2012年6月19日火曜日

日立製作所会長と社長へ抗議文ー「日立闘争」元原告 朴鐘碩

日立の民族差別を訴え全世界の支援を受けて完全勝利判決を勝ち取った後、日立に入社し、爾後40年の勤務の後、無事に定年退職した朴鐘碩の日立製作所会長と社長に出した抗議文を公開します。


参考までに:原発を輸出し、原発での利益拡大を公表した日立を糾弾します
http://www.oklos-che.com/2012/06/blog-post_18.html

朴鐘碩は昨年の定年退職後、嘱託でそのまま日立に勤めています。この抗議文をだすことで日立当局がどのような「復讐」をしようとするのか、組合は彼の主張に耳を傾け、良心の疼きに応えようとするのか、注目いたしましょう。

なお、朴鐘碩は日立入所後、続「日立闘争」として、経営者と組合が一体化して社員にものを言わせない風土を作り上げていることに独り抗議してきました。そのことが朝日新聞の「耕論」で取り上げられ、元官僚の古賀茂明氏とサッカー協会名誉会長の川淵三郎氏と共に、現代のサラリーマン社会にあって新たな、挑戦をした生き方が報道されました。
参考までに:朝日の耕論より、「黙らない生き方を選んだ」ー朴鐘碩
http://www.oklos-che.com/2012/05/blog-post_14.html
                                   崔 勝久
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                (株)日立製作所 
                会長 川村 隆様 
                社長 中西宏明様
2012年6月19日
(日立就職差別裁判勝利判決日)
日立製作所ソフトウエア事業部           朴鐘碩(パク・チョンソク)


抗 議 文
マスコミは、「日立製作所は14日、2020年度の原子力事業の売上高目標を3600億円とする計画を発表した。11年度の実績は約1600億円で大幅な拡大を目指す。東京電力福島第1原発事故の対策支援や海外での原発受注の推進などで売り上げ増を見込んでいる」と報道しています。
私は、「原発事業で3600億円めざす」経営方針に反対し、抗議します。

昨年、2011年3月11日、東日本大震災の津波による自然災害、原発の水素(核)爆発事故から1年3ヶ月が過ぎました。人災である原発事故は、未だに解決の糸口さえなく、収束する方向も見えない状況です。津波と福島第1原発事故による放射能汚染により多くの日本人、外国籍住民が犠牲となり、避難生活を余儀なくされました。先の見えない避難生活に疲れ、自ら生命を断つ人まで出ていることはご存知のことと思います。

原発は、日常生活を脅かし、自然環境を破壊し、その影響は地球規模に拡大しています。
生まれ育った土地、自然、海産物、農作物、家畜などこれまで汗と血を流して作り上げた地元住民の財産、基盤が放射能によって一瞬にして破壊されました。「原発さえなければ・・こんな悔しいことはない」と涙を堪えながら訴えた農家、漁師の人たちの声を日立製作所経営者幹部どのように聞いたのでしょうか。子どもたちは、外出を制限され自由に遊ぶことも出来ません。

「人権、地球環境を大切にする」日立製作所経営者幹部は、避難生活をせざる得なくなった人たち、生活の全てを失った人たちの気持ちを考えたのでしょうか?

多くの人たちが原発の「安全神話」に騙され、家族を引き裂かれ、仲間を失い、犠牲を強いられる一方で、多国籍企業・日立製作所は、原子力事業で莫大な利益を得ています。
原発立地は、貧しい地方経済の「繁栄」を支え、高効率なエネルギ-として「都市」に供給し、「植民地主義」政策で「安全神話」を謳い多くの人たちを騙してきました。

私は、韓国、モンゴル、米国、スイス・WCC(世界キリスト教協議会)など国際連帯目指す「原発体制を問うキリスト者ネットワ-ク(CNFE)」に属し、反・脱原発を訴えています。原発(核)は、人類と共存できない、地球上から全ての原発を廃炉にするしかない、と確信しました。今を生きる、未来を生きる子どもたちのためにも原発は廃炉にすべきです。また、原発は被曝を前提とする労働者の犠牲の上で成り立っています。

私は、放射能汚染によって犠牲となった住民の気持ちを逆撫でする日立製作所の原子力事業計画に抗議し、以下のことを要求します。
1.日立製作所は、原発事業から撤退し、代替自然エネルギ-研究・開発に予算をシフトすること
2.日立製作所は、原発輸出を中止すること
3.福島第1原発4号機の復旧あるいは廃炉工事状況と労働実態を定期的に報告すること

尚、この抗議文は、全世界に発信します。

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