2009年10月26日月曜日

川崎の市長選の結果をどう見るのか

川崎の市長選の結果をどうみるのか


残念ながら、35%の低い投票率のなか、2位の民主の福田さんを2万票の差で引き離し、阿部さんが当選しました。私たちの阿部三選阻止の闘いは負けました。

阿部さんは、「市民の勝利」(神奈川新聞)と話した ようですが、彼を支持したのは、110万の有権者の 中でたかだか13%です。それを「市民の勝利」とは お門違いです。今回の選挙で、各政党の「市民不在」 の体質、私たちの「市民運動の力量のなさ」が明らかに されました。

棄権した市民は65%にも上っています。この数字は 私たちがビラ配りをしたときに感じた通りの結果ですね。 当選者が14万票というのも、私の予想(危惧?)した 通りでした。

岡本さんが共産党支持者の60%少ししか集められなかったことは若干、意外ですが、この政党支持者の 母数がいくらなのか、その数字は信頼できるのかという 検証が全くなされていないので、なんとも言えません。 しかしそれでも仮に100%であっても、10万票には 及ばなかったことになります。

私は、岡本さんの見識の深さには敬意を表しますが、 選対と党の選挙のあり方には大いなる疑問があります。 是非、じっくりと話し合いをしたいと願います。岡本 さんが市民の立場に立った公約を語り、阿部批判を もっとも的確にしたからといって多くの市民の共鳴を 得られなかったのは何故なのか。

私は、立候補出馬を表明した後の、「空白」の6カ月にその問題が表れていると思います。「空白」とは何も しなかったのでなく、労組と共産党の市議を中心とした集会にしか顔をださず、市民運動と一緒になって、運動をつくりあげていこうとしなかった、そのあり方を言っています。

今後、市民の勝手連的な運動と一緒に学習をしながら進もうとするのか、「指導」「管理」の対象にするのか、その方向性です。岡本さんの公約の中での弱点は、住民自治の具体的な仕組みがないことと、外国人施策の欠如だと、私は見ました。後4年後を目指して、共産党シンパでない一般の市民とどのような関係をつくりあげていくのか、大いに議論をしたい点です。

私たちの準備した市民集会に、阿部現市長の対抗馬としての3人の候補者がドタキャンしました。告示後に市長選に関わる集会に候補者が参加することそのものが、公職選挙法に抵触する恐れがあると表明したのは、岡本陣営だけです。後は、スケジュールの問題にすり替えました。私は、各陣営のドタキャンをして何の謝罪もない、代理人も送らない、そこに違和感を感じ、そこに各党の「市民不在」の体質を見ます。

私は選管に何度も確認し、選挙法違反を取り締まる川崎警察・知能犯課とも話しました。今朝も選管の課長に確認の電話をいれたのですが、彼らは、告示後に市長候補が選挙に関する討論をする市民集会に参加することそのものが違法であるとは言いません。市民集会を装った選挙運動や選挙演説はだめですよ、「清き一票をお願いします」と言ったり、候補者の名前を連呼すること、会場に候補者の名前を大きく目立つように掲示するのはだめですよという公職選挙法の説明をするだけなのです。

選管は、逆に公職選挙法に抵触しない限り、堂々と候補者は討論をしもらっても良いとは、説明しません。これは彼らの権力の大きさを考えると、とても卑怯な、官僚的な対応だと言わざるをえません。多くの人を委縮させるからです。ここで選対の関係者が選管に電話をして、候補者の討論会参加は法に抵触する可能性があると聞いたからというので、候補者には参加させないほうがいいとドタキャンになったと推測されます。それにしても何故、突然、集会の当日になって急にそんなことを言い出したのか問題は残ります。もし危険性があるというのであれば、私たち主催側と弁護士を入れ事前に一緒に検討しようということにならなかったのでしょうか。

告示によって初めて確定した候補者が、お互いの事前の運動と主張を踏まえて、最終的にどのような討論を展開するのか、これは市民にとって、重要な「知る権利」「選択する権利」の行使であり、告示後であれ、候補者間の真摯な討論を禁止・制限するような法は存在しないのです。それをどうして選対と各候補者、及び各市民運動体は、「自主規制」するのでしょうか。また、警察がこの件に関して、「でっち上げるかもしれない」などと言い繕うのでしょうか。むしろ、市民の先の「知る権利」のために、また他の候補者と自分の違いを市民に知ってもらうことがどうして法に抵触するのか、もし警察当局が起訴をするというのであれば、正面から受けて立つべきです。私は選管にも来ていただいた上で、各政党、市民運動体と一緒にこの点の学習会をもちたいと思っています。是非、実現させたいものです。 

民主党、自民党は一般市民と関わりのない、党内の密室で候補者を決め、これまでの阿部市政をどのような立場で批判するのか、阿部市政を支えてきた自民と民主両党がどのような見解で立候補者をたてるのかの、一切の総括のないところで、新たな候補者が立ちました。従って両候補者の思いは語られても、市民と一緒に考え、学習し、政策をたてるというところが全く見られませんでした。「市民の会」で集会後、要望書をだしましたが、それにどのように誠実に応えてくれるのでしょうか。

特に、分権という立場から、川崎の地理的な特性を考え「準区議会」を提唱した福田さんの主張は高く評価します。これまでの市長選にはなかったことです。しかし住民を「傍聴者」の立場に置く提案がどうして住民自治を保障する仕組みになるのか、外国人の政治参加に対してはどうなのか、全く応えることができませんでした。後、教科書問題、憲法問題に関しても答弁を逃げました。今後、しっかりとご自身の見解を示すことが、もし次回も立候補されるのであれば、必要不可欠だと思います。私たちと対話をされませんか?

今回の選挙過程と結果を見て、冒頭に記した、「市民運動側の力量のなさ」を私は最大の課題と捉えました。阿部三選阻止の闘いは負けました。独自の候補者を選び、一緒になって市政のあり方、特に住民自治のあり方については深く学習しながら、大都会川崎のまちつくりをどうするのか、経済・交通網はどうか、最も重要な課題である福祉はどうなのか、ということを視野に入れ、4年後に備えることが可能なのかどうか、一緒に闘ってきた友人たちと話し合いたいと思います。

みなさん、お疲れ様でした。川崎にいない方々も今回の市長選には大いなる関心をよせてくださり、私たちを勇気づけ、激励してくださいました。心から感謝申し上げます。

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