2015年10月23日金曜日

福島原発事故、環境汚染主原因の考察ー山辺真一

FBで知り合った、市井の研究者の山辺真一の論文を紹介します。私の知る限り、現在の福島第一から垂れ流される汚染水の問題を取り上げ、その責任は設計したメーカーにあることを強く主張される唯一の人物ではないでしょうか。おおくの裁判を抱える多くの弁護団は、山辺さんの主張に関心をもっても、それはメーカーの責任を問うもので、東電への攻撃材料にはならないと考えられているようです。

しかし素人の私に言わせれば、東電もメーカーも事故を起こしたこと、その結果起こっている汚染水の問題は連帯責任を負うべき問題です。そもそも、法律制定時と違い、スリーマイル島・チェルノブイリ・フクシマと30年で3回もの過酷事故を起こした原発はもはやその事故の及ぼす規模からして、核兵器と同じく、原発は建設をさせないという法的規制を作らなければならない時期に来ているのです。ですから、私たちは、「原発メーカー訴訟の会・本人訴訟団」として、原発メーカーの原発建設・輸出そのものが民法の「公序良俗」に反する行為だと考える準備書面を出しました。

山辺さんは素人の論文と謙遜されていますが、事実を明らかにしメーカーの責任を明らかにするのに、専門家とか素人とか言ってられません。関心のある人が研究し、それを公表し、みんなで検証し、全体の意見におなるようにしていけばいいのです。そのような意味で、この山辺さんの提示された論文を、原子力関係に専門的に関わる人たち、研究者、活動家のみなさんがご意見をお送りいただければ幸いです。よろしくお願いします。   崔 勝久


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福島原発事故、環境汚染主原因の考察
2号機損傷=ハードウエアの疑念)
2016/01/07 山辺真一
経緯:事故当時の最大汚染拡散
2011/03/11東北大震災が引金となり福島原発が危機的な状態に陥ったことで環境に対し何が許されたでしょうか。
123号機のメルトダウン当時、東電は日本壊滅を人質にして「拡散放射性物質を制限する格納容器ベントの許可」を求め、時の政府はやむなくそれを容認したはずです。(当時官房長官の国民に対する説明)

2012東電福島原子力事故調査報告書」 http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120620j0303.pdf
本編 P276-277 (添付1)によると2012東電見解の要約)
l  許可通り、13号機のベント成功による放出結果は主たる汚染源ではない。プールスクラビングベントにより額面通り放射性物質を制限し、陸地側への拡散量が少ないのでここに環境加害者はいない。
l  許可を外れ、2号機のベントに至らず格納容器の(3/15_600AM)損傷(注記1)、放射性物質の直接放出が主たる汚染源である。プールスクラビングを受けない桁違いの放射性物質が放出され、北北西方向を中心として陸地広範囲に汚染が広がった。「閉じ込める役割り」を全うできなかった、ここに環境加害者の主犯がいる。

東電-福島原子力事故発生後の詳細な進展メカニズムに関する未確認・未解明事項の調査・検討結果
2015/053回進捗報告」について、 http://www.tepco.co.jp/cc/press/2015/1250923_6818.html
>添付資料4-17 (6)(格納容器、圧力抑制室)S/C内水位測定結果(注記4-添付3) によると
2号機S/Cは当該建屋トーラス室と水位連動、連通しており、ベントに至らず放射性物質を放出した(3/15_600AM)損傷は(メルトダウンの直接影響を受けるはずのない)S/C下部の大破口であった。
>添付資料4-19 (7SGTS室ラプチャディスク関連調査 (注記4-添付4) によると
2号機格納容器ベントを試みた際、人作業のベント弁は開いたが最終安全弁(ラプチャディスク)が破れていない。つまり安全弁設定値に達しない圧力で推移したまま、上記S/C大破口は生じた、との形跡が明らかになった。

結果的に2号機で顕著になった破綻、(3/15_600AM)大破口は環境加害者の主犯であり、「閉じ込める役割り」を(想定外ではなく)自らの安全弁設定値内で果たせなかった格納容器の耐圧強度不足(注記2)が問われます。
加えて破綻回避の道を閉ざした安全弁の配置の齟齬(注記3)も含め、説明責任はその設計・製造物責任元にあります。

・なお、「2015/05東電第3回進捗報告」添付資料2-2 2号機の格納容器圧力変化について において、
東電自らと政府事故調でも指摘された「原子炉シール部の漏えい」を否定する仮定の導入に事実誤認があり、それによる 添付資料3-26 2-3解析結果(注記3-添付2)は調査結果と整合しないことを付記します。(注記4)
・合せて、解析の基となる(格納容器)D/W圧力計指示値も調査結果と整合しないことを付記します。(注記5)
2012東電福島原子力事故調査報告書」 http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120620j0303.pdf 
本編添付8-12 2号機 プラントデータ推移 とその考察を時系列に整理し参考付記します。(添付5)

最大の汚染拡散、2号機損傷=ハードウエアの疑念について、未だ原発メーカーの説明はありません。福島の加害メカニズムが不明のままでの「安全基準」はあり得ません。耐震設計に齟齬はなかったのでしょうか。(注記6)
自らの原因究明と遡及、さらに破綻を見た以上は机上の不明を払拭する(実)耐圧試験に立ち戻る覚悟がないままでは、再稼働・原発復権を託すに資格のない工業技術です。事故再発の「不安」と「恐怖」を禁じ得ません。
以下(注記1~6)(添付1~5)



(注記1)
格納容器の(3/15_600AM)損傷
2号機格納容器(圧力抑制室(S/C))は2011315日の0600分直後に大破口損傷したと推定されます。
S/C圧力計の最終記録が6:00(指示値:0.3MPa)で、6:02以降ダウンスケールの記録が残されている。
・吉田証言「6時位にパラメータがゼロになった、ぼんという爆発音がしたという情報が中操から入った」と記されている。
別途、地震計に、6:124号機からと推定される爆発振動が記録されている(時系列として2つの事象がある)ことから、特定のために2号機格納容器(圧力抑制室)の損傷(大破口、破綻)には(3/15_600AM)を記載します。
(なお、地震計記録で、6:12以前、6:00直後の損傷振動が読み取れないか、裏付け手掛りになる調査対象です。)



(添付1)
・「2012東電福島原子力事故調査報告書」本編 P276-277 
「転載ここから」
(4)福島第一原子力発電所からみて北西方向の地域の汚染要因
飯舘村に代表される福島第一原子力発電所からみて北西方向の地域は、【添付12-1】に示す文部科学省の土壌サンプリング調査でも明らかなように、放射性物質によって他の地域よりも汚染されている。ここでは、同地域の汚染の要因について検討した。

【添付12-8(1)】によると、3月15日の放射線測定では、7時過ぎからの数時間程度で正門付近は数100μSv/h 程度から10000μSv/h 程度まで線量率が急激に上昇し、同日正午過ぎには線量率が1000μSv/h 程度まで低下しているものの、23時過ぎにはまた10000μSv/h 近くの線量率が測定されており、相当量の放射性物質が放出されていたものと推定される。   P276
【添付12-8(1)】によると、同日9 時頃の線量率と23時頃の線量率が同程度のものであることから、7時頃から放射性物質が放出されていたと考えられる。また、高い線量率が測定されている時間帯はプラントで放出された放射性物質がモニタリングカーの方へ流れる方向の風(北~北東の風)が吹いており、線量率の上昇は放出量の変化というよりも、プラントからモニタリング箇所への風が吹いた時間帯に線量率が上昇したものと推定する。

・放射性物質の放出箇所については特定できていないが、2号機において朝方確認された白い煙が9時40分頃に増加していることが確認されており、ふくいちライブカメラの映像【添付12-10】でも確認できること、同時間帯には線量が10000μSv/h 程度まで増加していること、同日7時から11時の間に2号機の格納容器圧力が大幅に低下していることから、放出箇所は2号機の可能性が高いと考えられる。

・3号機については3月16日未明まで圧力抑制室ベントで対応できていると考えられること、1号機は格納容器圧力が安定していること、風向を考慮した場合、仮に2号機以外からの放出があれば15日未明から線量率が上昇するはずであるが、実際に線量率が上昇したのは7時以降であることから、1,3号機からの放出が3月15日の線量率上昇に寄与したとは考えにくい。
【添付12-11】に風向・風速・大気安定度から推定した2号機からの放出蒸気の軌跡を示す。この図から、福島第一原子力発電所の北西方向に高汚染地域が広がっていることがわかる。同図に示すように、「蒸気雲」は初め、正門を含む南南西の方向へ向かっており、この「蒸気雲」の移動によって正門付近の線量率が急激に上昇したものと推定される。その後、15日12時辺りから風向が変化し、福島第一原子力発電所からみて北西方向の高汚染地域の方向に蒸気雲が流れていくことがわかる。

・福島第一原子力発電所から放出された「蒸気雲」を北北西の方向に流す風向は15日23時頃まで続いており、「蒸気雲」が15日12時過ぎから長時間に亘り北北西の方向へ流れ、同方向の地域の上空を浮遊していたと考えられる。これらの蒸気雲は、15日23時頃に観測された北東の風で高汚染地域の上空へ移動するとともに、同時間帯に観測された降雨(【添付12-12】に雨雲の状況を示す)の影響で、浮遊していた放射性物質が地表へ沈着し、福島第一原子力発電所からみて北西方向の地域に高い汚染をもたらしたものと推定する。

・このような大規模なバックグランドの上昇や遠方におけるセシウム等の粒子状物質の蓄積は、漏えいが圧力抑制室のプールスクラビングを受けない形で生じたものであると推定される。このことは、2号機でその増加が確認された白い煙のふくいちライブカメラの映像【添付12-10】も、排気筒ではなく建屋から立ち上っていることからも裏付けられる。

(5)主な事象毎の放射性物質の大気への放出量
以上のように、格納容器ベントなどにより放射性物質が放出されており、モニタリングデータ等から、その放出量を主な事象毎に評価した結果を表に示す。福島第一原子力発電所からみた北西方向の地域の汚染は、3月15日の2号機建屋からの放出によるものと考えられる。また、モニタリングデータの挙動から、原子炉建屋の爆発及び格納容器ベントに伴い放出された放射性物質の量は2号機の建屋からの放出に比べて十分に小さく、当時の気象データから、北西方向の地域における汚染の主たる原因とはならなかったものと考えられる。 「太字は筆者による」
なお、3月16日に空間線量率に比較的大きな変動が確認されているが、当時の気象データから、北西方向の地域における汚染の主たる原因とはならなかったものと考えられる。また、16日10時過ぎの3号機の空間線量率の変動については、同日8時30分に3号機の原子炉建屋からの白煙が確認され、同時間帯にドライウェル圧力の変動があることから、同号機の建屋から放出された可能性があると考えられる。

放射性物質の大気放出評価
号機
日時
事象
放出量(PBq※1)
希ガス
I-131
Cs-134
Cs-137
3/12 10 時過ぎ
不明※3
3
0.5
0.01
0.008
3/12 14 時過ぎ
S/C※2ベント
4
0.7
0.01
0.01
3/12 15:36
建屋爆発
10
3
0.05
0.04
3/14 21 時過ぎ
不明※3
60
40
0.9
0.6
3/15 7 時~24
建屋放出
100
100
2
2
3/13 9 時過ぎ
S/C ベント
1
0.3
0.005
0.003
3/13 12 時過ぎ
S/C ベント
00.04
00.009
00.0002
00.0001
3/13 20 時過ぎ
S/C ベント
00.003
00.001
00.00002
00.00002
3/14 6 時過ぎ
S/C ベント
00.003
00.001
00.00002
00.00002
3/14 11:01
建屋爆発 
1
0. 7
0.01
0.009
3/15 16 時過ぎ
S/C ベント
00.003
00.001
00.00002
00.00002
3/16 2 時頃
S/C ベント
00.003
00.001
00.00002
00.00002
3/16 10 時過ぎ
建屋放出
100
100
2
2
3/17 21 時過ぎ
S/C ベント
00.003
00.001
00.00002
00.00002
3/18 5 時過ぎ
S/C ベント
00.003
00.001
00.00002
00.00002
3/20 11 時過ぎ
S/C ベント
00.003
00.001
00.00002
00.00002
PBq1015Bq S/C:圧力抑制室  S/C(圧力抑制室)ベントまたは建屋放出の両方が考えられるが、特定できていない。
「転載ここまで」


以下、筆者要約
福島原発第一2号機はベント不明のままで原子炉格納容器は圧力が大幅に低下、穴が開いてしまっている。
3/11)大震災により(3/15 6:00AM)破綻した事象が福島汚染の最大要因である、と数値をあげて示されている。
-本編 の12-1-(4),(5) の放射性物質の大気放出量評価を総括すると、
l  13号機の(大津波による全電源喪失、冷却不能、炉心損傷に伴う圧力上昇)人為ベントそして水素爆発の結果は(建屋の惨状を晒しながらも、圧力抑制室のプールスクラビングによりベント放出ガスの放射性物質は低減され十分に小さく、又、格納容器の大きな破損は免れ)主たる汚染源ではない。
l  2号機の(同様の状況下、冷却効果は長く続いていたが)3/15格納容器から(プールスクラビングベントと別の)直接、建屋経由で漏えいした汚染度の高いガスが飯館村に代表される北北西方向の汚染源となった。

即ち、2号機の放出要因がなければ放射性物質の拡散は2桁下回り、福島の汚染状況は極めて限定的であった。あの大惨事の中で様々な齟齬や人批判報道があるが、結果的に東電は政府のバックアップの元、命を掛けて放射性物質の拡散を最小限に止めていた。その手の届かないところで破綻し、汚染の大半である主犯ガスが漏えいしていた。
(その後東電は「2号機の圧力抑制室の水位が保てない」冷却水漏えいの継続的症状を報告している。いわゆる高濃度汚染水の主たる流出口である可能性が高い)


(注記2)
格納容器の耐圧強度不足 として
地震動に起因する(閉じ込める)重要機器の損傷の形態として、「潜在破口正圧漏えい損傷」の可能性を示します。
即ち、主にフランジ結合のシール締結ボルト類が「押さえる余力」を失うことにより、低圧で静的な状態においては破口が観測されず、内圧が上昇した場合及び地震動等外力が加わった場合に、破口が顕在化し内圧気体が漏えい(又は冷却材喪失)し、再び低圧で静的な状態に戻れば潜在破口に戻る復元力を残した、シール不全状態の損傷を言います。
(固定化した大破口、小破口と呼ぶ損傷の以前に、耐圧を損ない低下した限界圧で破口が現れ、さらに圧力が高まれば開口・漏れ量が飛躍的に増加する損傷がまず一般的に生じます)

圧力容器、格納容器の本体構成及び連結配管類とのシールのある継ぎフランジ部はボルト締結されています。ボルトは正圧時、さらに外力負担時に閉じ込めシール機能を損なわないために軸方向に弾性伸び、引張りストレスを持って(増し締め)締結され、全周で内圧に抗しシールを「押える余力」を持って漏えいを阻止しています。

「耐震設計の指針で許容された多少の塑性変形」(注記6)であっても、多震源でピークが連続する地震動、さらに共振振動が続いた場合、繰返しの弾性限界越えで、その塑性変形量は蓄積されます。積算された塑性変形量が弾性変形量、つまり「押さえる余力」を損ねる形となれば、地震直後見掛けのシール機能は保っていても、後日の圧力上昇により、シールの押えが抗しきれず漏えい、閉じ込め機能が損なわれます。(シール材が健全であっても発症します)

さらに放出による圧力降下でシール効果が戻り、再び圧力上昇とシール漏えいを繰り返し、終には破口漏えいの道筋が固定化してしまう。(3/15_600AM2号機の破綻は塑性蓄積が限界に達し破断、大破口となった可能性があります。
勿論、ボルト例だけではなく閉じ込めシールを構成するあらゆる部位、要素部品に言える。むしろ最弱点が一カ所でもあれば、又、ボルト類もフランジ均等でなく非対称な衝撃的動荷重で偏った部位で、事象は集中しダメージは残る、さらに進行します。

津波到達以降の事象が全て津波の所為ではなく、
地震時の繰返しの弾性限界越え(観測報告もある一時破水、継手噴出を伴う場合もある)の後に「押える余力」を失ったまま潜在化する「潜在破口正圧漏えい損傷」の疑念は福島2号機だけではなく常にあります。(柏崎刈羽原発しかり)
むしろ一般的な圧力容器の「閉じ込める」機能障害となる損傷の典型として注目、検証していくべきです。
原子炉圧力容器から格納容器への漏えいについても、原子炉運転圧力時に圧力容器に加わった地震動による繰返しの弾性限界越えによる「押さえる余力」を損ねる形で説明ができます。(シール材が健全であっても発症します)

格納容器の強度不足(全容を俯瞰した推定シナリオ)
3/11福島の全ての原発が一連の地震動により、程度の差こそあれ「低圧で静的な状態においては破口が観測されず、地震動による加速度慣性力が加わった場合及び内圧が上昇した場合に、内圧気体が漏えい(又は冷却材喪失)し、再び低圧で静的な状態に戻れば潜在化する復元力を残したシール不全破損の状態」に陥った。

その中で運転中の13号機は格納容器に燃料棒を擁したまま(スクラムは成功したが)全電源喪失、炉心損傷に至る過酷事故(メルトダウン)、さらに炉内の圧力上昇による「閉じ込め機能」の破綻の危機に近付いて行った。
運転加圧状態下で、突出した地震最大加速度(550gal)が観測された2号機のダメージが最も大きく残ったはずで、
l  シール不全破損の程度がベント設定圧力よりも高く保つ余力を残した13号機がベントを成功し、大破口にまで至らず、放出放射能量を制限できた。(後日、強度不足の痕跡・小破口漏えいは観測されている)
l  シール不全破損の程度がベント設定圧力の余力を残していなかった2号機がベントの前に大破口(固定化塑性破綻)に至り、桁違いの放射性物質(主犯ガス)を放出した。(且つ以降の汚染水放出路を残した)

津波起因説では説明しきれない号機別の経緯、破綻結果の差異が地震要因を見ることにより説明できます。
福島第一2号機の特異な欠陥ではなく、稼働・加圧状態に、強い地震加速度が重なると、耐震設計基準(注記6)を同じくする全ての原子炉において同様のダメージが残る疑念を排除できません。


(注記3)
最終安全弁(ラプチャディスク)の配置の齟齬
格納容器のベント系は人為逃がし弁機能と自動安全弁機能(ラプチャディスク)が直列に設けられていた。

・人為が及ばない圧力過剰を、最後の命綱-自動安全弁としてベントを期待するのに、過酷事故によってままならない、
人為バルブの(開)作業をして行かなくてはラプチャディスクに導くことができません。
人為が及ばなければ格納容器の破綻を待つほかない。東電現場を苛酷な作業に陥れた元凶となった。
(これ以上は壊れる、最終致命傷を防ぐのに人為判断、人為作業の必要な関門は要りません)
・上位の圧力容器の過酷状態を脱するために、過圧逃がし弁SRVの受け皿として(必ずしも設計圧力近傍でなく)
格納容器をベントしておく危機回避の試みを最終安全弁(ラプチャディスク)が阻んだ。
13号機では環境悪化の中、ベント作業(結果注水作業)が遅くなった一因と見られます。
2号機では人為ベント作業は成されているのに(ラプチャディスク)が阻んだ確証が「第3回進捗報告」で示された。
2号機の潜在破口正圧漏えい損傷(注記2)による、耐力が大きく低下した状態に陥っていたとしても、
人為逃がし弁機能と自動安全弁機能が並列であったなら、作業者が早い段階で予防安全でより低圧のベントを成功させ、上位のSRV逃がし弁作業に臨めたはずです。(3/15 6:00AMS/Cの大破口には至らず放射能拡散は桁違いに下がり、福島の汚染状況は極めて限定的であった可能性があります。

以上の通り、格納容器のベント系は人為逃がし弁と最終安全弁(ラプチャディスク)とは並列に設けるべきであり、
万一、通常時のヒューマンエラーを恐れるなら、人為逃がし弁のラインに、常時圧力に見合う低圧のラプチャディスクを別途加えることで良いと考えられます。
結果論ですが、設計時、安全(弁)機能の役割りについて、非常時の具体的な想定による検証が十分になされたか、安全性の軽視が疑われます。福島の結果責任の一端であり、結果を踏まえ見直されるべきと考えます。


(注記4)
事実誤認と結果の不整合
「東電20153回進捗報告」について 添付資料2-2 2号機の格納容器圧力変化について では、
格納容器(D/W)の漏えいはガスケット等から発生する可能性が高く、その際の温度は300℃であり、漏えいの発生は考えにくい としていますが、シール漏えいをガスケット損傷に限定するのは事実誤認を招きます。

ガスケットの熱損傷は考えにくいが、地震動による耐力低下、「潜在破口正圧漏えい損傷」(注記2)=フランジ結合のシール締結ボルト類が「押さえる余力」を失うことにより、低圧で静的な状態においては破口が観測されず、内圧が上昇した場合及び地震動等外力が加わった場合に、破口が顕在化し内圧気体が漏えい(又は冷却材喪失)し、再び低圧で静的な状態に戻れば潜在破口に戻る復元力を残したシール不全状態の損傷、による漏えいが(ガスケットが健全であっても)考えられます。又そのことが、加圧によって顕在化し、圧力の緩慢な上昇から漸減して行く時系列変化が、塑性の蓄積、余力の減少、さらに損傷の進行から限界を超え大破口、という過程を持って説明できます。

漏えい以外の可能性について、トーラス室が海水の侵入により水没していたものと仮定し、D/W実測値の格納容器の挙動を再現できる と解析を行っています。
但し、トーラス室が浸水する可能性について、「証言は現在得られていない」と報告自ら記してありますが、
吉田調書には、逆に否定的な「原子炉建屋にはほとんど津波は入っていない」との認識の記載があります。
(むしろ、滞留水要因としては(格納容器が破綻後)注水が格納容器側からトーラス室に溜まる、考えにあります。)
下記写し

吉田調書 H23-10-16聴取結果書 聴取日yoshida-chosho 20111013.pdf 別紙P1…以下転載(毎日.jp

現場作業員の報告による吉田証言を覆すような証言、証拠を見出さない限り、解析の仮定は机上の空論です。

事実誤認の上の結果を(2号機)格納容器圧力変化として、実測値、解析値を重ねて示されています。(添付2)
解析が致命的であるのは重要部位の不整合、「3/14-13時以降の実測値下降と3/14-20時になってからの反転上昇」を模擬できていないことで、事実を検証する材料にはなり得ない。
ちなみに、本解析報告は「2012東電福島原子力事故調査報告書」において既に開示しているものと変わらず、
今回「東電20153回進捗報告:未確認・未解明事項の調査」に記される、「S/C内水位測定」や「ラプチャディスク関連調査」から得られた結果を反映されないままで、新に解析・検証されたものではありません。
(添付2)
20153回進捗報告」について 添付資料3-26 図2-3 
2014.01.14-16.実施、「2015-053回進捗報告」されている(添付3)
6)(原子炉格納容器、圧力抑制室)S/C内水位測定結果 では、
建屋トーラス室と水位連動、連通しており、(3/15_600AM)の損傷はS/C下部の大破口であった。
2015-124回進捗報告」について 添付資料4-13 では、(解析の都合による)推定破口面積9cm2とされているが、別途東電報告100m3/日冷却水が事故直後より滞りなく流出していることから推定は乖離しています。
解析で推定される(図2-3 青字記載)「格納容器漏えい(仮定)」の遅れや長時間にわたる残圧はあり得ません。

2014.10.08.実施、「2015-053回進捗報告」されている(添付4)
7)SGTS室ラプチャディスク関連調査 によると、
ベント配管内の放射性物質による汚染状況から、人作業のベント弁は開いたが最終安全弁(ラプチャディスク)が破れていない。上記S/C大破口はラプチャディスク設定値を下回る圧力下で生じた、事故当時の形跡が明らかになった。
解析で示される(図2-3 MAAP値) 3/14-20時以降のラプチャディスク設定値を上回る圧力上昇はありえない。

吉田調書でも、上図3/14開操作、ずっとやっている状態でラプチャディスクが開かない回答をしている。下記写し
さらにD/W圧力計とS/C圧力計との指示値の差異に言及し、本当にD/W圧力が上がっているのか疑念を持ち、
S/C圧力計300kPaに来ているのが急にゼロになる、音とともにブレークがあったとしか考えられない、としている。
(図2-3 実測値(S/C))緑字記載「S/C圧力計指示不良」には根拠がない。
解析だけでなくD/W圧力計(図2-3 実測値(D/W))3/14-20時以降の圧力上昇も否定的に見ている。S/Cが破れてD/Wの圧力が残るのはありえない。D/W圧力計がスティックしている可能性を指摘している。(注記5)


吉田調書 H23-7-29聴取結果書 聴取日yoshida-chosho 20110729.pdf P58以下転載(毎日.jp
現場作業員の報告による吉田証言を覆すような証言、証拠を見出さない限り、解析の仮定は机上の空論です。

事実誤認の上の結果を(2号機)格納容器圧力変化として、実測値、解析値を重ねて示されています。(添付2)
解析が致命的であるのは重要部位の不整合、「3/14-13時以降の実測値下降と3/14-20時になってからの反転上昇」を模擬できていないことで、事実を検証する材料にはなり得ない。
ちなみに、本解析報告は「2012東電福島原子力事故調査報告書」において既に開示しているものと変わらず、
今回「東電20153回進捗報告:未確認・未解明事項の調査」に記される、「S/C内水位測定」や「ラプチャディスク関連調査」から得られた結果を反映されないままで、新に解析・検証されたものではありません。

 (添付2)
20153回進捗報告」について 添付資料3-26 図2-3 
2014.01.14-16.実施、「2015-053回進捗報告」されている(添付3)
6)(原子炉格納容器、圧力抑制室)S/C内水位測定結果 では、
建屋トーラス室と水位連動、連通しており、(3/15_600AM)の損傷はS/C下部の大破口であった。
2015-124回進捗報告」について 添付資料4-13 では、(解析の都合による)推定破口面積9cm2とされているが、別途東電報告100m3/日冷却水が事故直後より滞りなく流出していることから推定は乖離しています。
解析で推定される(図2-3 青字記載)「格納容器漏えい(仮定)」の遅れや長時間にわたる残圧はあり得ません。

2014.10.08.実施、「2015-053回進捗報告」されている(添付4)
7)SGTS室ラプチャディスク関連調査 によると、
ベント配管内の放射性物質による汚染状況から、人作業のベント弁は開いたが最終安全弁(ラプチャディスク)が破れていない。上記S/C大破口はラプチャディスク設定値を下回る圧力下で生じた、事故当時の形跡が明らかになった。
解析で示される(図2-3 MAAP値) 3/14-20時以降のラプチャディスク設定値を上回る圧力上昇はありえない。

吉田調書でも、上図3/14開操作、ずっとやっている状態でラプチャディスクが開かない回答をしている。下記写し
さらにD/W圧力計とS/C圧力計との指示値の差異に言及し、本当にD/W圧力が上がっているのか疑念を持ち、
S/C圧力計300kPaに来ているのが急にゼロになる、音とともにブレークがあったとしか考えられない、としている。
(図2-3 実測値(S/C))緑字記載「S/C圧力計指示不良」には根拠がない。
解析だけでなくD/W圧力計(図2-3 実測値(D/W))3/14-20時以降の圧力上昇も否定的に見ている。S/Cが破れてD/Wの圧力が残るのはありえない。D/W圧力計がスティックしている可能性を指摘している。(注記5)

 吉田調書 H23-7-29聴取結果書 聴取日yoshida-chosho 20110729.pdf P58以下転載(毎日.jp
  
  「筆者注…31516時ぐらい は→6時ぐらい の誤植と思われます」

吉田調書 H23-8-16聴取結果書 聴取日yoshida-chosho20110729.pdf  P5556以下転載(毎日.jp

以上転載

(添付3) 20153回進捗報告」について 添付資料4-17
 

(添付4) 20153回進捗報告」について 添付資料4-19

(注記5)
解析の基となる(格納容器)D/W圧力計指示値の信頼性
2012東電事故調報告書(本編添付8-122号機プラントデータ推移 (添付5)において
(吉田証言に言う、人為ベントは何度も成立しているD/WS/Cがラプチャディスク圧力に達せずベントに至らない中)
3/14-20時以降の(表中F部分)D/W圧力計指示値の上昇に同期して(表中E部分)CAMS D/WA)(Sv/h)が上昇しています。これは原子炉水位が下がり(メルトダウン/メルトスルー)後の、D/W内で落下デブリの形成時期に、発熱を伴う放射線量の上昇が考えられます。D/W圧力上昇に根拠が無い中では(圧力計バックグラウンド保証値を超える)環境の悪化に伴い、計器指示値のみが過上昇し、高止まり、スティックしてしまった疑いがあります。
・一方S/C圧力計はデブリ影響の少ない位置で、指示値は記録の残る部分に挙動の錯乱はなく、(3/15_600AMS/Cの大破口、トーラス室の浸水による物理的な影響と思われるダウンスケールで終わる。(以降の記録に意味はない)
D/WS/C圧力計の差に対し(単に計器の故障を疑わず)異常な環境に対する特性評価、検証が必要となります。)
D/W圧力計に信を置いた解析の根拠は崩れ、3/14-20時以降、圧力漸減からの反転上昇ではなく、S/C圧力計の示すさらに漸減の後、格納容器はその安全弁破壊圧力(設計許容値)未満で破綻したことを示しています。
吉田調書、吉田所長(当時)の推定をベースにして、今回の現場証言に整合する(3/15_600AMS/C大破口調査結果及びラプチャディスク調査結果を直視し、解析・検討は見直されるべきと考えます。

 
(添付5)
2012東電事故調報告書-本編添付8-12 -福島第一2号機 プラントデータ推移 とその考察

2号機 プラントデーター推移とその考察

「以下筆者考察」(吉田調書、東電第3回及び第4回進捗報告による理解を加えます)
福島第一2号機 プラントデータ推移 について
1) 添付8-12 (3/12 12:00-)原子炉圧力「H部分」はSRV圧力より低いところで格納容器への漏えいの兆候が見えます。圧力容器の潜在破口正圧漏えい損傷(注記1)からのD/W圧力の受動漸増が見られ、3/13以降は原子炉圧力が漸減しています。
(3/14 11:00-)RCICの機能喪失により、原子炉水位「C部分」が下がり、原子炉圧力「B部分」が上昇するが、同時期にD/W圧力は原子炉からの漏えいを受けながらも、自らの潜在破口正圧漏えい損傷(注記1)が顕著になり、設計圧力以下での平衡状態から、シール不全損傷の進行を示す漸減に転じています。

2)    (3/14 22:00-)D/W圧力「F部分」の上昇指示値とその保持状態は現場に危機感を募らせた。
同時にS/C圧力との乖離が始まりゲージ不信を招いている。吉田調書では(質問者は)人為ベント作業が出来ずに圧力上昇を防げず格納容器破綻のシナリオを持っていたが、(吉田氏は)人為ベント作業のバルブ開、繰返し継続の確証を持ちながら、ラプチャディスクが破れず圧力が下がらないことから、本当にD/W0.75あるのか、S/Cが破損した状況下で0.73の圧力が残っていたのか、D/Wゲージの高止まり、スティックを疑っている。
D/W値は(S/C値の記録が無い間)SRVの開(炉内減圧)に影響する増圧を表示せずに受動漏えいの可能性が下がった時期に2倍値に急増していること。又、炉内圧力に引っ張られているように見えて炉内圧力のスパイクに反応していないこと。さらに(3/15 6:00AM) S/Cの破口にも急落反応せず高圧表示を保ち、(3/15 11:00-)以降の表示は炉内圧力と絶対値が近似し、同じくするはずのS/Cの破口常態化を表してはいない。不自然に大気圧以上の値を記録し続けている。むしろ、メルトダウン環境に近いD/W計器表示値のみが過上昇し、スティックをした可能性があります。F部分以降の圧力をS/C値で補うと、設計圧力(0.49MPa abs)以下で推移し、漸減する連続した圧力維持状態と考えられます。

3)    (3/14 12:00-)G部分」に並行して行われた格納容器ベントでは人為バルブラインが複数回「開」構築されても最後のラプチャディスクを破るに至らなかった。第3回進捗報告で人為作業によるベント弁作動の痕跡が明かされ、「F部分」以降のD/W値の上昇・高止まりには矛盾があります。格納容器内圧力は上昇前のD/W値と(F部分は)S/C値をつなげたようにラプチャディスク破壊圧力に至らず、推移していたと考えられます。
S/Cのハードウエアの一部は地震動に起因する潜在破口シール不全破損(注記1)の状態にあり、圧力容器からの長時間漏えいやSRVベントガスを受けたものの圧力上昇に応じた自らの破口漏えいで、耐力を低下しつつ均衡漸減を保ちながら、設計圧力に達することなく破綻、(3/15 6:00AM)S/C大破口の固定化に至った。福島汚染源の大半である「放射性物質の直接放出」の出口開口と見なされます。

4)    4号機原子炉建屋爆発が(3/15 6:12-14)縦線で記されており、3号機ベントガス起因説があります。
3号機は既に3/14 11時にベントによる水素爆発を起こし大気解放(ベントガスルートが定まり)、新たにベントがあったとしても、固定した大気解放ルートに逃げるはずで、4号機建屋内にまで爆発可能な閉塞濃度で供給されることは考えにくい。(吉田証言では、このシナリオを「物理的にエンジニアとして解せない事象」と記されている)

5)    一方、直前の(3/15 6:00AM) S/Cの破口による2号機の漏えいガスの拡散ルートは不明のままとされている。
「第3回進捗報告」ベント配管内の放射性物質による汚染状況から、人作業のベント弁は開いたが最終安全弁(ラプチャディスク)が破れていない。あらためてベントでない格納容器破損S/C大破口の確証が示された。
まずS/C破口であればトーラス室への漏えいとなり、13号機の如くのベントルートに向かうことにはならない。
圧力を持ってトーラス室を満たすとともに、原子炉建屋(地下)の14号機間は隙間から回り込みが生じ、地下横断的に圧気が広がったと考えられます。(地震以降、汚染水が流通している状況から気密、水密は破損している)
原子炉建屋(地下)、どこから噴出してもおかしくない閉塞状況の中で、
・運転中であり過酷状態に陥った13号機は地上に至る建屋の気密性管理に齟齬はなかったはず。
・定検中の4号機では燃料棒の装填もなく、事故以前から多岐作業、多人数の作業環境に置かれ、号機(ユニット)内の気密性管理が他に比較して低いままだったのではないか。(階段室・出入口、設備シャフト・点検口等)
地下閉塞から解放されようとする圧気により、当事者にも思いもよらない(地下から地上に至る)経路が成立し(2号機分が4号機に)地上階で水素爆発、建屋からの放射能を含む大気放出に至ったと考えられます。
(爆発事象には必ずバックファイヤと言う原因に遡る痕跡が覗えます。調査が可能な原因究明課題です。)
メルトダウン各号機に一度の機会、時系列からも2号機の大量放出破綻(3/15 6:00-) S/Cの大破口と、(3/15 6:12-) 4号機の上部階・建屋爆発に、時間的符合があります。(地震計を精査する検証課題です。)
2015-124回進捗報告」について 添付2-10-2,3 では 4号機の爆発(3/15-6:14)と同時に2号機D/Wの線量率が急減している。相互関係性、由来する可能性があることに言及しています。
(吉田証言「物理的に解せない事象」を含み)東電-福島原子力事故発生後のいくつかの未確認・未解明事項の検証を促すシナリオとなり得ます。

6)    経路がどのようであっても、格納容器の破綻は環境への放射能大量放出を免れません。
2号機においては「格納容器はその安全弁ラプチャディスクの破壊値以下で破綻している」なら、東電現場の命懸けの対応にも関わらず「他に逃がしようがない構成の下」止めようがなかったと言わざるを得ません。
東電の報告書によれば「2号機破綻が無ければ環境汚染は2桁下回る」と読めることから、「自らの設定した安全弁設定値以下で格納容器が破綻した事象」こそが、福島汚染の最大原因と考えられます。
製造物責任、説明責任は、その設計・製造物責任元原発メーカーにあります。


(注記6)
耐震設計基準は十分であったか
2012国会事故調(NAIIC) 1.1.2-1)原発の耐震設計の概要 に記載されていますが
ある程度以上強い地震動に対しては、多少の塑性変形をしても(つまり多少の損傷をしても)各設備・機器等の安全機能が保持できていれば良い との経済的合理性を優先した設計思想が背景にあります。
「地震動による多少の塑性変形」は繰返しの振動の中で蓄積され、その耐力は蓄積量に応じて低減し、やがては当該応力を下回り破損に至ります。神話的安全、放射能を閉じ込める役割りを持つ圧力容器、格納容器域にはそぐわない。
同様に、補機・バックアップ設備であっても、安全・非常時に供するハードウエアに多少の損傷を許容できるはずはなく、地震動に対して、いかなる場合も「弾性域内」つまり、初期性能を損なわずに元に戻る原則を外してはなりません。
具体的疑念
2号機圧力容器から格納容器への漏えいは地震動による塑性変形の蓄積、耐力低下が起因している。
2号機格納容器の破綻は、「地震動とその後の受動漏えい圧力」による典型的な塑性蓄積の進展結果と見える。
結果的に「閉じ込める役割り」を自らの設定値内で果たせなかった耐震損傷、強度不足が問われます。
想定外ではなく、想定の段階で損傷を覚悟しているなら、結果に対して説明責任を果たされるべきです。
さらに、設計基準に塑性域を持ち込めば原子炉耐圧試験(机上でない:格納容器域配管・機器を構成した水圧漏れ試験)において、最悪条件を再現できずに、不十分とならざるを得ません。
甚大な被災を伴う破綻を経験した以上、従来の基準による設計・解析評価で信頼性を作り込むことに限界があります。
十分な繰返し強度試験を可能にする安全増しの基準強化と、原子炉運転前検査の強化が必須条件となります。
以上



以上

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