2017年11月24日金曜日

大阪市の市長が、23日、ついにサンフランシスコ(SF)市との姉妹都市解消を最終宣言


安倍首相と大阪市長のSF市長への拒否権行使要請は内政干渉
大阪市の市長が、23日、ついにサンフランシスコ(SF)市との姉妹都市解消を最終宣言しました。「12月中には手続きを完了させたい」そうです。大阪市長と安倍首相が、SF市議会の「慰安婦」少女像の市民からの寄贈を受けれたことに対してSF市長に拒否権行使の要請をしていたことを退け、SF市長は市議会の議決を承諾する署名を行ったのです。

そもそもSF市議会が満場一致で決定したことを、日本の首相と大阪市長がSF市長に拒否権を行使するように要請すること自体、許されない内政干渉です。たとえ、自分たちの意見と違っても、市議会の決定は尊重しなければなりません。そして意見の違いがあるのであれば、それは公の場で議論し合う場を設定するべきであったのです。

そういう努力をせず、SF市議会が受け入れた碑文の内容が日本政府の見解と違っているので、訂正しないのであればそして拒否権を行使しないのであれば、姉妹都市関係を解消するというのは実に短絡的で強圧的であり、SF市民及び、市議会、市長の主体的な決定を無視するばかりか、力ずくで自分の言い分を正当化しどこまでもそれが正しいとして押し通そうとする傲慢な態度だと言うしかありません。それは世界からの孤立化を招く行為です。

手続き的には、大阪市の場合、姉妹都市の提携は条約に基づかず、市長の発意と議会側(幹事長会議)との了解事項に過ぎず、その解消は一応は議会側に説明するという手順を踏みますが、実際は、幹事長会議で反対をしても市長の決意を翻すことはできないのです。
   大阪市のサンフランシスコ市への「宣戦布告」!
   阪市職員の説明
   http://oklos-che.blogspot.jp/2017/11/blog-post_21.html
   
碑文で問題になっている3箇所
1)「日本軍により性奴隷にされ」た「何十万人の女性と少女の苦しみ」
2)「その女性たちの大多数は戦時中囚われの身のまま命を落とし」た
3)「戦争手段としての性暴力」

このことが何故、姉妹都市解消に至るような歴史的な誤ちないしは「ウソ」であるというのでしょうか。詳しくは以下の私のブログを参照下さい。
    大阪市長の、サンフランシスコ市への姉妹都市解消提起の意味すること
   碑文で問題にされた個所
   http://oklos-che.blogspot.jp/2017/11/blog-post_20.html

日本軍「慰安婦」が「性奴隷」であったということは、既に国際的にも認知されており、国連の場でも正式に使われている単語です。「何十万人」というのはHundred of thousandsという言い方で、これもアジア全域から太平洋にまで拡張した戦線の各領域で現地の女性を「慰安婦」にしたて、また朝鮮の女性を海外の戦線にまで引きずって行ったのですから(これなど軍の関与無くしてはできないことでしょう)、この数は妥当な表現であると思われます。

戦争手段としての性暴力」に関しても、そもそも海外進出にあたり兵士の性暴力行為(強姦)の防止と兵士の英気を養うために作られたのが、「慰安婦」制度ですから、これは「戦争手段としての性暴力」と糾弾されても当然のことです。

参考までに
「第二次調査広表時の発表文、いわゆる従軍慰安婦問題について」
平成5年8月4日  内閣官房内閣外政審議会
「ニ いわゆる従軍慰安婦問題の実態について
(1)慰安所設置の経緯ー
各地における慰安所の開設は当時の軍当局の要請によるものであるが、当時の政府ない資料によれば、旧日本軍占領地内において日本軍人が住民に対し強姦等の不法な行為を行い、その結果反日感情が醸成されることを防止する必要性があったこと、性病などの病気による兵力低下を防止する必要があったこと、防諜の必要性があったことなどが慰安所設置の理由とされている。」
「(4)慰安所の総数
発見された資料には慰安婦の総数を示すものはなく、また、これを推認させるに足りる資料もないので、慰安婦総数を確定するのは困難である。しかし、上記のように、長期に、かつ、広範な地域にわたって慰安書が設置され、数多くの慰安婦が存在したものと認められる。」


大阪市民の反応
残念ながら大阪市のHPを見る限り、圧倒的に多くの大阪市民は市長の姉妹都市解消発言に賛成です。これは上記の日本政府の調査結果の発表内容や、それに基づく河野談話を十分に理解せず、これら従軍「慰安婦」問題を隠蔽しようと教科書からの削除などを続けてきた政府の「努力」の結果であると思われます。

また「慰安婦」当事者の発言をウソと決めつけ、軍による「強制」はなかったとするさまざまな分野における発言から、結局、問題になる慰安婦というものはなかった、彼女たちは金儲けのために当時合法化されていた売春婦になったのだ、それをやったのは朝鮮人の仲介者の仕業だという主張が流布したためだと思われます。また朝日新聞の偽りの「吉田証言」の報道その他、マスコミ業界における
報道姿勢が問われたことも結果として、日本軍「慰安婦」問題を歴史的な事実として正面から取り上げることができなくされてきた要因ではないでしょうか。

今後の課題
大阪市長は年内にSF市との姉妹都市解消を実行するでしょう。大阪市議会も市民もそれを防ぐ法的な手段を持ちません。あるのは、市民による市長リコールという手段だけですが、それは現状の市民の意識、マスコミの報道姿勢からしても不可能です。

私は女性の人権を蔑ろにする大阪市に万博誘致を認めることはできないという世界的な運動を展開することで姉妹都市解消がはらむ問題を明確にさせながら、行政同士の姉妹都市関係を、住民同士の姉妹都市にしていく運動を展開するしかなにのではないかと考えます。読者のみなさんのご意見をお寄せ下さい。

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