2011年3月18日金曜日

今こそ、民族・国籍を超えた「協働」ー共に新たな地域社会建設に向かって

Twitterで、避難先で中国人や朝鮮人が毛布や食料などを強奪し、「本当に在日中国人、朝鮮人の為に、治安がものすごく悪化」したという悪質なデマがまことしやかに伝わっています。私は、断固、そのような民族差別を増長するような情報を許してはいけないと思い、次のような「つぶやき」を発しています。

「RT世の中どこにも不届者がいます。性犯罪やガソリンを盗もうとした人が逮捕されたようです。それが「日本人のために治安がものすごく悪くなった」と言いますか。それに事実関係の確認も必要ですね。」

「誰がこんな時にこのような形で、民族差別を増長させるような情報を発信しているのか、確かめることはできないですか。今こそ、これまでとは違う次元での、民族を超えた「協働」を訴えたいものです。」

「今こそ、「嫌韓派」及び民族差別主義者の発言は許しません 」(http://anti-kyosei.blogspot.com/2011/03/blog-post_17.html?spref=tw)。「私に韓国批判、「在日」批判しかできない人から「つぶやき」が入ってきています」(http://www.blogger.com/post-edit.g?blogID=5514277013357033710&postID=7239161107374328879)を公表しました。

今日の朝日新聞の朝刊と夕刊で、被災地における、「嫌韓派」や民族差別主義者が取り上げるのは全く異なる、胸を打つ記事が紹介されていました。

1.宮城県に来ていた中国人研修生20名を高台に誘導した後、日本人の役員は再び宿舎に戻り津波に襲われたとのことです。日本人の自己犠牲に対して、北京の新聞は「愛には国境がない」とコメントし、助けられた本人たちは、「現地の人の助けがなければ今の私はない」と号泣したそうです。

2.仙台に来ている韓国の救助隊105名が、瓦礫の中の捜索を続け、多くの遺体を捜し出しているそうです。朝日新聞は、「韓国隊、悲痛の捜索」と書いています。隊長はインタビューに対して「どうか希望と勇気を失わないでほしい。私たちもわずかで力になれるよう力の限りを尽くますから」と応えています。

その他Twitterでは朝鮮学校が校舎を開放し、日本人住民にも働きかけているということが明らかにされていますし、また韓国のKINという団体では、政府の「韓国籍、「朝鮮」籍の区別することなく対応するように韓国政府に求めています。

私は今回の悲惨な出来事を通して、東アジアの国々の間でこれまでにない新たな関係がつくられていくのではないかと、上記の記事を読んで強く感じました。

このことは国家間における関係にとどまらず、日本に住む外国人と日本社会の関係のあり方にまで影響を及ぼすと、私は思っています。民族・国籍を超えた「協働」は地震による災害にどう対応するのかという意味での「協働」に留まらず、在日外国人と日本社会の「協働」がさらに深化される、新たな次元での「協働」が模索され始めるべきだと思うのですが、いかがでしょうか、みなさんは。

被害に遭った東北地方は、ある意味、見捨てられた地域です。使用済みの核燃料施設がつくられ、人件費の安さということで半導体、自動車、家電が競うように工場を作ってきました。地震による破壊で、その復興にはある程度時間がかかるでしょう。それはさらに海外への工場移転に拍車がかかることを意味します。廉価な労働力の使用を求める外部産業の導入でなく、東北地方の内発的な産業を構築していく機会でもあります。

また壊滅的に破壊された地域社会は、これまでの既存の人間関係や、日本の中央政府に依存しない、地域住民が主権者として自らの意見を具体化しながら、新しい地域社会をつくりあげる絶好の機会になるでしょう。そのとき、同じ悲惨な経験をしてきた外国人住民も一緒になって、新たな地域社会建設を担う仲間として、共にその課題を担う者として受け留め合うような関係になってほしいと願ってやみません。

そのことは、他の地域においても一つの見習うべき例になると確信します。「多文化共生」という既成社会への埋没ではなく、「協働」によって新たな地域社会を共につくっていくのです。そこでは民族差別主義者や「嫌韓・嫌中派」の差別的な発言は地域社会が許さないでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿