2017年9月8日金曜日

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核をどう見るかー小出裕章

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核をどう見るかー小出裕章

小出さんの書かれた文書が友人から回ってきました。「ご自由にお使いください」とありますので、拡散いたします。なお、私には小出さんが1994年に書かれた「朝鮮民主主義人民共和国の各疑惑なるものについて」という文書が一緒に送られてきました。20年前の古いものですが、このことに9月5日のメッセージでも触れられており、小出さんに北朝鮮の核政策に関する大きな見解の変化はないと思われます。

その論文は学術的な分析の上で、結論部分にこのように書かれています。
「原子力関係はもとより核開発と切っても切れない関係にあり、朝鮮民主主義人民共和国が今日の「国際社会」の正義を拒否しているが故に、米国、日本などから「いじめ」を受けているのである。文字どおり圧倒的な軍事力で脅されて続け、「一般軍事施設」までこうかいせよと求められれば、それを拒否をするのが「一寸の無視にも五分の魂」というべきものだろう。彼らが、いわゆる「いじめられっ子」のように卑屈にならず、驚くほど頑強に抵抗を続けていることに私は拍手を送る。」



小出裕章さんからのメッセージ
先にお送りしたメールの内容をあちこちでお使い下さるとのこと、ありがとうございます。ご自由にお使いください。 
小出裕章                   
2017/9/5 
                                    
朝鮮民主主義人民共和国の核の件、皆さん冷静にならなければいけません。
朝鮮には熱出力で25メガワットのごく小さな原子炉しかありません。
京大原子炉実験所の原子炉は熱出力で5メガワットでした。
日本でも世界でも標準的な原子力発電所は100万キロワットです。
これは電気出力で、熱出力は300万キロワット、メガワット単位で示せば3000メガワットです。

つまり、朝鮮が持っている原子炉は、日本の原発の原子炉の100分の1以下という小さなものです。その原子炉を動かしてどれだけのプルトニウムができるかについては、昔計算して書いたことがあります。もう20年以上前のものですが添付します(注「核兵器に反対する物理学会の会準備会通信」第2号、1994年6月26日)
 
仮に朝鮮が原爆を作れたとしても、その数は知れています。
朝鮮戦争は1953年の休戦協定が結ばれただけで、未だに終戦していません。
その一方の当事国である米国は気に入らない国があれば、地球の裏側までも攻め込んで政権を転覆させる国であり、米国を相手に戦争中である国はハリネズミのようになるしかありません。俺は強いんだぞ、攻撃してくるならやっつけてやるぞと言うしかありません。
 
朝鮮が原爆を作ったということすら、私はいまだに懐疑的です。でも、マグニチュード6.1の地震をもし爆弾で引き起こすとすれば、通常の爆弾では無理です。本当に、先日の地震が自然のものではなく、人工的なものだとすれば、原爆だろうと思います。水爆を作るためには重水素が必要ですし、起爆剤としての原爆も必要です。そうした材料や技術を朝鮮が持っているとは、私は思いません。
 
ただ、問題は、そんなことではなく、朝鮮半島の分断を終わらせ、平和を回復することです。お互いに敵を威嚇することなどやってはいけません。朝鮮の分断に誰よりも責任のある日本は、まずそのためにこそ力を払うべきです。それなのに、米国の尻馬に乗り、「あらゆる選択肢がある」などと安倍さんは言うのですから気が狂っています。

また、本当に危機だというなら、日本国内の原発をまず停止すべきなのに、地下鉄をとめてみたり、迎撃ミサイルを配備してみたり、警戒警報を出して見たり、ひたすら危機を煽ることだけやっています。ひどい国ですし、ひどいマスコミだと思います。


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以下、崔の見解

私自身は、戦後の大国の原発実験に関する評価がイデオロギーの違いから別れ、今に至るも共闘ができない日本の原水協、原水禁のような愚を犯すべきではないと考えています。私はあらゆる核兵器、原発に反対です。従って北朝鮮の原発、核実験にも反対です。

しかし問題は、日米の政治、マスコミに北朝鮮を批判する資格があるのかということです。日米、核保有国はこぞって核兵器禁止条約に参加しませんでした。NPT(核不拡散条約)においても積極的に核兵器をなくす動きはみられませんし、なによりも核兵器と一体である、原発の製造・輸出に関してはそれを是認する立場です。そのような国が北朝鮮の核実験、原発に反対するのであれば、自ら核兵器の廃止、原発の撤廃を宣言しなければならないのではないでしょうか。日本は戦後一貫して、米国の核による国家安全保障政策を保持し、逆に、いつでも中国や北朝鮮に対して核兵器による攻撃をする体制を敷いてきたのですから。

朝鮮半島の緊張をなくし、アジアの平和をもたらすには、北朝鮮への圧力を強めるのではなく、対話による道を探るしかないのです。圧力強化の先はなんでしょうか、結局は対話であり、戦争による破壊ではないはずです。金正恩を殺害する(斬首)を公言する日韓の軍事演習にいかなる正義があるというのでしょうか。

明確なのは、朝鮮戦争の終結を宣言する米朝の平和条約の締結と、植民地支配の謝罪の上での日朝の国交樹立と賠償金(経済協力という名目であれ)の支払いを一日も早く実現させることです。拉致問題もその過程の中で解決していくしか途はないでしょう。このことに一切触れず、一方的に安倍政権の政策の報道に終始し、恐怖を煽る日本のマスコミの報道に振り回されることなく、覚醒した市民として、歴史的な思索を深め、日韓市民の連帯、日朝政府の対話を求める用になっていただきたいと願います。   崔 勝久







7 件のコメント:

  1. 真直ぐ素直な見解。素晴しい。反論があれば聞いてみたい。

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  2.  チェさん、いつもありがとうございます。私も不思議でならないのは、多少の軋轢はあるにせよ、中国やロシアとの間でも、大変惨い戦争があったにも拘らず、相手への戦争犯罪を認め、それなりに償いを続けているのに、北朝鮮に対しては、歴史の過ちに目を向けず、その結果としての現在の軍事的な暴走(に見せかけている?)だけを責め、大変高圧的な態度で圧力や日本の軍事力増強ばかりを口走るのは、北朝鮮国民でなくてもムカムカします。当時はよかれと思って朝鮮半島に干渉した部分もあり、一部の方々からは感謝されている映像も視ましたが、まさか安倍総理は日本には何の落ち度もなかったと思っているのではないか、とても心配です。
     今年購入した中学校の歴史の参考書にも、朝鮮半島との外交問題が未解消のまま残っていると記載されているのですが、あまり詳しくは教えていないのでしょうか。。

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  3. 小出先生と崔先生の御説と同じ思いでボクも短いコピーをFBに書かせていただいてきました(*)が、狂気に駆られた安倍が逃げ切り解散をはかり、いよいよ戦争準備にと向かう歴史的局面にあって、広く伝えていただきたい御文です。


    122ヵ国が賛成した「核兵器禁止条約」への署名を拒否し
    会議をボイコットした日本
    他国の核実験に抗議する資格が あるのだろうか?

    危機は誰かの手によって
    作られるものである
    その誰かとは誰か?

    原発セールス行脚から帰国しての第一声「北朝鮮がこの道を進めば北朝鮮に未来はない」「北朝鮮の考えを改めさせなければならない」
    改めなければならないのはお前だ!
    お前がいる限り日本に未来はない…

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  4. 小出先生の北朝鮮が持っている原発、京都大学の原子炉を、一回り大きいだけ、
    これで、原子爆弾のもととなるプルトニュウムが、どれだけ生産できるか、、、、。
    まったく、茶番ですね。
    中国と北朝鮮の兵器は、どこから手に入れているのでしょう、、、、これみますと。
    イスラエルから調達しているようです。
    イスラエルのユダヤ人は、80%は、えせユダヤ人、ハザールユダヤ人約600万人
    アメリカのユダヤ人も、えせユダヤ、はザールユダヤ人が、600万人、、
    かれらは、金融を支配し、兵器産業もグローバルに展開している。
    北朝鮮が、騒ぎ出すと、日本の増すごみが、、騒ぐ、そしてアンポンタン阿部゛内閣が、そわそわする、で、対向する兵器を用意しろと、アメリカのホワイトハウスが、指令をだす。
    これに阿部内閣が、動き、新しい兵器を、米国のはザールユダヤの兵器産業に注文をする。
    アメリカは、のはザールユダヤの兵器産業は、下請け会社、三菱商事にオーダーをかける
    三菱が窓口になって、いろいろな下請け会社に、仕事をふりわける。

    だから、北朝鮮は、アメリカにとっては、大切な、、、、、存在なのであります。
    まあ、世界に散らばっている、はザールユダヤの兵器産業を潤すための、北朝鮮の存在です。

    ですから、朝鮮半島は、けっして、統一できない、ふかい、ふかい事情があるのです。

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  5. 北朝鮮は、戦後から、73年前から
    イスラエルの諜報機関モサドにかんりされ、振り回されています。
    中国は、イスラエルのモサドのアドバイスにより兵器をその設計図を、手に入れています。
    中国のエリートは、北京の精華大学の卒業生が、中国政治の中枢にいます。
    精華大学は、イギリスと清国とのアヘン戦争の時、アメリカも参戦して、
    清国から賠償金をうけとり、その資金で、創立された大学です、いまから120に設立されました
    精華大学設立から、10年のちに、今度は、アメリカのロックフェラーが資金をだして設立された大学が、北京大学です。
    ですから、対外的には、敵対していとおもわれている、中国とアメリカは、裏では、ばっちり
    金融でつながっているのであります。
    太平洋の渤海での地下資源を取り出している企業は、アメリカの企業です。

    こういう、金融から、兵器産業から、世界の政治を観察すれば、その国の裏事情がわかるのですが
    なぜか、、日本の大学の教授は、御用学者なので、このような、本音の探索研究は、ご法度として、なにもしません。
     残念ですが
    で、多くの日本国民は、CIAに管理された「電通」の情報を鵜呑みして、知らされるだけです。
    知らぬが仏なので、知らないほうが、いいのかもしれません。

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  6. 投稿してくださったみなさん、ありがとうございました。私は2018年の9月に10日間、朝鮮を初めて訪問しました。父の遺骨を持っていき散骨することが目的で申請したのですが、簡単に入国許可もでて、平壌だけでなく、黄海道の新川という父の故郷を訪ねました。板門店を北側かにたち南を見て感じたのは、在日米軍の存在とそこからいつ核兵器で平壌を攻撃してくるかわからないという恐怖の下で、北の市民たちは生きてきたのだろうかということでした。そのように考えると、どうして日本に米軍が駐在しているのか、どうして日本国民ははそのことを当然視しているのか、ということでした。ようやく、まだ小さい声ですがが、沖縄で米軍の移転の問題から米軍そのものの撤廃を求める声が出てきたようです。日本は戦後一貫して米国の植民地下にあるということに無自覚なのですね。それは日本が戦前化の植民地支配してきた歴史を清算してないということの無自覚と表裏一体なのでしょうね。
            

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  7. 共和国を訪問したことをブログに書いています。
    「平壌の空は青かった」http://oklos-che.blogspot.com/2018/10/blog-post_15.html

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