2013年3月23日土曜日

川崎で4月からゴミと下水道の汚染された焼却灰の海面投下が始まります



1.川崎市の考えていること
川崎市がゼオライト処理が有効だと判断したのは、自分たちが「いろんな文献などを様々に研究」して考えたからだと言ってます(前回の会議録)。そのうえ、「ゼオライトについては永久に吸着しているのかという質問だが、それはよくわからない」と正直に答えています。

結局、彼らは焼却場でゼオライトを混ぜ、コンネリ装置で、重金属安定剤を添加するキレーネ処理をし、水分を入れて粘土質に近いような状態で練って、主灰と合わせて海に埋め立てる計画です。

ゼオライトの回収は考えてなく(物理的に不可能)、コンクリートの構造物に焼却灰を入れ、放射性物質の飛散やフィルターで外洋に流れる放射性物質を遮断する考えもないようです。それは、国立環境研究所は報告書で、別にそのまま焼却灰を海面投下しても国の基準からすれば問題はないと認識しているからです。実験ではいくつかのパターンを調べていますが、どうして市が今のやり方を採用しようとしたのか、近隣自治体と協議したのか、したのであればどのような内容であったのか、公開されていません。

川崎市は、ゼオライトは海水で初めてセシウムを吸収するので、海水の状態をチェックしてそれが国の基準を下回り、川崎独自で海水浴や飲み水でもいいとされている100ベクレル/Lを10ベクレルで維持できればいいと判断しています。ゼオライトでどれほどセシウムを吸着させることができるか、その有効期間はどれほどか、それらの実験は実験室レベルでしかなされておらず、ゼオライト以外の可能性、ゼオライトの有効性についての言及はありません。吸着材の「飽和」や「脱着」、海水中での反応も無視されています。

参考までに:
1.参考までに:一定の厚さのコンクリートの構造物にベントナイトで放射性廃棄物の外壁と底盤には1-2m厚で囲むようにすれば,セシウムであれば,ほぼ遮蔽できるとされていますが、おそらく費用対効果という観点からその方法を断念したものと思われます。

2.国の基準の8000ベクレルだと、埋立地の面積が26700003ですから、灰の比重を0.8とすると2140000トンになり、これに規制値の8000ベクレル/kg=8000000ベクレル/トンをかければ,17000000000ベクレルとなります.17テラベクレルです.広島型原爆のセシウムは89テラベクレル.
17÷890.1919%、約広島型原発の20%の放射性物質が埋立地に投げ込まれることになります。

2.国立研究所の報告書(平成24年11月)
飛灰に付着したセシウムが堤防内の内水濃度でどれほどになるのか、川崎市の意向に従ってゼオライトを使った場合の溶出率を調べ、実験結果が「放射性セシウムの溶出率」が
80%から30%になったとしてお墨付きを与えているだけです。問題点の指摘はまったくありません。

従って市が拠り頼んでいる国立研究所の報告書の基礎理論と実験方法では問題が解決しないということを反論すれば、研究所の結論、及びそれにより頼んでいる市の方策は十分でないということになると思います。

研究所の実験の結論は、主灰・飛灰・下水道汚泥焼却灰をそのまま直接投入しても基準値をクリアできるというものです。基準値の根拠は国が示したものというだけです。環境省が設定したものですから、内部被曝の問題や、東京湾に流されて生物濃縮にどのような影響がありうるかの言及がありません。

3.安全性評価検討書について(平成24年3月)
ここではできるだけ多様な角度からの検討を加え、いくつかのオプションを提示しており、そのオプションの組み合わせの可能性にも触れています。ただし、「実現に向けては、安全面以外の因子等(国や近隣自治体の動向、関係者間との協議等)、あらゆる要素を踏まえた検討・調整が必要になることが考えられる。」と結論づけているのですが、先に記したように、他の関係者との協議の有無は公開されていません。

訂正箇所:放射線→放射能、広島原発→原爆









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