2月7日 東京告白教会の自由を守る日記念講演会
「世界から見た日本の原発問題―原発体制に抗する国際連帯を地域から」
日時:2014年2月7日(金)
午後7時から午後9時
場所:世田谷区烏山区民センター3階集会室
参考資料
崔 勝久
講演の要約
原賠法という原発力メーカーの責任を免責する法律があるにもかかわらず、原発メーカーに事故の責任があるということをどうして在日である私が追及するようになったのか、それは、差別が当然視され、法律にまでその差別を正当化していた児童手当や年金制度の問題をそれはその法律がおかしい、国籍を理由に在日を解雇した日立は差別を犯した、それは許せないという、常識や差別を正当化する日本社会のあり方や制度、地域社会の中の不条理に挑戦してきた経験を私が持つからだと思います。
3・11の事故にもかかわらず日本と韓国が原発輸出を進めている事態を黙認できず、それを正当化する原賠法の問題点を看過せず、原賠法の背景にある、グローバリズムとあわせ戦後の植民地主義である原発体制の問題点を追求するなかで、原発メーカー訴訟が具体化しました。
原発問題をエネルギー問題と日本の国内問題の枠に限定せず、どうして原発事故が起こったのかということを世界の戦後史の中で改めて捉え直す必要があります。それはとりもなおさず、地域社会のあり方を考え直す新たな視点になるのではないでしょうか。
講演の骨子
1.
参考資料:原発メーカー訴訟でメーカーの責任を問う法的根拠(島弁護士の講演要旨)
1、メーカーに責任があることを証明する。PL(製造者責任)法に基づく「欠陥」
①地震、津波は実は想定内であった。
②新指針に基づく事故を起こした原発のバックチェックが不備であった(偽りの報告)
③老朽化による部品の劣化
④事故を起こした4基の原発はいずれもGEのマーク1型で、その欠陥が米国議会で報告されていた。
2.民法290条の不法行為を、「過失」を証明する。
①1年に1回の定期検査はメーカーの責任、事業者(東電)とメーカーは二人三脚。
②メーカーには事業者に対する助言の義務がある。
3.原子力損害賠償法(原賠法)に基づく請求(第5条)
①事故がメーカーという第三者による「故意」であれば、事業者である東電は被害者に支払う賠償金をメーカーに「求償」できる。被害者には「請求者代理権」がありメーカーに直接請求できる。
②民法の「故意」とは常識的にいう敢てやる悪意の行為ではなく、メーカーは事故が起こるかもしれないということを知っていた「心理状態」をいう。
4.原賠法は憲法違反
①免責を理由に裁判を裁判所が提訴を受け付けないとしたら、それは裁判を受ける権利をに反する(32条)。
②PL法の適用外というのは平等原則に反する。
③新たな憲法に基づく人権概念の提起ーNoNukes権
憲法はプライバシーや肖像権のように時代の変化に対応するように作られており、放射能の恐怖から逃れて生きる権利(No Nukes 権)を主張する。
参考文献:ブログ「オクロス」で検索ください。
●西川長夫『植民地主義の時代を生きて』(平凡社 2013年)
●崔勝久「人権の実現についてー「在日」の立場から」(講座全5巻 人権論の再定位
斎藤純一編『人権の実現』法律文化社2011)
●同 「日本のキリスト者へ、市民の国際連帯運動への呼びかけー「原発メーカー訴訟」を始めるに際して」(『福音と世界』2013.11号)
●原発メーカー訴訟の本質を解き明かすー法理論と運動の面から
●地域の変革と国際連帯の運動によって日本をよりよい社会へ
http:// oklos-che.blogspot.jp
/2013/05/blog-post_15.html
●原発反対に日の丸は必要なのか?
http://oklos-che.blogspot.jp
/2013/06/blog-post_14.html
●No Nukes Asia Actions (NNAA) 出発にあたって:原発輸出と闘うべき理論的根拠の確認
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/11/no-nukes-asia-actions-nnaa.html
●素晴らしい出会いでした(その1)ー台湾、フィリピン編
http://oklos-che.blogspot.jp/2014/01/blog-post_22.html
素晴らしい出会いでした(その2)ーインドネシア編
http://oklos-che.blogspot.jp/2014/01/blog-post_23.html
●「日本、トルコへ原発輸出」安倍、胸を張る
http:// oklos-che.blogspot.jp
/2013/05/blog-post_4.html
●安倍首相はモンゴルで何を話し合ったのかー公表されていない内容の推測
http:// oklos-che.blogspot.jp
/2013/04/blog-post.html
●「捨てられた石」ー在日として生きて来て見い出したこと
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/07/blog-post_24.html
●地方自治体の在日差別・抑圧の根は何か
http:// oklos-che.blogspot.jp
/2013/04/blog-post_6.html
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