2010年7月30日金曜日

仙谷官房長官と朴鐘碩(日立闘争当該)

7月29日の朝日新聞夕刊の「窓」論説委員室のコラムで、石橋英昭記者が「弁護士政治家」というタイトルで仙谷官房長官と朴鐘碩のことを記しています。40年前の二人の出会いが今日の二人を作ってきたのですが、日本の政治の中枢を担う政治家になった仙谷さんと、40年勤めあげ来年5月に定年を迎える朴鐘碩のことを想うと、不思議な気がします。定年の時の集いはどのようなものになるでしょうか。

以下、コラムの全文を記します。

弁護士政治家  論説委員室から 朝日新聞夕刊7月29日

東大在学中に司法試験に合格した仙谷由人さんが弁護士登録をしたのは、25歳のとき。最初に担当したのが、日立製作所の就職差別事件だった。

在日韓国人の朴鐘碩さんが、国籍を理由に採用を取り消され、入社試験で日本名を使ったことも「ウソつき」だとされた。裁判では不当な民族差別だったと認められ、朴さんが全面勝訴した。

「オマエたち日本人が作り出した差別だ」「この裁判にかかわることでオレは生き方を変える」。深夜までよく青年弁護士と議論したのを、来年日立で定年を迎える朴さんは、覚えている。

40年近くが過ぎ、仙谷さんは官房長官に就いた。戦後補償などをめぐる発言に原点の体験がにじむ。ふらつく政権内では、その調整力が頼りにされる。今もどこか、面倒見の良い、法律事務所のボスといった風情である。
見渡せば、早くに政治家に転じた枝野民主党幹事長、谷垣自民党総裁と、山口公明党代表、福島社民党党首、また横路衆議員議長も弁護士資格を持つ。25日に任期が切れた江田参院議長もそうだ。

与野党ねじれのもと、数を頼んだ乱暴な国会運営はできない。ルールに基づいて、損得を比較考量し、弁論で説得する。求められるのは「法治国会」だ。法律家がこれだけ政治の中心にいるのは、時代の必然だろうか。
週参議員で弁護士出身は現在31名。この中から首相が生まれれば、鳩山一郎以来のこととなる。<石橋英昭>

崔 勝久

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