2013年3月2日土曜日

阿倍孝夫 川崎市長 への抗議文ー開かれた地域を求める六つの要望(朴鐘碩)


川崎市長 阿部孝夫様

             201331
          外国人への差別を許すな・川崎連絡会議

代表  望月文雄 
事務局長  朴鐘碩(パク・チョンソク)

抗 議 文

阿部孝夫川崎市長は、「北朝鮮への抗議の意志を示し、朝鮮学校で勉強している人にも拉致被害者救済のキャンペーンに参加してほしい」、「子供に責任はなく、川崎市民であるので教育の保障をしていくことは重要。教育そのものへの支援をやめるのは極端だ」(219日 毎日)と拉致された人たちへの救済と川崎市民である朝鮮人子弟の教育の重要性を語っています。

北朝鮮の核実験を受けての措置」として、阿部市長は、これまでと同じ金額を補助するとしながら、実質的には減額をし、その分を自分たちが選択した書籍で現物支給することを決定されました。その書籍は拉致問題に関するもので横田めぐみさんのご両親の本も含まれていると報道されています。

朝鮮学校への予算化された補助金の一部で拉致された家族の著書を購入し、朝鮮人子弟に押し付け、「拉致被害者救済のキャンペーンに参加してほしい」というのは、教育の場に政治を介入させ、政治に子供たちを利用することになります。

これは北朝鮮に対する政治的「報復」であり、子どもたちを朝鮮学校に通わせる親の経済的・精神的負担を増加させ、肩身を狭くさせます。

また、黒岩祐治神奈川県知事は、「補助金打切を学ぶということも教育の一環ではないでしょうか」と語っていますが、この発言は、あたかも体罰を正当化するようなもので、神奈川県の首長として見識を欠いています。

こうした阿部市長の予算措置、黒岩県知事の「補助金打切」発言は、朝鮮学校への弾圧につながり、外国人(朝鮮人)排斥運動を助長するのではないか、また市民に在日朝鮮人に対する更なる差別意識、偏見を持たせて歪んだナショナリズムを増長するではないかと危惧します。

核兵器廃絶平和都市宣言」した川崎市は「脱原発宣言」を!
川崎市は、198268日「核兵器廃絶平和都市宣言」しています。

宣言文は、「核軍備の拡張は依然として行われ、人類の生存に深刻な脅威を与えている」と人類を破滅させる核の脅威を述べ、「わが国は、世界唯一の被爆国として、被爆の恐ろしさ被爆者の苦しみを声を大にして全世界の人に訴え再びこの地球上に広島、長崎の、あの惨禍を繰り返させてはならない」と戦争の過ちを反省した内容です。また「国際社会の連帯と民主主義の原点に立って、核兵器廃絶の世論を喚起する」と平和を希求する全世界の人たちとの国際連帯で核の廃絶を謳っています。

 従って非核宣言都市である川崎市長として北朝鮮の核実験に反対されることはある意味、当然なことでしょう。

しかし同時に、人類と自然を破滅に導く核に反対するのであれば、原爆と原発は同じ核爆発を起こす危険なものであるということが311福島事故で明らかになった以上、核兵器廃絶平和都市宣言」をした川崎市は真っ先に、脱原発の宣言をすべきではないでしょうか。

石油コンビナート、化学薬品工場などの工業地帯の川崎臨海部には東芝の実験原子炉もあり、原発事故によって放射能汚染されたゴミ・下水道の汚泥の焼却灰が処理できず放置され、近く埋め立て用に使われようとしています。東京湾に放射能が流れ出ることを私たちは憂慮します。どうして事故を起こした東京電力に引き取らせないのでしょうか。

3・11規模の地震・津波に備えた防災計画作成に市民参加を
 311と同規模の地震・津波が川崎を襲った場合、津波は防波堤を乗り越え市街地に流れ込むことは川崎市も神奈川県も認めています。川崎区はその45%が海水に浸かるようになります。しかしその場合、地震による石油タンクの破損により石油があふれ出し東京湾に流れて船の運行ができなくなり石油・石炭の輸送ができず、電力供給に支障が生じます。首都圏の産業は大変な被害を受けることは早稲田大学の濱田政則教授が警告されている通りです。

 しかしその石油は海水と共に市街地にも流れ込み、川崎駅周辺にまで至ることが予想されます。そのことで自動車は流され「津波火災」が発生します。地震による家屋倒壊での死者数をはるかに越える犠牲者がでることが予想されます。市は「自助」「共助」によって津波による死者ゼロを宣言されていますが、これは市の住民の安全を確保する「公助」、即ち、市の政策の問題です。

 私たちは住民の生命に関する政策が行政サイドだけで決定されていくのでなく、住民と行政と議員および有識者が共に意見を出し合い川崎市の政策に関与できるようにしていただきたいと願います。

阿部市長の、外国人は「準会員」発言と「運用規程」
最後に「子供に責任はなく、川崎市民であるので教育の保障をしていくことは重要」とも語っていますが、阿部市長のこの発言は、外国籍住民も日本人と同じ川崎市民である、ということだと私たちは理解します。同じ川崎市民であれば、「教育の保障」だけでなく他の権利義務においても日本人と同等であるはずです。

しかし、阿部市長は、就任直後、「近代における国家というのは戦争をするときの単位」であり、「日本国民と、国籍を持たない外国人とでは、その権利義務において区別があるのはむしろ当然」として、「戦争に行かない外国人は準会員」であると発言されています(「正論」20021)

当時、この発言で、市長は、市民、人権運動体から厳しい批判を受け、「共生」政策を続けることを約束されたのですが、「外国人は準会員」発言は撤回・謝罪されていません。

また、川崎市は、「外国籍職員の任用に関する運用規程」を作り、単なる国の見解である「当然の法理」を理由に採用した外国籍公務員に「市民の権利・自由を制限する」職務や管理職への道を閉ざしました。この国籍による差別は「川崎方式」として全国に拡がりました。川崎市は、この「運用規程」で差別を制度化した最初の自治体です。

同じ川崎市民である外国籍住民と「共生」すことを宣言した川崎市、何故このように外国籍公務員を差別し、不条理な扱いをするのでしょうか。民間企業、教育現場など (就職)差別やいじめを監督・指導する行政自ら、採用した公務員を国籍を基準にして公に差別する「運用規程」を作ったことは労働基準法3(均等待遇)に違反します。多くの市民は、このような「運用規程」が存在することも知らないでしょう。

川崎市の職員を国籍で差別する「運用規程」は、国際化の流れに反し一般市民へも悪影響を与えます。川崎市長3期を終えられるにあたって「運用規定」を廃止するように要望します。

国籍、民族を超えて市民及び行政と共に開かれた地域社会の実現に向かって協力していきたいと願っている私たちは、阿部孝夫市長に抗議し、以下のことを申し入れます

1.朝鮮学校への補助金を全額授業料として使用すること
2.神奈川県に補助金打ち切りを再考するように働きかけること
3.政府に朝鮮高校無償化を働きかけること
4. 川崎市は「核兵器廃絶平和都市宣言」に基づき早急に脱原発宣言をすること
5.3・11規模の地震・津波に備えた防災計画作成に市民を参加させること
6.外国籍住民を「二級市民」扱いする「運用規程」を廃止すること

3 件のコメント:

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  2. 匿名D)「殺す」という言葉か公然と使われつつありますね。世相がどんどん刺々しくなっていて、非常に危険だと思います。

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  3. FBより

    崔)日本は危険水域:大阪の鶴橋で中学生の女の子の叫び、中学生(女子)がこう叫びました。

    「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺やなくて鶴橋大虐殺を実行しますよ! そうなる前に自国に戻ってください! ここは日本です! 朝鮮半島じゃありません! いい加減に帰れー!」

    匿名A)裏を返せば外国にいる日本人は虐殺されても仕方ないから日本に帰れということか。子供にこんなことを叫ばせて看過する日本の病はどこまで

    匿名B)これこれ。
    これが根底にあるから、いつも問題の中心になるのよ。
    こういうことを学んでしまう社会に泣くのは自分たちなのに。
    国外に出たらどうするつもりかなど考える能力もないの?
    どうか正当防衛云々なんて事件が起きません様にと祈るくらいしかできません。

    匿名C)国の肝いりで作られた三波春夫の「東京五輪音頭」とか「世界の国からこんにちわ」をもう一回きいてほしいなあ。言いたかないけどやっぱりあれはウソだったのかねェ・・

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