2012年6月26日火曜日

川崎市は放射能で汚染まみれー焼却したゴミと下水道の汚泥は処理できず、手詰まり状態


6月25日、川崎市の無所属の猪俣議員が市議会で質問をしました。質問も回答も、再質問、再回答もすべて事前に行政と打ち合わせをしてその内容が文字化されているという馴れ合い質問で、猪俣議員の質問がそれでも議場を沸かせました。猪俣議員の前は、自衛隊員の青田刈りが必要という馬鹿な主張を繰り返し、放射線に汚染された食べ物は安全という、内部被曝の恐ろしさを全く知らないかのような質問を延々としていました。民主党議員は、自民党よりさらに右翼という印象。

猪俣議員の何点かの質問のうち、「市内の保有する放射性廃棄物防災対策について」と「コンテナ積みされた焼却灰などについて」をご紹介します。

1 川崎市臨海部の旭化成ケミカルズかわさき製造所では、2010年度に放射性廃棄物200リットルドラム缶549本保有されてあったそうですが、市としてどのような危機対策、消防対策をしているのか。川崎は全国で三番目に放射性廃棄物保有量が多いところだが、広域の防災計画はどうなっているのか。(私の得た情報では劣化ウランを触媒として使うメーカもあり、また東芝の実験原子炉からでる放射性物質などもそのまま保管されている可能性が高い)

2 川崎市は焼却灰の海面投下をストップしているが、国が出した基準以下の場合、どのようなシュミレーションをするのか、その内容は。下水汚泥焼却灰の現状は。セメント化(汚泥を焼却してできた灰をセメントに混ぜる)は絶対やめてほしい。川崎市の焼却灰も原子力施設と同じく「トイレのない便所」と同じ。

民主党いわくま議員のHPより
なんとも言いようのない回答が続きました。国は焼却灰の海面投下の基準を定めており、現在の川崎はその基準より低いので(投下しようと思えばいつでもできるが)、国立環境研究所とシュミレーションを行い、放射能の数値が3・11以降高いため海面投下できないで保管するしかない状態のものをどう処理するのか、海面投下するのか検討中だと言うことです。即ち、川崎は放射能汚染にまみれ、ゴミや下水道の汚泥を焼却してできる灰を処理できず、切羽詰った状態にあるということです。この議論には市民が参加し、行政と一緒になって有識者、市議も入れ、徹底的に議論をしなければなりません。

3・11以降の川崎市のゴミ、下水道の汚泥の処理状態をかいつまんで説明いたします。
(川崎市環境局の小林係長から電話で詳しくお話を伺いました。ありがとうございました。文責は崔にあります)

1 川崎市は福島から陸前高田よりも近く、それだけ多く放射性物質の汚染されている。

2 東北地方から瓦礫を持ってくるという阿部市長の宣言で大きな波紋を広げたが、そもそも現地にそれほどの瓦礫がないことが判明し、現在、瓦礫引き取りの話は中断されている。

民主党いわくま議員HPより
3 市内の放射能に汚染されたものはまず雨水とともに土砂や落ち葉などが流れ込む下水の汚泥と、一般ゴミとして毎日焼却され、そこで出る焼却灰と、ゴミを焼却した後の飛灰(ごみ焼却の過程で、ろ過式集じん器などで捕集した、排ガス中に含まれているばいじんのことで、数値の高い放射性物質以外にも様々な有害物質が含まれている)はビニール袋のようなものに入れられ、コンテナの中で保管されている。コンテナは臨海部に置かれているが収容できなくなり、市は新たにコンテナを置く土地を確保した。しかしそれでも限界があり、早急に対応策が求められている。国は従来通り、国の定めた基準以下であれば海面投棄を薦めているようだが、市は、国立環境研究所とシュミレーションをして処置を決定する予定。私見では、市は海面投下以外の方法はないと判断すると予測。(東京と横浜は海面投下をしています。横浜の海面投下のお墨付きをしたのは以下の3名です。)
・東京大学大学院工学系研究科教授および原子力安全委員会部会長および原子力学会学会長、田中知氏
・国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長および環境省「災害廃棄物安全評価検討委員会」委員、大迫政浩氏
・日本原子力研究開発機構安全研究センター廃棄物安全研究グループ主幹および文科省、国土省放射線対策検討会等委員、木村英雄氏
http://ex-skf-jp.blogspot.jp/2011/09/blog-post_3075.html
http://ex-skf-jp.blogspot.jp/2011/09/blog-post_11.html


    砂ろ過装置の一例
4 一般ごみを焼却した際に出る主灰(ごみを焼却した際に発生する燃えがらのこと)は現在、従来通り、臨海部の海岸に作られた護岸によって外海と遮断された海面に投下されている。しかしこの主灰もまた、一定の基準以下だとは言え、「3・11」以降従来より高い放射線数値を示しているはずで、その海水が一定の割合で外海に排水されているということは自然の汚染につながるのではないか。外海に排水する場合、ろ過するというが、それは砂ろ過であり放射性物質やその他の有害物質を除去することはできない。

    横浜市の海面投下
5 もし国が認めている焼却灰(一般ごみの飛灰と汚泥の焼却灰)が主灰と一緒になって護岸内の海にばらまかれることになると(40年が限度とのこと)、そこから外海に排水されることでより濃度の高い放射性物質が海に流れ出ることになる。魚介類に悪影響を及ぼすことは必至。

6 コンテナで保管されている飛灰と汚泥の焼却灰、及び民間企業が保管している放射性廃棄物は津波や地震の災害が発生したらどうなるのか、この対策は市の東日本対策本部内の放射性部会においてアジェンダにも上がっていないとのこと(環境局の小林係長談)。このことは、臨海部の林立するタンクからこぼれる落ちる油の問題と合わせ、川崎駅周辺まで水浸しになることが予想されているので、川崎市内は油と、汚染された灰にまみれることになる。それは即、火災につながり、マンションや避難地の高いところに避難しても火災が発生すれば人は助からない。おそらく数十万人単位の被害が予想される。

   川崎市の焼却炉
7 3・11以降は、一般ゴミと下水道の汚泥を焼却し続けていいのか、そしてそれを海面投棄して放射性物質やその他の有害物質が外海を汚染していいのかという、市のゴミ・下水処理の焼却・海面投棄というあり方そのものを問う必要がある。また臨海部に保管されている灰と放射性廃棄物は災害の場合どのように処置するのかという、一般市民の不安を解消するような対策がなされていない。根本は市民が行政と一緒になって市が直面している困難な問題の解決のために話し合いをするということである。

注:下水汚泥焼却灰・・・下水には雨水とともに土砂や落ち葉などが流れ込む。下水に含まれたごく微量の放射性物質は脱水、焼却などの処理で濃縮され、焼却灰の段階では下水の約4万倍の濃度になる。
参考までに:汚泥焼却灰 行き場なし朝日新聞 2012年06月25日)
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000151206250001

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