OCHLOS(オクロス)は民衆を意味する古代ギリシャ語です。私は民衆の視点から地域社会のあり方を模索します。すべての住民が一緒になってよりよい地域社会を求めれば、平和で民衆が安心して生き延びていく環境になっていくのでしょうか。住民は国籍や民族、性の違い、障がいの有る無しが問われず、貧困と将来の社会生活に絶望しないで生きていけるでしょうか。形骸化した戦後の平和と民主主義、経済優先で壊された自然、差別・格差の拡大、原発体制はこれらの象徴に他なりません。私たちは住民が中心となって、それを憂いのない地域社会へと変革していきたいのです。そのことが各国の民衆の連帯と東アジアの平和に直結する道だと確信します。
2017年12月12日火曜日
核兵器は絶対悪(サーロー節子さんのノーベル平和賞の受賞講演にて)
サーロ―節子さんの、ノルウェーのオスロで10日にあったノーベル平和賞の授賞式典での講演です。すばらしい内容です。全世界の被爆者の苦しみと悲しみ、怒りを代表して話されたことに大きな意義を感じます。
全文を上に掲げましたが、その中でも私が注目した個所をご紹介します。
「広島と長崎の残虐行為を戦争犯罪と認めない人がいます。彼らは、これは「正義の戦争」を終わらせた「よい爆弾」だったというプロパガンダを受け入れています。この神話こそが、今日まで続く悲惨な核軍備競争を導いているのです。
9カ国は、都市全体を燃やし尽くし、地球上の声明を破壊し、この美しい世界を将来世代が暮らしていけないものにすると脅し続けています。核兵器の開発は、国家の偉大さが高まることを表すものでなく、国家が暗黒のふちへと堕落することを表しています。核兵器は必要悪ではなく、絶対悪です。」
核兵器は絶対悪であり、広島・長崎に原爆は決して戦争を終らせるための「よい爆弾」であったのではなく、その原爆投下は決して正当化されてはいけないものであった、と彼女は語るです。
私はサーロー節子さんのこの言葉を聞き、韓国の広島と言われているハプチョンの韓国人被爆者のことを思い出します。今、4人の被爆者がアメリカ政府、韓国政府、原爆製造者を相手に、広島・長崎での原爆投下への謝罪と賠償金を求める調停申請をはじめました。4人の被爆者と20名の弁護士がはじめました。まもなく、韓国政府の正式な見解が出される予定です。
しかし私は調停では決着が就かず、早晩、アメリカでの本格的な裁判になるものと思います。それは韓国人被爆者だけでなく、日本はもちろん、世界中の被爆者が原告になり、アメリカ政府の広島・長崎での原爆投下は許されないものであり、謝罪と賠償金を求める闘いに裁判闘争になるでしょう。
そこではいかにアメリカ人だけでなく、世界中の人が信じさせられてきた、「正義の戦争」を終わらせた「よい爆弾」だった」という認識、歴史観は誤りであることを事実をもって歴史的に証明するのです。戦後70年世界中に撒き散らされたプロパガンダ、「神話」が崩壊します。被爆者のはじめる裁判闘争を、世界中の核兵器の廃絶、そして過酷事故と住民の建康を蝕む原子力発電の廃止・撤廃を求める市民が一緒になって支援するのです。
12月12日の朝日新聞の社説では、「9月から署名・批准がはじまた核禁条約は、50カ国が批准すれば発行する。現地点で批准は3カ国 にとどまる。」とあります。核兵器禁止条約が国連で採択されても、実際の発行までは予断を許せない事態であるということです。「各国の政府にとって無視できない世論」を作るため、2年以内に批准、発行が可能になるように、「核保有国や核に依存する国の民意に直接、訴えかける運動」がICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン」で展開されようとしているそうです。
この運動を成功させるためには、実際にアメリカが広島・長崎に原爆投下したことはいかなる意味においても正当化されない、「絶対悪」であったということを世界中に知らしめなければなりません。被爆者によるアメリカ政府の謝罪と賠償金を求める裁判は世界中から注目され、世界の反核、反原発を求める市民の運動体が一致して被曝者を支援していくことになることを願うのみです。
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