2016年7月28日木曜日

控訴手続き完了、法廷内外での原発メーカーへの闘いを

みなさんへ
7月、東京地裁で、本人訴訟団としての控訴手続きをしました。
受付票は、平成28年(ワ ネ)1677です。
今後の活動について
今後訴訟の会としては、控訴審での闘いと並行して、原発メーカーへの直接抗議行動を全世界的に展開していきます。そして反原発を目指した国際大会の開催を目指します。そこには原発の被害者だけでなく、核兵器による被害者にも参加してもらい、核兵器・核(原子力)発電そのものをなくしていく運動にしていきたいものです。8月5日には、韓国で広島・長崎で原爆被爆者になった人やその子や孫たちによる、原爆を投下したアメリカ政府の責任をとう裁判がはじまるそうです。日本から私たちたちは韓国訪問ツアーを企画して、その式典に参加いたします。
控訴理由書の内容について
7月23日、大阪で弁護士、憲法学者の澤野さんと個別に話を伺い、大阪での判決についての学習会に臨んで、川崎に戻りました。その前日には、東京地裁の書記官と2度にわたり、判決についての裁判所側の考え方というものを聞きました。簡単にまとめました。
1)審理不尽
「審理不尽」という法律用語があるそうです。判決が当事者の主張に応えていないのは「役割の放棄」(澤野)ということを控訴理由に掲げ、1審で主張してきた内容を明確にしていきます。
2)原発メーカー訴訟では、原発製造・輸出そのものが違憲
澤野さんによると、判決は原告弁護団の主張への応答に力を注いでいる様に見えるが、その反論はある意味彼らにとっては簡単であり、(教科書的な)法律論で対処されているとのことでした。すなわち、原告弁護団は、原賠法が違憲であると主張するのみで、原発そのものが違憲であるとは主張していないという、致命的な欠陥(被告が出した東大の高橋教授の証拠論文でも指摘されている)があるので、被告及び裁判所は原告の法律論に法律論で応じればよかったからです。
3)本人訴訟団の主張
原告弁護団の原賠法違憲論は、基本的には(基本的人権を中心にした人格論と環境論を合わせた)ノー・ニューク権に依拠しているが、本人訴訟団は、原発の製造・輸出は憲法全体、すなわち、平和主義、基本的人権、国民主義(住民主義、地方民主主義)、国際主義に反しており、原賠法は違憲という立場をとっている、そのことに対する言及が被告の反論及び判決には見られない、という問題がある→控訴理由になる、ということでした。高裁で「憲法違反」の審理がなされれば、最高裁判断を求める価値もあるとの弁護士の見解でした。
4)被告、裁判所が主張する相当因果関係の問題
判決は、被告の主張する、相当因果関係によって原賠法がすべての範囲(精神的損害を含めた)で適用されると解釈しながら、実際は、範囲を限定して原賠法の適応外とする矛盾を抱えています。判決は、事実的因果関係の主張に対して「独自の主張」と根拠を示さず退けています。この点は原告弁護団は被告に反論していません。原告を5分類したことが否定されています。
5)立法事実の変遷について
本人訴訟団の主張は、原賠法だけではなく、9条の「戦力」や前文の精神、人格権、平穏生活権から原発を前提にする法律は、原賠法はもちろん、すべて違憲立法であるというものです。それは福島事故で可視化された事実から、「立法事実の変遷」ということで主張します。
6)原発関係のビジネス契約は「公助良俗」違反で無効ー本人訴訟団の主張
東電とメーカー間でのビジネス契約は「公助良俗」違反で無効、原発は違憲という本人訴訟団の主張は、原告弁護団の原賠法違憲論とは違って直接運動につながるという、重要な指摘がありました。澤野さんのまずビジネス契約は「公序良俗」論というアプローチは、改めてよく考えられていると思います。澤野さんの地裁に提出した証拠論文を皆さん、一読ください。
http://www.nonukes-maker.com/%E7%AC%AC%EF%BC%94%E5%9B%9E%E…/


7)法廷内外での原発メ―カーへの抗議行動を




原発輸出は武器輸出です。原子力基本法は、原発を「安全保障に資する」と改悪しました。原発を潜在的核兵器とみなすと言うことです。原発輸出は武器輸出であり、東芝は「死の商人」です。もちろん、日立も、三菱重工も同じです。

大阪では訴訟の会の分裂によって、メーカー訴訟に関心を示す人がいなくなったという指摘がありました。

訴訟の会は、本人訴訟団を中心にして、控訴審で原発製造・輸出そのものが違憲という主張を展開しながら、同時に、原発メーカーへの直接抗議運動を全世界的に展開していくことをあらたに主張し、今後は、各地域においてチラシをまき、署名活動を進めていく行動をしていくことになるでしょう。

そしてその行動を全世界に情報として流し。世界でも原発製造・輸出反対を掲げて東芝を相手のボイコット運動を進めていくことになります。

2 件のコメント:

  1. 8月4~8日、20名の韓国訪問ツアーをします。
    反原発、反核を掲げることでどのように国際連帯運動を構築していけるのかを話し合います。大邱とHapcheonでは、韓国人の被爆者とも話し合います。原発メーカー訴訟を提起した私たちの基本的な考え方は、以下のものです。
    ★反原発運動はPeace Makingである!
    ★この運動は全世界の核の被害者に寄り添う国際連帯をめざす!
    1) 原爆(核兵器)と原子力発電(原発)は表裏一体のものである。
    2) 世界の大国及びその核の傘下に入っている国(日本及び韓国ら)は、国家安全保障上、核兵器を必要不可欠と捉えている。
    3) 日本は原子力基本法で、原発は「安全保障に資する」とした。
    4) 原発輸出は武器輸出であり、憲法の精神に反する。
    5) 裁判だけでは、メーカーの責任を追及するのに十分ではない。
    6) 法廷内外でメーカーに原発製造・輸出を止めさせる運動が必要である。
    6) 東芝は、15年間で64基の原発の製造・輸出を発表した。
    7) 東芝製品の国際的なBDS運動(ボイコット、投資引き上げ、制裁)を展開しよう。

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  2. 突然失礼します。
    「被告が出した東大の高橋教授の証拠論文」とはどのようなものでしょうか?
    本人訴訟団さまのホームページにはアップロードされていないようですが・・・。
    原発訴訟に関心があるので,ぜひアップロードしていただけるとありがたいです。

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