2020年4月21日火曜日

帚木蓬生のいう「ネガティブ・ケイパビリティ」について

ネガティブ・ケイパビリティ(Negative Capability)について
「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」あるいは、「性急に証明や理由を求めず、不確実性不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」とあります(帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティー答えの出ない事態に耐える力』
(朝日新聞社 2017)。

当然視されてきた日本社会の差別について、その実態とその不当性を追求してきた私には、その「能力」が正直、欠けていると思います。しかし振り返ってみると、家庭内のことや活動内部での人間関係において、私は「どうにも対応しようのない事態」に耐え、その克服に全身全霊関わらざるを得ず、その事態に対応してきたことを思い出します。しかしそれは「能力」の問題なのでしょうか?

悩んで耐える能力こそ知性 
帚木蓬生、ネガティブの勧め
https://digital.asahi.com/articles/ASN4941N1N48UCLV00K.html

インタビューでの最後の言葉を下に挙げます。その通りだと思います。
「表層だけ見れば、人生はポジティブ・ケイパビリティのようですが、裏打ちしているのは、ネガティブ・ケイパビリティ。だから悩みや不安があっても、急がず、焦らずに耐えていく。ネガティブを日陰者として排除し、ポジティブだけを称揚している状況がかえって、生きづらくしているように私には見えるんですけどね」

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