2012年5月21日月曜日

がれきの問題を考えましょうー川崎の現場から


5月20日、川崎で瓦礫の2回目の勉強会がありました。「がれきってホントに安全??~そこが知りたかった!がれきの真実~」ということで、ストップがれき川崎の会主催の集会がもたれ、会場は満席でした。瓦礫に関する関心の高さが窺われます。

3月18日川崎駅前で「絆」キャンペーン実施
原発には反対だが、瓦礫受け入れ反対は地域エゴではないのかという声が結構あるのは事実です。反・脱原発運動が瓦礫の広域受け入れ反対にはなっていない現実をしかと受け入れる必要があると思います。私自身は今は瓦礫受け入れは止めるべきだという考えですが、受け入れるべきだと考える方は、マスコミで繰り返し流された現地の瓦礫の映像が各人の中でインプットされていて、なんとかしたい、協力できるものであれば協力したいという思いが強いのだと思います。それを政府は「絆」キャンペーンで、ナショナリズムに訴えることをやってきたのですが、「絆」キャンペーンの背後にあるものが見えてきました。

今回の学習会は猪俣・川崎市議、新川(にっかわ)眞・国際生態学センタースタッフ、布施純郎・医師の3人の発題がありました。詳しく知りたい人は、事務局でその場でPCに打ち込まれた資料を参考にしてください。

講師の中でも現地の瓦礫がどのほど残っているのかという点では評価は分かれていましたが、3・11の災害による瓦礫がいまだ完全に解決していないという点は否定しようがありません。そこから、その瓦礫をサイパンにもっていこうというとんでもない話が出てきたり、瓦礫を防潮堤に使おうという話が出てくるのです。

川崎の猪俣市議の講演
猪俣市議は、川崎市長がいち早く瓦礫受け入れを表明していたのにどういう訳かもうやらないという記者会見をした背景について「個人的な見解」を披露しました。長い市長との「お付き合い」で、市長は国の押しつけに嫌気がさしたのではないか、国が中間に立って瓦礫引き受けを迫ってきたが職員を派遣させて調べさせると陸前高田はどうも自前で処理できることがわかったので、もし他の自治体が川崎市に瓦礫の引き取りを要請してきたらそれはどうなるかわからない、という意見でした。猪俣さんは他にもリニアカーの問題や、川崎市民の、特に若いお母さんの間で懸念が強まっている放射能に汚染された食品のことに関心を強くもたれていました。

  講師の新川さん、瓦礫活用の実験場で
国際生態学センターの新川さんは超多忙なご様子でしたが、わざわざ時間を作ってご参加くださったようです。お忙しい理由は、「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」が細川前首相の肝いりで、政府の支援を受けながら実際に東北地方で2ヶ所の防潮堤を作られる準備に奔走されているからのようでした。世界的な生態学者であられる宮脇教授の、地元の風土に合った植林を植え防潮堤を作る構想が、瓦礫を活用して数百キロにわたって太平洋岸に防潮堤を作るという構想に拡がり、300億円ほどのプロジェクになるそうです。まもなく広くマスコミを通して私たちの目にもつくようになると思います。このプロジェクトが中央の大企業ではなく、地域の中小企業と結びつくようにならないのでしょうか?

 細川前首相も植林に参加
放射能に汚染された瓦礫を防潮堤に使う場合、その放射能に汚染された瓦礫は地下水や環境に影響はないのか、この判断は専門家に委ねるということで、実際問題としてはこのプロジェクトをバックアップする環境省の判断になります。ICRPの基準に基づくことはまず間違いないでしょう。それは結局、内部被曝の問題をどのように捉えるのかというところに行くのだと思います。

参考までに:内部被曝についてー戦後世界を根底から問い直す視角になるのか?
http://www.oklos-che.com/2012/05/blog-post_11.html

 提唱者の宮脇横国大名誉教授
私見では、福島の事故で関東地域で放射能に汚染されていない地域はないわけで、現在、一般ごみ、産廃はすべて焼却されているところで、東北地方のがれきで防波堤を作ることには反対ということになるのか、懐疑的です。新川さんのご意見では、環境省が旗を振っても地方自治体の壁は厚く、特区のような形態でないとプロジェクトの進展はむつかしいということでした。一定の業者と結びつくのではなく、木の種を地元で育てて苗になったものを買い取るという構想でしたが、国家プロジェクになると、宮脇さんのロマンや理念と違った次元の問題が生じる可能性があるのではないかと危惧されます。しかしそれは絶えず注意するしかないですね。

布施医師の講演
最後に川崎の医師の布施さんですが、個人で病院を経営され、昨年の3・11以降、問題意識を持ち始めたということでした。病院には子供の放射能汚染を心配するお母さんたちが心配でよく来られるとか。講演内容は内部被曝に関してで、肥田さんの本を思い出しました。世界の常識は、日本社会の汚染に関しては非常に批判的なわけで、特に子供に対しては食べ物や砂場、雨に当たらないようにするなどの「防御」が必要なことに関してはまさにその通りだと思います。

しかし私は布施さんの話を聴いて、近藤誠のことを思い出していました。放射能汚染に注意するということと、ヴィタミンCが「いい」(=「効く)かもしれない?)というのでそれを服用するということは結び付くのでしょうか。癌に「いい」という民間療法や健康食品に関しては私は批判的です。癌や成人病も大きくとらえれば免疫と関わるのですが、それらに特に「効果」がある食品などというものはないのです。何をどのように捉えて「いい」とか「効果がある」と言えるのか。テレビ宣伝している肩こりやひざ痛に「効く」という食品も分子レベルで胃から吸収されるのにそれは嘘です。新鮮な野菜を食べ、空気のいいところで住み、特にストレスがなければ体にいいのに決まっています。免疫力も当然高まるでしょう。医者なんてのは、早期検診などは受けず調子がどこか悪くなったら診てもらう、しかしなるべく行かないで様子を見て生活の改善に努める、これが一番だと私は考えています。

参考までに:
近藤誠は生きていた!-「がんもどき」理論の最終見解について
http://www.oklos-che.com/2010/12/blog-post_17.html

近藤誠『成人病の真実』のお薦めーこれは絶対です!
http://www.oklos-che.com/2010/12/blog-post_9935.html

抗がん剤と早期がん検診の意味はないー最近の「がんもどき」論争から
http://www.oklos-che.com/2011/01/blog-post_15.html

最後に、3・11でわかったことは、これまで当たり前に思っていた日常生活そのもののあり方を根底からとらえ直すことです。瓦礫の問題はそもそものごみ焼却の問題に行き、川崎においてはもともと公害がなくなったと言いながら、川崎北部の小児ぜんそくの罹患率は異常に高いままなのです。政府も行政もその原因を特定しません。しかしそのことに注目し問題にする人は非常に少ないのです。

川崎で瓦礫を引き受けないと一応決まったことから、瓦礫の運動はどうなるのか。全国レベルで瓦礫の引き受け・焼却が進められているので、その人たちとの連帯を進めるということはあるでしょう。異議はまったくありません。しかし私はここで自分の足元の問題をしっかりと考え直す必要を強く感じます。例えば、すべてのことは行政主導で進められ、議員や市民は反対の意を唱えるということでいいのでしょうか。なにかあれば議員への陳情をする、私はそうでなく、市民そのものが自分たちの政策提案までするくらい、成熟していかなければならないと思うのです。

災害の問題をひとつとっても同じです。地震・津波で川崎北部の崖崩れが予想されるとこは500か所を越えるそうです。南部では津波で油が市街地に拡がり、火の海になります。東京湾の船の運行は禁止されその経済損失は数十兆円を超えるそうです。自分たちもその時は死ぬ、死ぬときはみんな一緒だと言いながら、実は多くの市民はあきらめているのです。この諦念(あきらめ)に挑戦し、自分たちの納得できるようにしていくという方向に瓦礫の問題が進むことを期待します。

「地震・津波の災害に関心が薄い人が多いのはどうしてでしょうか?」
http://www.oklos-che.com/2012/05/blog-post_17.html

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伊藤英雄代表の挨拶

資料編(集会で私の前に座った武井さんがPCに講師の話をそのまま打ち込むのを見ていて感嘆し、使わせてもらうとおもっていたところ、今朝早く資料が送られてきましたの、活用させていただきます)



平成24年5月20日  ストップがれき川崎の会 第2回勉強会

日時 平成24年5月20日(日) 13:30〜16:40

1 開会宣言

2 伊藤英雄共同代表 挨拶

3 司会から説明
講演のお願い。説明。

4 猪股美恵川崎市議による講演
無所属市民派として孤軍奮闘している。
これまでは、受け入れ状況ということで、資料を用意してきたが、東京新聞の記事を見てもわかるとおり、5月17日の記者レクで、阿部市長がペンディングのような形で発言をした。私も真意を確認したら、確かに、「ここはいらないだろう」ということ。川崎市が受け入れを止めた背景は、4月下旬、国の要請があって、県をとおして、陸前高田と大船渡の受け入れをするということで、市の職員2人が見てきた。自分の方が先に呼んで話を聞いたら、職員が撮った写真があるが、殆どガレキがさばかれている。きれいにさばかれているのがわかる。とにかくさばかれている状態になっている、もうここ要らないんじゃないの?と言った。確かに、そうですねえと。そして、太平洋セメント7月から1日千トンのガレキ処理が行えるようになるとなれば、ますます川崎市は要らないのではないかということになった。翌日、職員が市長に報告。同じやりとりをして、写真や太平洋セメントの話。これだったらわざわざ受け入れることはないだろうという話になった。ただ、阿部市長としては、国が広域処理ということで、国がイニシアティブをとっていることで振り回されたくないので、自治体間で応じる姿勢はあるという余韻は残されていると感じた。それと、市民の世論の動向というようないろんな要素が重なってそういうことになったのだと思う。

しかし、そもそも、この広域処理ということにものすごい疑問を持つ。広域処理ありきというのは、ここで無理ならここでお願いしますということが起きていると思う。自分が、国の方に調べを入れたら、3月13日、原発事故の翌日、閣議決定か閣議会合で、広域処理の受け入れについて、特別措置法に基づいて正式に県などに要請することになった。去年のころでも、原発事故の前に、広域処理というのが、廃棄物処理法に基づいて、阪神淡路大震災のときのように、皆で協力しましょうよということで、放射能ということが後から言われるようになった。広域処理のほうが先行していた。
広域処理というのが、一般廃棄物の領域でと言ったが、今回の話が進んでいくにあたっては、法律の制度が矛盾だらけというか遅れてきたことは事実。
資料の4番。廃掃法では、放射能廃棄物は除外すると言われている。原発事故が起きたときには、これしかガレキを処理する法律はなかった。それとは別に原子炉等というのがあって、それしかなかった。その間をうめるために、特措法が2つつくられてきて、廃棄物を処理するため、この場においては、この法律を使って下さいよということで、低レベル廃棄物とか、原発由来の廃棄物については、2つの措置法で手当をしていくということになった。廃掃法も、放射性廃棄物を除くというところを手当していなかったので、そこの処理というのが矛盾だらけになっていた。
そんな中で、川崎市としても矛盾をかかえながら、わかっている職員はそのジレンマにあいながら、どうしたものかというところがあった。
阿部市長は、当初から、広域処理をする前に、下水道汚泥の焼却灰と、ゴミの焼却灰を自分たちで処理をしなければ、ガレキの受け入れはしないと言い続けてきた。
ガレキの処理は、ペンディングされたとしても、下水道汚泥の焼却灰と廃棄物の焼却灰の問題は山積されていて、むしろそれが今は大きな問題。
現在浮島にコンテナが、8100個ある(5月11日時点での量)。これは、当初、1万6400ベクレル出た下水汚泥の焼却灰なども含まれている。現在は、下水道汚泥の処理の放射能汚染度は2000ベクレルぐらいには下がってきているが、まだまだ高い。そして8000個近いコンテナが積まれている。川崎の処分場は、陸地にあるわけではなくて、海面投棄。それが大きな問題に。特措法でも手当されず。最近、海面投棄について、やっと国の基準ができた。4月17日と、3月30日、取り組み方針についてというのを環境省が出してきた。資料7番。海面投棄はこうしなさいというもの。あともう一つはリサイクルについては、こうしてというのを出してきた。これが、資料の8、9かな。資料②は、2枚目の濃度、60や80を割ったもので1より少なければ海面投棄をしていいということになっている。川崎は、本当に海面投棄をしている。こういう数字が出されてきて、川崎市はどう対応していくかということが議論になってきている。
ゴミの方の焼却灰については、国立環境研究所というところに昨年から委託しており、答申を待っているところ。出次第もらうように言っている。海に投棄したときに、どれだけ溶出するのか、浸積試験とか。シュミレーションをして、許可を得たら、埋め立てられるということになっているが、なかなかシュミレーションが難しい状態。なんだかの形で、積んでいれる場合、ゼオライトシートをかければ溶出したものを吸着できるとか。セシウム134と137の平均値で出すということになれば、134と137の寿命は違う、その平均値で対処するということ。あと1ヶ月に1回の調査でいい、1年1回の更新でいいとか。平均で、出たか出ないかを1ヶ月に1回検査をして、1年1回の許可申請で、何十年も何百年も係属していくということになったときに、途中で大きな数字が出てきたら、誰が責任を持つのか。出てきたら、取り消すかと聞いたら、それは法律にはないので、そのまま埋め立てられてしまう。
今回、川崎が進めている埋め立てについては、ものすごく、日本の中で、放射性廃棄物を海に投げて捨ててもいいということになってしまう、そういうことをつくってきてしまうと言われている。
溶流率はとても高い。●%とか●%とか汚泥焼却灰は、2%とか言われている。ゴミの焼却灰を海に埋め立てていけるのか、それは市民と議論をする必要が出てくる。
私が心配をしているのは、産廃業者に任せてしまうのではないか。市に再三確認しているが、今のところは考えていないということだった。
国立環境研究所からの結果がどう出てくるか。安全評価検討委員会というのが、学識者4名、環境局、下水道局で構成されている。なかなか公開はしてくれないが、非常に慎重になっているというのは確かなよう。川崎市の方で、一番限局?の人が慎重になっているよう。安全評価検討委員会というところでも間もなく回答を出してくるらしい。それを見て、埋め立てを評価したり、埋め立てしないならどうしたらいいか検討すべき。
阿部市長は、記者レクでも、リサイクルをすればいいのではないかと言っている、要はコンクリ業者に買い取ってもらえればいいじゃないかということ。しかし、コンクリ業者は、今は自分たちで基準をつくっている。それは300ベクレルというもの。それを上回るものは業者は持っていかない。今日埋め立て地にあるものは2000ベクレル。当面は、業界もそれに手をつけないだろうと思われる。仮にコンクリ化になった場合、私は、特別管理産業廃棄物と同じように、マニフェストようなもので把握しない限りリサイクルしてはいけないと考えている。ましてや300ベクレルという業界基準が、本当に安全なものかどうか、その議論もしていなければならないと思っている。

質疑応答
Q 元市の職員。環境省の職員と話をした。一般ゴミの焼却灰の中の飛灰の線量が高いと浮島に運んでいる。組合の方は気にしていると思う。川崎市の一般の大気自体がかなり汚染されていた。陸前高田市よりも原発に近いし。今回の動向。今回のガレキと相関関係があるか。
→去年8、9、10月は、川崎市内のあちこちで高濃度の汚染状況が報告されてきていた。時を同じくして、焼却灰の中でも高濃度のものが出てきていた。一般ゴミの灰では、8000を超えるものはないと聞いている。ただ、質問者が言っているように、下に出ている主灰は海面にそのまま投棄をしているし、飛灰は、浮き島とか橘処理センター、バグフィルターを逆洗して出てきたものがあるが、バグフィルター神話があって、そももとの目が100ナノメートル。実際、放射能は、セシウムにしても0.53ナノメートル。確率的にくっつくかくっつかないかの話で、殆ど出ていると思う。バグフィルターのあり方については、議会でも取り上げて、検査をして欲しいというのと常時検査体制を取って欲しいというのがあったが、処理していく職員の健康管理の問題。直でやっている(=直接雇用している)職員はいいが、フレコンで積み込み作業は委託でやっている。
今日の資料で黒塗りのもの。作業員が線量計を胸につけてはかっているもの。私たちが、そこの視察に行ったときには主任がたまたま線量計をつけていた。携帯をかければ数値があがるよというようなもので、管理体制も、この数値をどう扱うかということが明確になっていない。名前は消したが、Bの人は、計算すると、次の日までのすじの3のところを足していけばいい、14マイクロシーベルト、一月の間に受けたものということになっている。取り扱いについても、委託を受けている作業員の人は無関心、無神経。そういうふうに教育されていないのだろうと思う。作業する人に、この数字がどういうものか教育していかなければ、意識がなければ意味がないと思っている。

Q 毎日新聞記者。ガレキ問題は、大阪の頃から個人的に取材。今日は個人的関心から来た。コンクリにリサイクルをするという趣旨のことを市長が言っていたということか。
→今迄もコンクリ業者が買い取っていた。それを今止めている状況。リサイクルで言えば、国は100ベクレルが基準みたいになっている。でも業界では、それぞれが基準を持っていると言うがだいたいは300ベクレルを買い取りの目安にしているよう。それぞれの業者が独自基準を持っている。

Q 市の公共工事で使うということが条件になっているということか?
→業界としては、買い取っていいですよとしているが、今、世論的にも製品化した後、何か出てきたら、自分たちの首をしめるようなものだが慎重にということ。

Q 市がお願いしますと言ったら、断りづらいのではないか。
→それはあるかもしれない。

Q 東京から来た。東京都では江戸川のリサイクルセンターからかなり近い数値が出ている。川崎市はガレキまず受け入れないということになっているのか?
→今迄は積極受け入れと言っていた。国がマッチングしていた、陸前高田と大船渡が自力でできるとなっていたので、ペンディング状態。

Q ガレキも大事だが、今迄の枝やゴミ。焼却場での数値をおいかけて、資料をつくったりしていないか?
→放射能測定の基準は公表している。大気のものとか言っているが、煙突から出ていくものの測定ではない。

Q 東京の日野から来た。日野市議会の報告を聞いた。日野は6月から女川のガレキ1600トンを受け入れるということでほぼ進んでいる。空も続いている。川崎が中心になって進んで頂いているが、九州や島田等もある。志高い政治家、利権に関係ないところで、議員さんも連携して世論を味方につけて戦って欲しい。
→私のスタンスは、広域ありきではなくて、現場が困っているかどうかという現状をしっかりと把握してみて、聞いて、しっかり判断したいと思っている。国は、広域処理の推進議員連盟というのが100名以上になって進めてきている。族議員、運搬にかかわって利益を得ようとしている人々も集まり始めてきていると聞くと、広域ありきというのは、誰のために、何のために押し進めようとしているのか冷静に見極めようとしている。

Q 本当に市長はあきらめるか。
→市長とすれば、去年の4月早々に早くから自分たちは受け入れるぞという姿勢を示された。この思いはわからないでもない。国があそこをやってくれというのはもう振り回されたくないと思っているのではないかと思う。長い間市長を見てきた中では、そう思えている。どっかの自治体レベルから、川崎さんなんとか困ってるんですよという話があれば、また浮上してくる可能性があると思っている。

Q 昨日のTBSの報道特集が気になった。原発、東芝で抗議したときに、国内で売らなかったら、海外で売るのは当然という話があったが、サイパンにガレキを持っていく話は聞いているか。
→バーゼル条約等で放射能で汚染されているものは輸出できないということを聞いている。無理だと思う。原子力廃棄物をモンゴルにだとかいろんな話が浮上する中で、差別につながってしまう。モラルとしてどうなのか。日本でも海面投棄がこれだけ厳しく言われているのに、私は、自治体として、送り出す自治体の品位を疑う。

Q 阿部市長を応援していいのかわからない。川崎市駅前で、がれき受け入れキャンペーンをやっていた。1人で抜けたのか、共同で抜けたのか。我々はどう見て、どう反応しなければならないのか。
→受け入れない人は人間じゃないみたいことを言っていたのに、受け入れないと言った勇気は買うべきじゃないか(笑)。英断ではないかと思う。ただ、今回の動きは、国に頭に来ているのではないかと思っている。マッチングして、その気になっていたら、いやあ、そんなの必要ないよと言われた立場では、国を信用することはないだろうというふうには思う。長い彼との付き合いの中で。長くないし、付き合ってはいないけど(笑)。

猪股さんより補足。今、焼却灰が山積みになっていて、海面投棄がいいよと言ってきたところで、川崎市の大きな争点になってくると思う。シュミレーションと言ってもたった6時間海につけてみるとかでしかない。何十年も何百年も私たちの街に埋めたときに、どうかという大きな課題が突きつけられたと思う。ガレキの話は、市長を立てて、英断としてもいいけど、焼却灰の話は深刻なもの。これからも引き続き皆で関心を持っていきたいと思う。他、出かけないといけないので、先生方の貴重なお話が聞けないのは残念だが、また種々アドバイス頂きたいと思う。ありがとうございました。

5 新川眞氏講演 「いのちを守る森の防潮堤」
国際生態学センター。宮脇さんと20年にわたって森づくりを進めてきた。
今日は、皆さんの興味と少し違うかもしれないけど、なぜ来たかというと、ボス宮脇がガレキを使うと去年から提案をしていて、その事で、話をして欲しいということで、専門家ではないが、一緒にやってきているので、ご紹介をということで、話をする。
写真にうつってるのが宮脇先生。
ドイツのリューネブルグハイデというところ。若き日の宮脇先生。チュクセン教授。この方が潜在自然植生の創始者ブロンブロンケ夫妻。その概念を最初に発表したのがチュクセン先生。植物の集まりとしての生態学の調査の方法を編み出したのが、ブロンブロンケという学者。アルプスの高山植物を調べたら、南側、北側で違いがある、植物は何らかの関係があるということを発見した。それが昭和●年。それを勉強するために宮脇先生はチュクセン先生
まず宮脇先生が一番最初にやったのが、新日本製鉄の環境保全林。大手企業はいろいろPRもしたが、まず工場を緑で覆おうとした。その当時の工場の緑化というのは、成木を植えて、下は芝生というもの。そうではないものを提唱。姫路工場に、どんぐりの直播きをした。当時、ポット苗がないから、どんぐりそのものをまいて、発芽させて、森をつくろうというのもの。ここは、どんぐりを直播きしたら、ネズミに食われて散々だったそう。成功した植栽12年後の写真。宮脇は、1970年から80年こういうことをやっていた。
東京電力東扇島火力発電所。元々が埋め立て地。発電所をつくるときに緑化したいという依頼あり。宮脇は、地域に合った樹種を、平米3つぐらい植える。林学ではありえない。生産材をつくるのだから。これが植栽13年後はこういう感じ。首都高から見ることができる。
一番の理論の元になっているのは、鎮守の森という考え方がある、神社や、この写真は、三島にある田んぼの中にこんもりとした森、社があると言われているが、地域の氏神様。ここの地域だけは手を入れるなと残っているもの。そういうものをつぶさに調査していく。あと写真。これは群馬県の屋敷林。こういうところの植物を全て調べ上げている。表にまとめて、この地域は、どういう植物が一番適しているかというのをまとめた。それが日本、植生史。アセスなどでは、ここに基づいて、こういうものを植えましたということがよく出ている。
現存植生図。少し古いもの。ここがスギだとか何とかを色分けしたもの。本来は、こういうもの、だからここにはこれを植えるというのをずっとやってきた。
あと、宮脇先生がやったのは、教鞭をとっていた横浜国大の正門のところ。上に土をかぶせ、4年後、13年後。15年ぐらいで、極めて自然に近い森が出来ると主張して本日に至る。今の姿。
1995年の阪神淡路大震災の写真。これまでの写真は、全て宮脇先生が撮ったもの。問題は、ポケット公園みたいなもの、横は壊滅的にやられている、公園だけ樹林が残っている。そういう現場写真がいろいろ残っている。神社の樹林帯が残っている写真も。
その前、大正年間では、関東大震災があった。このときに、阪神淡路の例が既にあった。当時の土木学会誌に載せられた論文から。4つ。陸軍本所被服●後(現国技舘)、岩崎氏別荘(現在、清澄庭園)など。特筆すべきは、3番目が岩崎別邸。それぞれの効果はどうだったか。本所被服●、1時間ぐらいの間に4万人のうち38000人が焼死。清澄庭園に逃げ込んだ2万人は誰も死んでいなかった。何が違ったかというと、まわりが板塀か樹林帯だったかという違い。宮脇は、工場の環境保全のための立地の森をつくるところから始まったが、今はいのちを守る森をつくろうと皆さんに提案している。
去年の震災の気仙沼の写真。陸前高田の奇跡の一本松。去年の5月の写真いろいろ。

ここからが本題の防潮堤。
今迄の防潮林というのは、左が海、次が松林。林は、海岸保安林と言って、殆ど林野庁が管理している。右側に居住区。今回の津波は、想定外の、1000年に一度と言うが、全てなぎ倒し、引き水のときに、なぎ倒したものを全て海に持っていってしまった。何千人という行方不明者は全て海にもっていかれてしまった。海岸線は、コンクリートがある防波堤、その次に保安林しかなかった。
宮脇が昨年から主張しているのは、松ではなくて、地域にあった樹種を混植、密植して、そういうものをつくろうと。
つなみが襲って、林の中をいったとしても、昨年は、松で、松も根こそぎ持って行かれたが、かなりの厚さの森ができていると、津波が隙間があるので、破水効果というか、津波の威力がだいぶ弱まる。プーケットでの津波で、宮脇先生が調査した際、これまで海岸の樹林があったものの、観光客向けにヤシの木とかをパラパラ植えていたものだから、一気にやられてしまった。
その次に皆さんとかかわりあるガレキ、どうするか。宮脇は、この図のように、深い穴を掘って、出てきたガレキをこの中に入れて、土をかぶせて、マウンドをつくり(高さ15から20メートル)その上に木をうえる、そうするとトータルで40メートルぐらいになる。津波も40メートルと言っているから、ちょうどいい。
復興会議で、委員長の井荻場さんに提案。宮城県の知事に紹介された。その当時は、まだ特措法ができていないから、震災ガレキと言ってなくて、廃棄物は全て焼却処分というのが環境省の方針であった。
一般廃棄物と産業廃棄物という区別。それをクリアするのに1年棒にふった。何もできなかった。今年3月になって、情勢がかわった。ガレキを使うという発想がどこから出てきたかというと、宮脇は、宮古から南相馬まで、300キロにわたって、そういう堤防をつくろうという主張。
ガレキを使うという発想について。写真は、1945年のベルリン。空爆の後で、全て廃棄物。それが今や、かなり広大な森になっている。ミュンヘンも同じ。公園の下にガレキがいっぱい入っている。私も若い頃、35年前にここに行った。神奈川新聞、テレビ神奈川、自分は当時、交通公社にいた。ベルリン市の担当者から聞かされてびっくりしたが、ここの下で、戦災ガレキが一杯入っている.中には戦車のガレキまで入っているという記憶が残っている。宮脇は、震災ガレキを処理するにはこれしかないと閃いた。新川さんが宮脇さんに呼ばれ、「ドイツで、あのとき、ガレキつかったよな?」と言われた。この写真は、今年の3月3日 ハノーバー大学のリチャードという学者の写真を許可もらって使っている。都市が全て破壊された場合は、ガレキを処理しないと復興がはじまらない。とりあえず全部埋めて、土をかぶせて、木を植えようというもの。
ただし、今と違うのは、単なるガレキならいい。津波だけで、引き起こされたのは、塩分や有害物質(PCBやダイオキシン)、しかし、今回は、放射能もある。皆さんの心配のとおり。それは私たちでは判断できない。
大槌町でモデルをやった。町の予算は全くない。計画は立てているが、実際に実施する場所がない。地元は非常に困っている。横浜ゴムという会社が資金を提供し(1200万円??)、町の場所で、4月30日、長さ、幅15メートルで、3000本の植樹。細野大臣も来た。あと細川元総理も来た。NHKの7時のニュースにも出た。国も、野田さんは、緑のもりをやる、青森から●まで50キロはやる、予算もつけると行った。細野さんもそれをモデルにして、国も始めたいというインタビューがニュースに流れた。
そうは言っても、我々の思い通りにはいかない、自治体がやってくれるかというと問題がある。ガレキ、中に入れていいものと悪いものがある。宮脇は、毒物は廃除すると言っているが、毒物の中に、放射性物質が含まれているのかどうかというのが判断が難しい。広域処理をするに、皆さん、安全だから受け入れるんですよね、そういう前提で受け入れるんだと思う。皆さんは、そこが心配なのだと思う。宮脇の提案では、毒物の判断は専門家にお任せしたいということで、そこには立ち入れないということでご了解頂きたい。
宮脇は84歳。今日も北海道でかけずり回っている。本人は30年やると言っているが、いつどうなるかわからない(笑)。最後の仕事という意気込みだそう。皆さんのご支援を頂きたい。細川さんが来て非常にいいものなので、国家プロジェクトとしてやりたいということで、野田さん、細野さん、平野さん、いろいろな要人に会えた。来週の25日に、記者クラブで会見。一般財団を立ち上げて、ポット苗が9000本ぐらい要るだろうということで、300億円は必要。13年間の年限で集める。細川理事長、宮脇副理事長、わたしが事務局長。来週の発表の後は、もう少し詳しい話ができると思う。

質疑応答
Q 放射性物質をどうとらえるかという問題。専門家に任せるというのは当然かと思うが、専門家の間で意見が違うのが問題。どういうコンセンサスを得るか、国際的な基準すら、内部被曝という点からすると問題がある。専門家にゆだねる場合の基準。誰が判断するのか。
→私見で言うならば、いろんな判断基準があることは知ってる。今ある現状、先ほど、大船渡でガレキはだいぶ片付いているような話がある。私たちつぶさに行くと殆ど片付いていない。片付いているところは、特定のいい条件が重なったところ。そうじゃないところは置き去り。なにしろ早く片付けたい。あとは全て地盤沈下している。漁業再開などのためには、かさ入れ、相当なガレキが必要。今後、いくら細川さんが頑張ったとしての、資金はかなり必要。それであると環境省の基準になるだろう。木質系のガレキを入れさせて欲しいと言った。環境省は、毒物は管轄するが、それ以外は権限は及ばない。実際に工事をする地方自治体に任せるという判断。環境省の公害対策課の課長名でも大槌町に話が言った。地元の判断をせまられ、岩手県の公害対策課にやりたいと言ったら、工期が迫ってきた、今回だけよ、規模もこれだけと言われて、しぶしぶ何だと思うが、許してくれたので出来た。家屋の倒壊から出た柱は一切入れてはいけない。自然な倒木であれば、適当な長さにして入れていい。今はそこまで。宮脇は、何と言っても、ガレキの中には、生活そのものがある、毒物でなければ、全てガレキの中に入れたいと言っているが、道は開けていない。
公共工事としてやらざるを得ないから、環境省の基準が一定のものになりうる。

Q 毒物廃除が失敗して、安全でない放射能が入ってしまった場合、どういうことになるのか。地下水などへの影響はどうか。
→当然ありえる。一緒に混ぜるとき、何をどうやって混ぜるかについては、慎重を期してやることになる。たらればの話をすれば、安全と思って埋め込んだものの中に、放射性物質が含まれていたら、雨等で出てしまう。放射性物質は、移動はするが消えないものだし。
安全という判断を私たちができないので、環境省がいいと言えば、それでやる。

Q 現地で処理できるということで森の長城プロジェクトは最適。応援したいがどうすればいいか。1億本のポット苗を育てるのに300億円の経済効果があるというふうにも考えられる。地元で、産業や田畑がなくなっている中での、産業育成と雇用も生まれるのでは。進めていければいいのではないか。
→3月5日に細川さんが来られて、応援すると言って、どういうものかと言ったら、政府要人に会わせてくれたり、財団つくらなきゃといって、たった2ヶ月で、ボスが細川さんなので、回りの人も相当な人で、理事が10名、評議員5名で発足。その中に、AKBなんとかというグループも使える人が入ってくるとか何とか。ある意味、発信力がある人が入ったが、これから。大きな目標を掲げよう。できることから。HPの立ち上げ。募金の仕方をどうしようかとか。案としてはあるが、実現されてない。一番最初に目につくのは、国民運動にしたい、300円のポット苗、ホームページにここをクリックすると500円とか自動的に募金ができるというやに聞いている。そういった形での、広く薄く、全国的にという協力の求め方をする。経済効果という点では、オイスカという植樹グループ。仙台平野で黒松の苗を50万本ほど植樹している。宮脇は、松は、海岸線の最前線に向くという。砂地で栄養がないから松がいい。でも松だけではダメということがわかった。マウンドをつくって、土地にあった樹種をつくろうとか。林野庁では持っていない苗を地元の人たちに、種をとってもらうところから始めて欲しい。地元組織が、1万個拾って、出荷できるようになったら300、400円で買い上げますということができる。オイスカもやっている方法。地元にもある程度金がまわる形で考えている。
被災地域をつぶさに見て行くと、殆ど過疎地で、残されているのは老人。でも苗作りは、水やったりするだけだから、ある意味最適。植物というのは、成長が楽しみ。芽が出て、1、2年たって、ポット苗になってと。でも私たちが楽しいと思うとか言って、上から目線ではだめ。一緒にやりませんかと相談できればいい。広く募金をする方法と、地域に入っていく方法。ボランティアも募るし、皆さんにも協力頂きたい。

Q 前回環境総合研究所の池田こみち氏も提案していた。環境総合研究所と連携を取っているのか。あと環境総合研究所では、排水とかも管理するという話だった。今回は、コンクリートガラをしきつめてやるという方法であった。環境総合研究所のようなやり方で、森の専門家としてはどうなのか。
→それは、青山先生が提唱しているものではないか。青山先生の発想では、コンクリートのような構造物をつくって、ガレキを入れて、マウンドをつくってというような図だった。私たちとは違う。宮脇先生が提唱しているのは、タブの木は6mも根を張る。下に構造物があるのは、植物にとって決してよくない。私たちは、水はけを一番気にする。水分が多いと必ず根腐れを起こす。大事なのは、水、空気がある、隙間があるということ。水が循環しているということ。ダメとは言わないけれど、お互いにいいところを取り合えればいいと思う。下に構造物を入れるという発想は私たちにはないからどうなのかということ。帰って研究員にも聞いてみたいと思う。その中に、放射性物質が入ってしまったら、そういうものであっても出て行ってしまう、それは同じものではないか。
30年前、ドイツにいった際、団員から、その中に毒物があったらどうなのかというもの。毒ガスに使ったようなものとか。そういうものは一カ所に集めて、ビニール帯をつくって、そこで埋めると言っていた。木がどんどん育って、ビニールシートを破ったらどうかという問題があるが、それまでは50年とか60年とか年月がかかるので、毒物はそのときにはなくなっているよという話だった。未だかつて被害があったという事例は聞いていない。その程度の毒物ということで当時は済んでいたのではないか。放射性物質ではそうはいかない。そのあたりは皆さんと一緒に勉強していければと思っている。

Q 昨年5月、復興会議の席で、提案したら、皆さん良いですねと言ったが、遅々として進まなかったということか。理由として、廃棄物は全て焼却という環境省方針があったから。今年5月ぐらいに野田さんがやると言ったら、国交省、農水省等皆やると言っていて、議連まで立ち上がっている。大槌町でモデルをやるだけで相当な抵抗があったということか。環境省は、どういう判断をしているか。
→3月から学者がライフワークのようにして動いても、なかなか上手くいかなかったが、細川さんが後ろ盾になってもらって、野田さんに会って説明ができた。野田総理が、これはいいPJだから、関係省庁の役員を集めて、前向きに検討させるということだった。そういう記事が出て、現場にもいた。いろんな省庁に話がいって、今の状態になっている。追い風を感じている。環境省も焼却処分のところは、今でもそのまま。広域処理だから。平野復興大臣にお会いしたときに提案したら、これが半年前の話だったらなあと言われた。オフレコだけど(笑)。3月にお会いしたときだから、去年9月、10月だったら、まだ復興予算の配分をされる、復興庁をつくるということ、別枠で予算確保できたかもというようなニュアンス。ここまで進んでるとなあとなかなか難しい折衝。
なぜそんなに抵抗があったかというと、やはり霞ヶ関の一部、上の方には、理解を得たが、下にいけばいくほど、末端になると、県の●●課の課長や班長。地方の市町村は、県にお伺い立てている。被災地では、市と県は、横浜市と神奈川県みたいな関係ではない。川崎は、政令都市だから、神奈川の言うことなんか聞かなくていい、違うかな(笑)。県の担当者レベルで、従来の考え方をしている。お役人が新しい発想ばかり取り上げられても困るけど。少し時間がかかるかもしれないけど、大沼市で第2のモデルをつくる。南相馬寄りにヤエガキ神社の復興をする。既成事実を積み重ねて突破口にしようとしている。
法律的な制約があって、できないということになれば、これは特に桜井市長に言っている、やりたいところは特区にして欲しいということを首長から復興庁にお願いしたらどうかと。

6 布施純郎氏(当会共同代表)講演「放射能による健康被害とガレキの受け入れ」
武蔵小杉で内科の開業医。現在、ツィッターでのフォロワーが13500も。甲状腺検査などにたくさんの患者さんが来るようになった。

写真:浪江町で生まれた耳なしウサギ。844SVの内部被曝。断定できないが放射能の影響が高いと思う。 

日本の放射線専門家の話。
年間100MSVまでは健康に影響はない(山下副学長)100MSV被曝するとガンになるリスクが0.5高まるだけという。本当か?

原発推進派である国際放射線防護委員会(イCRP)は、外部と内部1:1。
欧州放射線リスク委員会では、外部と内部は1:200から500
それが違う。

放射線
  一番危険なのがアルファ。次に危険なのがベータ。あまり影響ないのがγ。
  ICRPは、人間を直径1Mの肉の固まりとして想定し、そこに放射線をあてて何度温度  が上昇するかで影響を計算している。

アルファは45mm、ベータは、1から10m、γはだいぶ遠くまで飛ぶ。
内部だけを考えるとアルファとベータは近づかないと問題なし。ただし内部被曝をしてしまうと、身体の中では、アルファは40マイクロメートル、Bは10ミリメートルしか届かない。アルファ、ベータは、通有しないので危険。1マイクロシーベルト程度でもガンを引き起こす。
どういうふうにDNAが切れるか。γ線が通っても所々切れるだけで、再結合して大丈夫だいうのが安全派の考え方。アルファ線で近距離照射されると、異常結合。ガンやいろんな病気が起こってくる。

放射能の身体に対する影響
1  直接作用 放射線がDNAや細胞膜などの生態分子に直接当たって傷つける。
2 間接作用 フリーラジカルをつくる。この代表は活性酸素。過剰な活性酸素が遺伝子のDNAを傷つけたり動脈硬化を進行させる。

グラフ:アメリカでの新生児の低体重率
横軸に年代、縦軸に体重5.5パウンド以下の比率を示している(約2500グラム)
60年代に核実験が行われていた、そうすると上がっている、その後、下がり、チェルノブイリ、スリーマイルなどの時期でまた上がっている。

グラフ:ベラルーシの甲状腺ガンの患者数の推移。
赤いのが0〜15歳。1986年が事故。3年後ぐらいから小児の甲状腺ガンが増えてきている。2000年で落ち着いたが、1984年で生まれた人が2000年には16歳、青いグラフにうつってくるから実は減ってない、全体の数としても増え続けている。

それ以外の病気も引き起こす
放射能に影響される病気の一つとして糖尿病。1981年から2002年の間に、580万人から1330万人に増加。糖尿病患者の数と原発の稼働率に正の相関。原発稼働率が40%から90%に上昇するに従って、糖尿病も増えている。ダメージを受けるとタイプ2の糖尿病になる。膵臓が破壊されるとタイプ1になる。全てが原発のせいではないとは思うけど。

ベラルーシのパンダジェフスキー博士の発表
体内のセシウムが0−5ベクレル/kgだと85%に心電図異常はない。12−26ベクレルだと、異常がないのが37、8%に下がる。残り62%程度に心電図異常がある。

同博士の子どもの臓器別蓄積率
甲状腺に多く蓄積されているのがわかる。その他、心臓、能、骨格筋など、様々なところに蓄積していく。

同博士談
1990年から1999年の間だけでもベラルーシ共和国の死亡率は、32.7%に増加。悪性腫瘍の発症が増え続けている。15年後は50倍までに増加。
セシウムは、137は、慢性的な摂取により、甲状腺、心臓、肝臓など様々な臓器に蓄積。1日4ベクレルでも食べ続ければ危険である。できるだけ安全なものを食べるべし。自分は、1日14ベクレルの被曝がある。他の場所に行くと体調が良くなる。
1kg当たり20−30ベクレルの放射線セシウム137で汚染された子ども達の心臓に不整脈が起こっているのを発見した(?)。大人でも心臓病が心配される。

放射能により起こる病気
ヨウ素131 甲状腺ガン
134、137 甲状腺ガン、膀胱がん
ストロンチウム89、90 白血病など。
・・・・
あと「前ガン」になってしまう。

1万人が年あたり0.01シーベルトづつ被曝した場合。
子どもは大人の8倍ぐらい。子どもの方が感受性が高いことがわかる。


チェルノブイリの架け橋が集計した放射能の影響
咳、鼻水、下痢、鼻血、湿疹などが上がっている。
肥田先生は、下痢と鼻血、2つあわされば被曝じゃないかと言っている。
12−20歳は、湿疹など皮膚のトラブルも。

ウチのクリニックに来た患者の一例。
柏周辺のホットスポット在住の男の子。家の周辺は1マイクロシーベルトで、屋外は、0.2〜0.3。
●月上旬から、下痢、のどの痛み、声かれ。夏休みは、北海道に避難。症状は消失した、9月上旬に柏に戻ると下痢、下肢のだるさ、のどの痛み、●?、マイコプラズマ肺炎と診断された。結局、西日本に避難された。

10入りシーベルトの被曝
子どもではその発生リスクが少なくとも3−4倍高い。10倍と考える研究者が海外にいる。
1年に10ミリ、3、4倍高いとすると年間30から40mSVと考える。10倍となると年間100mSV。
 そうすると200人に1人の子どもがガンで死んでしまうということ。

NYに放射能の講演に出かけてきた。
坂本さん、小出さん、中山先生と僕。
NYのメディアに対し、放射能の危険性について訴えてきた。

内部被曝を避ける食べ物と治療と保養について
1000ベクレルのセシウムを一度に摂取した場合、1ベクレルを1000日間摂取した場合の全身の推移。
1ベクレル食べても200ベクレルぐらいで止まる。毎日10ベクレル食べるとすると1年半で1400ベクレルに達する。その値は、体重50キロだと28ベクレル/kg。この数値は、心電図以上を半数以上の人に起こす危険なもの。1日10ベクレル食べただけでも危険。

4月からの新基準
水道   10
牛乳   50
野菜や肉100
乳幼児の野菜や肉 50 ベクレル/kg

野菜の放射能汚染について(2012年1月〜)
長野 乾燥しいたけ2000ベクレル、茨城 乾燥しいたけ1960とか。しいたけについては、新潟、長野、静岡等の遠隔地でもセシウムが認められている。その他には、小麦、レンコン、サツマイモ等を認めている。

魚、肉について
まだら、タラ、真サバ、イワシ等について認めている。
牛乳は1ベクレルとか。
牛肉129ベクレル。牛、鶏、豚も飼料は海外産だったりする。牛肉は、稲わらを入れないと油の載った上手い肉ができない。その稲わらによって、ベクレル数が高くなると思われている。なので、鶏と豚は比較的安全と考えられている。

魚の種類とセシウムの濃縮係数
まだら、鰹、スズキ、ブリ等大きな魚ほど濃縮係数が高い。

魚には注意が必要
魚にセシウムが検出されるときはストロンチウムが存在する。福一ではストロンチウムが多く排出された。ストロンチウムは検査されていないけど、近海の魚には入っている。ストロンチウムは骨に取り込まれ、排出されにくい。白血病や骨肉腫の原因になる。

川崎セシウムみかん事件
フルーツポンチに使われた県産みかんから9.1。
阿部市長の話:子ども達のことより、生産者などへの影響の方が心配だから文句を言わずに食べろと明言。
川崎市の話:みかんを1キロ食べる子はいない。口に入るのは微量である。問題ない。9月まで出しますと。反対する電話も少ないし。
川崎市に電話すると「契約の話もあるので・・・」と。横浜市は止めたのでそのことも考えて欲しい。

学校給食の問題点
①放射能ゼロが望ましい
②牛乳の大手のものには福島産のものが混在している可能性がある
③弁当の持ち込みを自由にすべき

保養について
セシウム137は、1歳までは9日、9歳迄38日で排出される。
小さい子は長い休みには保養に出したほうがいい。

野呂みかさんの話
チェルノブイリ事故の当時、チェルノブイリの子どもを受け入れた。世間では無駄と言われたが、北海道で保養を開始した。1ヶ月後、子ども達は見違えるように元気になった。その後、検証により放射能が出て行くことが確認された。
子どもの方が吸収しやすいが、反対に排泄しやすいので、保養は子どもでは30−40日
大人では100日。保養した648人(原則1人1回のみ)は、全員、ガンや白血病になっていない。
チェルノブイリの子は、来日後しばらくは息が切れ、走ったりできなかったが、その後1ヶ月で元気になり鼻血も止まった。
酵素食がお勧め。みそ、漬け物、納豆、日本酒。大根おろし、りんごのすりおろし、酵素ジュース、バナナなどがいい。

復習 放射能の身体に対する影響①直接作用、②間接作用。活性酸素をどうやって防ぐかが大事。子どもだけでなくて老化に関係しているので、若くいられるということ。

お勧めのビタミン
ビタミンC 
高酸化作用は酵素よりは弱いがスーパーオキサイド、過酸化酸素を分解し、有害物質も排泄。1日1000から3000mg。福島に自衛隊が救助に行ったが、その人たちもビタミンCを飲んでから行ったらしい。政府は知っているが、福島や関東に放射能があることすら認めたくないので、そう言わないと思う。これだけ食べ物で摂るのは無理なので(1000はレモン10個)、サプリがいい。
ビタミンE 
強い抗酸化力を餅、細胞膜の主成分で、不飽和脂肪酸が酸化して過酸化脂質になるのを防止。1日200mgくらい。
ビタミンA
  放射性障害や大腸の強化に繋がる。5000。肝油とかでいい。
ビタミンC11日1−2グラム大人は3−6グラム取る。
どういうのがいいかというと、ダグラス社の総合ビタミンミネラル製剤、子供用のビダビッグキッズ、大人用UPX10 ビタミンCが足りない部分は●を。
ラムネになっていて飲みやすい。原料は、農薬、自然素材を100%使用している。先生のところでも15%オフで売っている。

がれき処理の影響 
バグフィルターで99.99%除去させていると環境省は言うが本当ではない。
栄区の焼却路停止後のぜんそく罹患率。横浜市の罹患率はぜんそくが増えているのに、焼却炉停止したら、本郷小学校156人が5に、●台小学校は、19.7が4に。

バグフィルターの問題点
1 すぐ破損している。トヨタ市では576本のうち211本が故障している
2 こわれやすいので、バイパスを儲けている焼却炉
3 バグフィルターで有害物質が除かれていれば、付近でぜんそくなんか起こらないはず。

これまでは放射性廃棄物としての管理は100ベクレル以上。今は8000ベクレル。ダブルスタンダードで、科学的根拠はない。実際のところ、東電等では、100ベクレル以下でも厳重注意している。それなのに、焼却灰を8000でも埋めてしまおうなんてとんでもないこと。

島田市の試験焼却の結果。
検出限界値は、0.3から0.4ベクレル/m3であり、焼却炉の排ガス流出量は、毎時約2万トンとなる。不検出でも1日●ものセシウムが発生することになる。
煙突から出ているのを考えると除去率は65%。物質収支から算出された除去率からは6割ということになる。

名古屋市 川村たかし
なぜ現地でガレキの処理を進めないのか。被災地にも雇用創出などの経済効果がある
田中康夫
ガレキの広域処理は、被災地支援になるのか?

阿部市長のコメント
現地でニーズがない以上はやらないと言った。東京は未だなくならない。阿部さんのことは皆で褒めましょう。

日本人の死亡原因の推移
1899年から2004年 ガンが増えている。
放射能でガンになっても、そうかどうかわからない。

水俣病と放射能被害の類似
水俣湾の魚を食べても安全と思っていた。患者は3万人、認定患者数は2265人。重病になっても国は長い裁判で患者をあきらめさせるようにしている。頑張っていかないといけない。

まとめ
1 放射能は微量でも危険
2 食べ物に注意
3 時々保養しましょう
4 ビタミンCミネラル製剤をとりましょう
5 放射性のがれきは焼却せずにまとめて管理すべき

質疑応答
Q ECRRのバクビーさんが、セシウムとストロンチウムをとりこまないように、マグネシウムとカルシウムを摂取するようにという話があるが、先生はどういうふうに考えているか。
→マグネシウムとカルシウムは採ったほうがいいと思う。カルシウムというのは海藻とか自然なものから摂っている。マグネシウムは特に意識してとってはいない。ビタミンCがお勧め。

Q 東京に住んでいて、妻と子が沖縄に避難している。3〜5年、ずっと戻って来ないかもしれない。東京や川崎程度の、ホットスポットでないところで子どもが住むのは先生はどう思うのか。
→何とも言えない。症状が出たりしている人は避難した方がいいかも。残る人は、ビタミンCを採ったり、風のひどい日にはマスクをしたり外出をひかえたりした方がいいかも。

Q 妻は病院勤め、自分も勤めていた。当病院で出産した乳児が、そんなに小さな病院ではないが、出産した病院では対応できないような症状、具体的にはチェルノブイリハートで見るような症状、それで鎌田の病院に搬送された。東邦大かと思う。放射能は微量でも危険というのがわかっている。福島から関東地方にかけて、極論になるが、妊婦は極力生活しない方がいいのではないかなと改めて思った。
→妊娠と出産は、注意した方がいいのでないかと僕は思う。田舎とか帰れるところがあれば、その間だけでも帰ってしたほうがいいと思う。

Q 今の話に関連して、東京、神奈川、川崎でもかなり危険な放射能障害が出ているということか。
→こういうのは感受性の高い人に症状が出たりする。全員に出るわけではない。全員がガンになるわけではない。出ている人もいる。でも不安で検査をして下さいという人の方が圧倒的に多い。出ている人は少数。

Q 政府の言っていること、根本的には信じることはできないのではないか。
→福島の子ども達を避難させないのは論外。自衛していくしかないと思っている。


7 会事務局武井より挨拶

8 閉会宣言
以  上

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