2012年5月18日金曜日

川崎市、神奈川県でがれき受け入れは、中止に。まずはよかったですね

がれき広域処理:川崎市見直しも 市長「現地で道筋」
毎日新聞 2012年05月17日 21時48分(最終更新 05月17日 22時01分)

川崎市の阿部市長、神奈川県の黒岩知事、いずれも東北地方からのがれきを受け入れる必要はなくなったと正式に言明しました。いずれも現地での瓦礫の処理が進んでいるということを認めたということでしょう。

まずはがれきの広域処理を反対してきた川崎、神奈川のみなさん、よかったですね。お疲れさまでした!これも地元での地道な反対運動があったからです。しかし実は私自身、あまり「勝利」を喜ぶ気になりません。政府及び中央の政治家が「絆」を盾に瓦礫を全国的にばらまく画策は一応、地元では阻止できたのですが、まだ決着がついたわけではありません。現地の「復旧」が1年過ぎてある程度見えてきたのは、ネットではとっくに知らされていた事実です。何と言っても地元の「復興」のめどがたっているわけではありません。

「復興」は3・11の災害に遭った東北地方が、これまでの長い期間、中央の「搾取」構造によって貧しいままであった事実をどのように乗り越え、住民主権の地方自治によって新たな内発的、自発的な地域社会を作り上げるのかという、もっとも大きな課題に取り組まなければならないからです。
参照:被災地の現場をどのように捉えたのかー地域経済学のN教授の見解
http://www.oklos-che.com/2011/05/n.html

また瓦礫広域処理の問題を通して、日本のごみの問題が明らかにされてきました。地方自治ではなく、中央がごみの大型焼却を進めているという実態です。これは明らかに違法ですが、道州制に向かって地方自治体の再編をねらう中央の意向に沿ったものです。川崎に即して言うと、ごみの焼却の影響、焼却灰の処理、これらの問題は放置されてきました。
参照:山本節子『ごみ処理広域化計画―地方分権と行政の民営化 』

がれき広域処理を一応阻止した地元の運動は、そもそものごみ問題、そして3・11で浮上した災害対策の問題、そして国策として進められているリニアーカー問題に焦点をあてていかなければならないでしょう。がんばりましょうね!

毎日新聞 2012年05月17日 21時48分(最終更新 05月17日 22時01分)
東日本大震災で発生したがれきの広域処理を巡り、川崎市の阿部孝夫市長は17日の記者会見で「国が調整した分は現地で処分できそうになった。今までのスキームでは進まない」と述べ、受け入れの対応を見直していることを明らかにした。
環境省は3月、神奈川県に対し岩手県大船渡、陸前高田両市の木くず12万1000トンの処理を要請していた。阿部市長は「震災から1年がたち、現地で積極的に処理する道筋ができていないとおかしい。今になって処理できないのが、どのくらい出てくるか若干疑問がある」と話した。ただ、意見交換は継続する姿勢を示した。
阿部市長は全国に先駆けて昨年4月にがれき受け入れを表明。今年2月にも「筋の通らない反対意見は無視する」と述べたが、「国の海上埋め立ての基準を待っている」と具体的なスケジュールは示してこなかった。
神奈川県と県内3政令市は4月に大船渡市などを視察。川崎市は12万1000トンを引き受ける必要性はなくなったと判断している。同県の黒岩祐治知事も14日の記者会見で「想像以上に処理が進んでいる。今後は被災地からの具体的な提案を待って判断したい」と話した。【高橋直純、北川仁士】

0 件のコメント:

コメントを投稿