2017年11月13日月曜日

東芝への原発事業撤退と原発輸出中止を求める公開質問状


()東芝 代表取締役 綱川智 様
2017年11月11日
日本側  木村公一  代表
韓国側  柳 時京  代表
                 原発メーカー訴訟の会 本人訴訟団
                   崔 勝久  事務局長
                   渡辺信夫(原発メーカー訴訟の会 会長)
朴 鐘碩 (同 事務局長)

原発事業撤退と原発輸出中止を求める、公 開 質 問 状

私たち日韓/韓日反核平和連帯は、「反核平和」を掲げ、戦争と同時に差別と抑圧のない社会の実現を願う市民団体です。私たちは地域社会と被曝労働者の差別の上で成り立ち、人の命と自然の破滅にもたらす原発体制と、安全保障の名目で核兵器による世界支配を進め一部の大国の核兵器保有を認めて原発の輸出を容認するNPT(核不拡散条約)体制の問題点を指摘し、国際連帯運動を進めてきました。
貴社の九州支店とソウル支社を訪れ質問・抗議文を渡し、また貴社の原発輸出を支援する三井住友銀行天神支店も訪れ質問・抗議文を渡しました。
綱川社長におかれましては、去る10月24日に臨時株主総会を終えられ、東芝再建に全力を尽くされておられることと存じます。しかし伝統ある東芝がこのような経営危機に瀕する事態になったのも、元はといえば、日本政府が国策民営化で原発の製造を決定し、貴社が原発事業に関わったことと、貴社が事業の拡張のために米国ウェスチングハウス(WH)社を買収したことに端を発していると思われます。
 福島事故後も貴社は原発事業から撤退せず、さらに経営危機に至った現在においても未だ、原発事業による収益を考えておられるようです。そこで、貴社の今後の原発事業、原発輸出に関する経営方針を明らかにしていただくべく、以下の点をお尋ねいたします。

貴社の原子力事業に関する報道記事を抜粋します。
1.20163月発表の事業計画で、2030年度までに45基の原発新設を受注するとの目標を掲げていたが、「コンストラクション(建設)を含めて受注するのか、タービンなどの機器だけやるのか・・・基数も含めて中期計画で見直す。」2017127 THE PAGE(SNS)
2.2017214日綱川社長らが記者会見し、「土木建築はとらない、受注をしないということで進めていく」、また、原子力事業損失額7,125億円が報告され、以下のような新たな対策を打ち出した。
(1)「課題の対応策~原子力事業のリスクモニタリング」
新たに「社長直属の原子力事業統括部を設定」し、「社長を委員長として、原子力事業監査強化委員会を設定」
(2)「課題の対応策~米国AP1000PJ管理強化」
AP1000PJにおける全体のパフォ-マンス把握・マネージメントを行うことを目的にプロジェクト進捗とコストを管理する適切な管理指標を基に是正対策を実行」
(3)「原子力事業の今後の方向性 海外事業(中国、インド、英国、米国)
燃料・サービス:高収益かつ安定したビジネスとして継続(387億円収益)
新設プラント:今後は土木建築部分のリスクは負担せず機器供給やエンジニアリングに特化」
3.東芝メモリの成毛康雄社長が臨時総会において、「原子力事業への社会的責任を引き続き果たしていく」と報告する(日経11月7日)。

以上の報道から、私たちは、貴社は原発建設の土木建築に関わらないものの、原発事業からの撤退、原発輸出の中止を決断することなく、原発の建設・運営における最も核心的な部分である、タービンの機器や高収益の燃料・ソフトウエアー・サービスなどの供給というかたちで、原発輸出を継続する方針であると理解いたしました。これは海外の市場を求めてインフラシステムの輸出を図る日本政府の方針と一致します。

つきましては、以下の質問に対する明確な回答をお願いします。
.貴社は、タービンの機器や高収益の燃料・ソフトウエアー・サービスなどの供給という
かたちで原発輸出を継続する方針を維持されるのですか。
2.貴社の子会社であったウェスチングハウス(WH)社米連邦破産法11条の適
用を申請する方針を決定したと20173月27日の日経は伝えました。今後、原
発第三世代のAP1000を開発したWH社と貴社の関係はどうなりますか。
3.貴社はWH社がこれまで中国やインド政府と進めていた原発建設プロジェクトに参
加されますか、それとも福島事故の経験から原発事業からの撤退を決意し、原発建設及び原発運営にも関わらないという決断のご検討をされることはないのでしょうか。

御回答は、11月末日までにお願いします。御回答を頂けない場合には、貴社は原発事業から撤退せず原発輸出を継続する方針を示されたものであり、東芝は、原発事業から撤退せず、収益をあげるために原発輸出を継続する方針であると判断したうえで、私たちは日韓/韓日反核平和連帯の見解を公表し、反核平和を求める世界の諸団体に貴社に対してBDS運動を展開することを呼びかけます。
私たちは貴社が歴史的に培った技術を活かし、原発事業から速やかに撤退し、世界の平和に貢献する会社として再建されるように祈念いたします。
回答先:崔 勝久(日韓/韓日反核平和連帯事務局長)

212-0055 神奈川県川崎市幸区南加瀬5-35-3

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