１）「緊張と対立」の原因はすべて北朝鮮にあるのか？
朝日は、天声人語で、「最終的には核をあきらめさせる以外の道はない。それを理解させ実現へ歩み出せるか。国際会の正念場である。としるしています。社説も同じトーンであり、「南北朝鮮合意 着実に非核化の進展を」と題して、「緊張と対立が続く限り、和平への活路は見出せない。」と冒頭に書いています。
朝日がいみじくも自ら書いているように、「緊張と対立が続く限り、和平への活路は見出せない。」のであれば、その「緊張と対立」は北朝鮮一国の問題ではなく、朝鮮戦争当事者のアメリカの責任も同時にとわれるべきではないでしょうか。どうして朝日は端的に、「緊張と対立」の解決のために、米朝は一日も早く朝鮮戦争終結にために平和条約締結を、と主張しないでしょうか。同じ当事者の中国は平和条約の締結に賛成しています。朝鮮半島の非核化の問題はその交渉の過程の中で話し合われるべきです。
金正恩は、共和国の体制が保障されるのならば核兵器は必要でないと明言しています。それを信じられないとか、過去にも同じく約束をひっくりかえしたから信頼ができないなどと、朝鮮半島の緊張、非核化できない問題、責任は全て北朝鮮側にあるとの基本的な考えに日本社会全体が覆われています。
日本の北朝鮮叩きの現状は異常です
http://oklos-che.blogspot.jp/2018/03/blog-post_5.html
この日本政府の見解にマスコミが同調して連日のように北朝鮮叩きをしているのです。しかし今回の南北朝鮮当事者同士が話し合い、先に対話をするというカードを北朝鮮が切ったことに、日本政府とマスコミは喜びよりも戸惑いと不安を隠しきれないでいるようです。
それは北への圧力一本の政策しか提示できず、では具体的な北との対話はどう進めるのかという建設的な案がなかった日本とアメリカ政府の致命的な欠陥を暴露したことになります。いずれにしても匙は投げられました。朝鮮半島の「緊張と対立」を克服するゴールは朝鮮戦争終結であり、それを明示した平和条約の締結しかないことをマスコミも大々的に主張すべきです。
２）日本の問題と責任とは何か？
問題は日本です。朝鮮半島の「緊張と対立」に日本は第三者的な立場をとれるのでしょうか。なにより３８度線そのものが植民地支配の遺産です。日本は植民地支配の清算に全力で取り組むべきです。その一は、植民地支配した北朝鮮への謝罪と賠償金の支払い、と国交樹立です。その足がかりを小泉前首相はつけました。日朝平壌宣言です。安倍はその宣言を無視し、無効化しました。朴前大統領との慰安婦問題に関する「合意」の遵守だけを強調するのはダブルスタンダードです。
もう日本の敗戦後７２年過ぎているのです。植民地支配の清算のその二は、植民地支配による慰安婦問題、被爆者問題、戦争中の賃金未払い問題などの解決です。
日本政府は日韓条約で全て解決済みと主張しますが、国家間の条約で個々人の人権の問題は解決されません。また解決されるべきではありません。そしてこの個々の問題に対して日本政府はまったく不誠実です。文大統領は国民が放逐した朴前大統領の署名による「合意」であっても、その破棄は望まず、ただ日本政府の慰安婦当事者に対する心からの謝罪を助言しました。その「心からの謝罪」が日本政府はできないのです。最大の弱点、植民地支配を心から詫びるという気持ちが無いことの現れです。
そして何よりもマスコミがその安倍政権の姿勢に同調しています。残念ながら国民は自分の頭で考え、朝鮮半島の緊張の原因は何か、植民地支配の清算はどうしてしなければならないのか、どうやるべきなのかという考えも議論もありません。これで日本が将来にむけてアジアで隣国の信頼を得て前に進むことができるのか、アジアの平和に寄与できるのか、私は危惧します。
北朝鮮に 騙されるな、北に引きずられる文政権はバカだ無能だと言い張ってきた人たち、歴史の流れは明らかです。無能だったのは誰でしょう。北への圧力一本で、小泉前首相が署名した日朝平壌宣言を無視し、文政権に対して、韓国で市民キャンドル革命によって放逐された前大統領との「合意」の遵守を求め続けた安倍政権こそ無能であることが明確になりました。国内の政治においてもその無能さが明らかにされています。しかし「合意」の内容と過程を明らかにすることを求めてこなかったマスコミと市民運動の責任はどうなるのでしょうか。
３）安倍政権のバカさ加減
1)安倍は、北朝鮮との対話の具体化を確信し実際そのように短期間に具体化した文大統領に、北への圧力を加えること、五輪後の米韓軍事訓練も実行することを求めた。そして文大統領から内政干渉だとの反発を受けた。
2)安倍は、慰安婦制度は性奴隷ではないと言い張り、市民キャンドル革命で放逐された前韓国大統領を巻き込んで「合意」によって性奴隷と言わせないようにした。
3)文大統領は、政府間の「合意」では慰安婦問題の解決はできないと宣言し、慰安婦当事者に日本政府の心からの謝罪をする助言をしたが、安倍はそれを受け入れず、文大統領に「合意」の遵守を求め続けている(慰安婦当事者と韓国国民の思いを無視)。
4)安倍は、小泉前首相が署名した国交の樹立を目指す日朝平壌宣言を具体化するどころか、まったく無視、むしろ破棄しながら韓国に「合意」に遵守を求めるというダブルスタンダード。
5)安倍は、韓国政府との「合意」の内容と過程を国民に明らかにせず、マスコミも国民も「合意」の情報公開を認めようとしていない。
みなさんのご意見はいかがでしょうか。
。
0 件のコメント:
コメントを投稿