林義雄さんのハンストは継続中か。台湾市民の求めるもの

私たちはいっこうに変化のない日本社会、再稼働実行に向けて歩む安倍政権に一矢報いることのない選挙結果にいらだち、台湾での林義雄さんのハンストとそれを支援する多くの支援によって、それでも馬政権は第４原発建設の停止を発表せざるをえなくなったところまで事態が動いたことに注目していました。

林義雄さんはハンストを中止しましたが、彼自身、市民も形式的な変革でなく、実質的な変革を求め続けているようです。彼らを支持し、連帯を表明します！

馬政権は時期政権に結論を委ねそれまでは国民投票もしないということにしました。問題はありますが、一定の勝利でしょう。（５月１日）

以下、陳威志さんのブログから
ＧＣＡＡの陳威志さんが馬政権の国民投票の結果が出るまで「原発建設保留」発表の問題点を明らかにしています。

寝る前に東京FMで「台湾の第四原発の是非をめぐって、馬総統が建設の停止を表明」というニュースを聞きました。今日起きたら、やっぱりこの件に関心のある日本の方々はそれで台湾市民が勝ち取ったと見ています。

しかし、残念ながらそうではありません。馬は、言葉巧みに社会を欺くのが上手な人ですからね。馬総統が昨日発表した原文は「核四1號機不施工，只安檢，安檢後封存，2號機全面停工，將來是否運轉由公民投票決定」です。和訳すると、「１号機工事一旦中止、しかし安全審査を行う。安全審査のあと、しばらく”放置する”。いっぽう、2号機の工事は全面停止。将来稼動するかどうかは国民投票で決める」になります。いぜれにしても、建設中止・廃止は国会の承認・同意を得ないと、保証なんかありません。つまり、それはあくまでも馬英九さんによる一歩的な「宣言」にすぎません。

実は１号機、２号機ともほぼ完成に近い状態です。進捗率はたしかに二つとも95％以上になりました。なので工事停止と言ってもあまり意味がありません。問題は「安全審査」と「封存（しばらく”放置する）」にあります。安全審査は去年の年末に終了する予定でしたが、何度も延期されました。その中身も「審査」だけではなくて、審査してなにか問題が発見されたら、改善しそしてまた審査するというおかしいやり方です。

「封存（しばらく”放置する）」の狙いは政治的責任を避けることです。現馬総統の任期は２０１６年までで、おそらく任期内判断しないといわれます。

そしてもっとも問題となっているのは「国民投票」ですね。50％の有権者の投票が前提となっています。そのハードルを下がらないと、国民党VS民進党、55％VS45％という対立軸のなか、達成というのはほぼ不可能にちかいです。（片方はboycottをするわけ）

そのため、台北市内で道路占拠をする市民はいまも頑張っています。昨日の深夜から、警察が放水砲を使用し、３０回以上放水しました。

簡単にいうと、現在の国民投票法自体隙間があります。有権者50％の投票が必須ということは、逆にboycottの可能性を生み出した。台湾においては、政治的対立は国民党VS民進党になっていて、それぞれ50％の支持を得ていますので、片方がboycottしたら成立できなくなる可能性が大きいです。

って、民進党の支持者は原発反対するのに対して、国民党の支持者は原発擁護するという歴史的な経緯があって、原発に限ってそれが3.11をきっかけに変化しつつはあります。つまり国民党の政治家も慎重論をいい始めました。ですが、やっぱりたとえば30％の人が意図的にboyycottして、20％の人は仕事などで投票にいけなくなったら、成立は難しくなります。ほかに議題設定も大きく影響します。