2015年8月27日木曜日

「選定当事者制度」ってなんなのでしょうか。これは重要な制度です。

原発メーカー訴訟の弁護団の一員である寺田弁護士の「選定当事者制度」に対して、それがどのようなものか問い合わせをした原告に以下のような説明がありました。

選定当事者自体は、有用な制度ですので、その利用は本訴訟においても問題ありません。但し、誤解がないように、八木沼さんからその方々(または訴訟の会のメーリス)に以下の情報を流してくださいますでしょうか。

選定当事者を選んだ原告は、訴訟から当然に(何の手続きも経ないで)脱退します(民事訴訟法30条2項)。すなわち、選定当事者を選んだ原告は、選定によって当然に当事者の地位が消滅するため、当弁護団との委任関係も当然に終了します。

ですので、崔さんを選定当事者として選定した原告に「弁護団の解任が不要」という意味は、「解任の手続きをしなくても、弁護団との委任関係は終了する」ということです。したがって、当弁護団はその方々の代理人ではなくなります(解任手続きを経なくても)。

その点はご理解をお願いいたします。なお、この情報は、選定当事者制度の利用に反対する意図のものではありません。

みなさんへ


寺田さんの説明はあたっていますが、民訴法の一部しか説明されていません。こういう重要なことは原告はご自分で検証しなければなりません。Nさんにも申しましたが、このメーカー訴訟を続けていくのに、専門家に頼ってはいけません。あくまでも参考意見にして、様々な学術書や他の専門家の意見をも参考にしなければならないのです。私たちのメーカー訴訟も島弁護団に任せきりにしてはいけないというのと同じです。訴訟の主体はあくまでも原告なのですから。

今日、松本書記官から電話があり、明日の事務的な確認がなされました。その後、「選定当事者制度」の説明を求めたところ、彼の方から以下の説明がありました。私の解説をつけて、説明します。私が「原告」の募集に言及したとき、Oさんをはじめ弁護団は島弁護団を通さないとそんなことはできるはずはないし、現弁護団は新規の原告を募集・認定する考えはないと焦ってメールをだしていましたが、私にはすでに「選定当事者制度」の知識がありました。

今度アメリカで、メーカー訴訟を現地ではじめる、あるいは「転送」する可能性があることも知り、この点も早急に検討致します。国際連帯運動の具体化です。島弁護団がどうしてロナルド・レーガン号の弁護士との協力を進めることを断ったのか、わたしには理解不能です。彼らと協力し合いことを私たちは現地で約束しました。ちなにみ、かれらの東電とメーカーへの賠償金請求額は1000億円です。

参考資料:独誌シュピーゲル「フクシマに派遣された米海軍兵らは法の裁きを求める」


参考までに、「選定当事者制度」について簡単に説明します。「選定当事者」とはいわば、訴訟において原告に代わり様々な手続きや主張をする代理人に匹敵するものです。同じ原告のなかから選ばれます。私たちは現在、7名の選定当事者を予定しています。海外からの希望者にも、原告でない者にも対応するためです。現弁護団の下では裁判をしたくないと思う原告の中には、弁護団を解任する人と、そこまでしたくないという原告がいることでしょう。しかしそのいずれもが「選定者」になって、自分たちの訴訟行為(例えば、陳述するとか、準備書面を書くとかなど)をしてくれる「選定当事者」を選ぶことができます。もちろん、その際、自分は法律論で終始し早期に棄却されるであろう弁護団の主張ではなく、「選定当事者」の、実際に裁判で具体的にメーカーの責任を追求する主張の方を選ぶという意思を明確にする必要があります。当然のことです。

1.「選定者」は厳密に言うと原告ではありません、原告がもつ訴訟行為の権利を「選定当事者」にすべて委任するからです。従って、陳述や準備書面はだせません。訴訟行為ができない原告とも言えます。
2.しかし民訴法30条2項にある、「選定者」は「訴訟からの脱退する」というのは原告でなくなるという意味ではなく、あくまでも上記1の説明のとおりです。実際に、原告でなくなったら、判決とは何ら関係がなくなりますが、「選定者」は判決を受ける権利を保持します。すなわち、この訴訟で勝利したら、賠償金100円はもらえるという意味です
3.判決は原告と「選定者」に対して出されます。
4.「選定者」から選ばれて契約を結ぶ「選定当事者」は訴訟行為ができるので、原告のままです。
5.原告でない者も「選定者」になることができ。「選定当事者」と契約を結ぶことができます。すなわち、訴訟行為のできない原告になるのです。これは広く、広告で募集することも可能です。

Yさん、原告を新たに募集するという意味がお分かりになりましたか。彼らは「選定者」となって実際に判決を受けることになるのです。それって、もろ、原告ではないですか。

私たちは弁護団の訴状に基づく主張ではなく、新たな主張をします。今、準備書面の準備中です。みなさん、日本の裁判制度は弁護士に頼らなくても、一般の人も自分でできるのですよ。私たちはもちろん、代理人契約はしていませんが、絶えず相談にのってくれる弁護士数名と連絡をとりあっています。おそらく、島弁護団の主張では、裁判は早期に棄却され、本人訴訟の私たちの主張が審理されるという事態になるでしょう。

原告のみなさん、よくお考え下さい。みなさんはなんのためにメーカー訴訟の原告になろうとしたのですか。こむつかしい法律論で裁判がおわってもいいのですか、そういうことを望んでいたのですか。訴訟の主人公は原告です。私たちは原告が中心になって、あくまでも法廷の場でメーカーの責任を問う裁判をしたいのです。

弁護士を解任する人、解任は躊躇するが今の弁護団のもとで裁判をしたくないと思う人、そんなすぐ終わるような裁判の進め方は同意できないと考える人、それと将来的には、原告になっていないがメーカー訴訟に関心があり訴訟に関わりたい人、私たちにご連絡ください。東京、大阪、九州に「選定当事者」がいます。いつでも相談にのりますが、誰でも「選定者」になれるわけではありません。私たちを信頼し、私たちと一緒に歩みたいと願う人を厳選いたします。ご理解いただければさいわいです。

崔 勝久

1 件のコメント:

  1. 私たち本人訴訟団は、原告でない人が原発メーカーの責任を法廷で問うことに関心をもち、原発の再稼働・輸出に反対するのであれば、私たちと一緒に法廷闘争に参加することを提案します。簡単です。原告でなくとも「選定者」になればいいのです。あとは「選定当事者」に任せてください。

    以下、私たち本人訴訟団の主張
    ①原発を作ること自体、公序良俗に(民法90条)反する、憲法違反(前文、13条、25条) ②PL法(製造物責任法)違反、③不注意、過失によって他人の権利を犯し損害を与えた(民法709条)、④精神的な損害の賠償(民法710条)

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