これは内容においても米国大統領トランプと比較できない違いを感じます。日本では、アメリカは直制民主主義で、絶対的な権力を持つ大統領を国民が直接選ぶことができると思っている人が多いようです。それは間違いですが、そのような意見が出る背景は、日本は民主主義国家だと自負しながら、代議員制民主主義が形骸化し、どうにもならない、だから野党連合で政権交代をしなければならないと考えているからだと思われます。
ほうとうにそうでしょうか、そのことを考えるために、韓国文在寅新大統領の誕生の背景と今後の課題を提示してみます。
1)市民キャンドル集会はその規模、期間、内容からして、韓国社会の根底から変革を求める革命のはじまり。
2)新大統領は市民キャンドル革命によって誕生。期待できる面が多い。
3)大統領は在職期間が5年で、再選は禁じられており、過度な期待はできない。
4)大統領制であれ、代議員制であれ限界をもち(日米の実態)、市民運動が既成政治を動かした事実を直視する必要がある(台湾のひまわり革命、韓国のキャンドル革命)
5)民主主義の歴史、市民運動・革命の成功と挫折を深く探求し、市民運動が既成政治制度に直接影響を与えるシステムの構築が不可避。
6)新大統領誕生で問われる最大の問題は文在寅ではなく、市民キャンドル革命をはじめた市民運動側にある。
7)文在寅体制と市民運動側で、市民・国民の意志が直接政治に反映できる明確な制度化が急務。
文在寅新大統領が就任後出した指示の一部を紹介
1)検察改革、総長の辞意で加速化…検察内部に動揺走る(5月12日)
検察出身ではなく改革指向の教授が大統領府民政首席に任命され、同時にキム・スナム検察総長が辞意を表すと、検察は「来るべきものが来た」と動揺した。就任二日めで検察改革の議論が急激に進展し、法曹界も神経を尖らせている。
2)文大統領、「国政壟断・セウォル号隠蔽」の真相調査を指示(5月12日)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「チョン・ユンフェ文書事件」の真実を朴槿恵(パク・クネ)政権当時の大統領府民政首席室と検察がどのように隠蔽したかについて真相を調査するよう、チョ・グク民政情首席秘書官に指示した。また、2016年9月、朴槿恵政権のあらゆる妨害の末にセウォル号特別調査委員会(特調委)活動が強制終了された経緯も調査するよう指示した。
トランプ大統領がTHAAD費用を請求したことをきっかけに、韓米同盟を再調整すべきと言われている。
「文在寅の外交・安保ブレーン」と呼ばれるキム・ギジョン教授のインタビュー
「ワシントンが同盟の変化に向けた要求をするものと見られる。再調整すべきだ。再調整せず、米国の言いなりになるのは、同盟を口実にした一方向の国家関係だ」
3)国際人権団体「文大統領、ペク・ナムギ氏死亡事件の捜査を」(5月12日)
国際人権団体が文在寅(ムン・ジェイン)大統領に農業者のペク・ナムギ氏死亡事件に対する捜査を求めた。
4)韓国最高裁「原発誘致の賛否を問う住民投票は正当」(5月11日)
地方自治団体の長が原子力発電所の誘致賛否を尋ねる住民投票をしたことは正当だという最高裁の判断が下された。
選管委などが三陟原発誘致住民投票を禁止すると 市民団体主導し住民投票を実施…84.9%が反対
検察、1年の捜査の末に職権乱用容疑で起訴したが「投票による意見集約は住民意思の確認手段」無罪宣告
★★日本の時事通信発(5月12日
国定歴史教科書の廃止指示=保守政権から転換強調-韓国大統領
【ソウル時事】韓国の文在寅大統領は12日、朴槿恵前政権が導入した国定の歴史教科書の廃止を指示した。大統領府が発表した。大統領府高官は国定教科書について「前時代的で画一的な歴史教育、国民を分裂させる教育の象徴」と批判した。
文大統領は10日の就任からわずか3日目に国定教科書の廃止方針を表明することで、保守政権が進めた政策からの転換を「迅速かつ強力に進めていく」(大統領府高官)姿勢を強調した形だ。
韓国では、民間出版社が編集した中学・高校用歴史教科書の検定制度が実施されているが、朴前政権は「左派的傾向が強く、バランスを欠いている」「検定では修正に限界がある」として、国定一本化を推進した。(2017/05/12-17:10)
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