?それに鈍感であった自分が恥ずかしい。腹黒いとも言うが、黒に対する差別がそこにあることを認めざるをえない。

いくつか寄せられたご意見を紹介します。
それは、ないと思いますよ。有罪は黒、無実は白、怪しいのは灰色グレーゾーンだと昔から決まっている。ブラックリストとか、ブラックユーモ アとか、語源は差別と無関係と思います。」、
ブラック企業のブラックは、闇=黒いから来てるんじゃないでしょうか?黒色を差別的に使っている発想は日本にはない気がします。漆塗りの黒とか黒髪の美しさとかもありますし。」、
確かに思わぬ方向からの指摘に一瞬ハッとしましたが、それを言い始めたら、特にアフリカ系移民を揶揄してる意ではない「ブラック・ジョーク」それぞれ外国語ではなんと表現するのか分かりませんが「暗黒時代」「黒魔術」なども使えなくなりますよ。「黒」は古い時代から世界共通で悪しきものを象徴する符牒なのです。それが差別と結びついてしまうのは良識をお持ちの米国人らしい感性ですが、ebonyivoryという悪意のない色分けさえも許さないというのであれば、少々行き過ぎの感は否めません。

ウィキぺディアではブラック企業のことをこのように説明しています。
1991年のバブル景気崩壊・失われた20年の始まり以降、企業の経営体制は「なるべく無駄を省く」として「コスト削減」に比重を置いてきた。そうしたことからブルーカラー・ホワイトカラーや正規雇用・非正規雇用を問わず、末端の従業員に過重な心身の負担や極端な長時間の労働など劣悪な労働環境での勤務を強いて改善しない企業を指すようになっている。すなわち、入社を勧められない企業、早期の転職が推奨されるような体質の企業がブラック企業と総称される。
元々は、暴力団などの反社会的団体との繋がりを持ち、違法行為を繰り返す会社を指していたが、近年では労働法を無視、あるいは法の網や不備を悪用して従業員に長時間労働を強制する企業を主に指す。

Hatena Keywordでは、簡単に以下のように書いています。
元々、ブラック企業という呼び名は暴力団などの反社会的勢力との結びつきが強いフロント企業を指す隠語であった。(フロント企業=企業舎弟、企業活動を行うヤクザのこと)

まあ、新聞などで書かれていたブラック企業ということで私が抱いていたイメージ通りですが、それがどうしてブラックなのかのついてはウィキぺディアはこう書いています。
この言葉の元々の意味もあり、経営者の怠慢や不適切ないわゆる“黒い交際”によって反社会的勢力やそれに関連する人物の会社組織への侵入や干渉を許し、組織下層部の従業員に大きな精神的負担を強いている企業をブラック企業の範疇に含めることもあるため、少なくとも以下の要件が当てはまればブラック企業と総称される(両方当てはまる企業も存在しうる)。

以上から、ブラック企業とはもともと暴力団等のような反社会的団体を指す隠語であったという説があり、「黒い交際」によってヤクザなどの侵入や干渉を許すようになった企業というイメージでブラックという形容詞がつけられるようになったと推測できます。

しかし私に反対の意見を述べられた方もそうですが、いわゆるネガティブな印象を与えるものに黒、ブラックという色を当てはめたのはなぜか、という説明が曖昧です。結論ありきの、トートロジーのような印象を受けます。「昔から決まっている」とか「黒色を差別的に使っている発想は日本にはない」という意見と、黒色を賛美する「漆塗りの黒とか黒髪の美しさ」もあるということなのですが、わたしは少しひっかかるのです。

「黒」は古い時代から世界共通で悪しきものを象徴する符牒」であると断定されていますが、もっともなようですが、それってホントでしょうか。なんとなくそう思いますが、それを証明するような調査があったのでしょうか(調査自体も結論先にありきのものが多く、信用できませんが)。私は日本でよく言われる血液型と性格の説明、地方出身の人柄の特定、民族や国籍の違いによる性格など、この種の「常識」に対してこれまで違和感をもっていました。古くはユダヤ人抹殺の論理、純血主義、あるいは現在のユダヤ人陰謀論につながる思想(主張)と関連すると思うのです。あの原発に関しては鋭い論客である広瀬隆もロスチャイルド家について記しユダヤ人の実相を暴いたとされる『赤い盾』を書いています。

というわけで、これからブラック企業のブラック、黒色が差別と結びつくものでないのか、結びつくのかということについて考えていきたいと思います。みなさんのご意見、お待ちしています。



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