2013年10月11日金曜日

市長選を前にして市民団体の動きを報道する東京新聞の記事

10月11日の東京新聞川崎版

東京新聞は市民団体のフェアーな姿勢を評価
「原発ゼロへのカウントダウンin かわさき」は昨日、記者クラブで記者会見を開き、公開質問状に対する3名の市長候補者(回答は1名)に対する見解として、他の市民団体への候補者の回答をも加味して、「原発への姿勢を評価」するという見解をだし、東京新聞は
そのことを大きく伝えました。

市民団体はともすれば思想や見解の相違を理由にして共同歩調をとることができず、大きな共同戦線をつくりあげていくことよりも個別の行動をとりがちですが、今回は東京新聞は「ーカウントダウン」の他の市民団体への候補者の回答をも市民への回答と捉える姿勢を評価したものと思われます。

「-カウントダウン」への回答は実際は1名だったのですが、他の市民団体(川崎・市民フォーラムが開催した3名の候補者を呼んでの質疑応答の場での候補者の発言、及び「放射能汚染を考える川崎市民連絡会議」への自公民及び共産党の推す候補者の回答)への回答の内容を吟味し、大きく、候補者の市民への回答と捉えました。

原発問題に関しては川崎市において具体的に、ゴミと下水道の汚泥の焼却灰が問題になっています。高線量の灰は臨海部に放置されたままで、このまま積み置きするスペースもなくなってきたことから、川崎市は安全宣言をしてこの5月から内海への焼却灰の投下を始めました。

 参考資料:
 2012年6月26日火曜日
川崎市は放射能で汚染まみれー焼却したゴミと下水道の汚泥は処理できず、手詰まり状態
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/06/blog-post_26.html

2013年4月28日日曜日
東京新聞、川崎市のごみ焼却灰 海面埋立「抜き打ち実施」を大きく取り上げる
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/04/blog-post_28.html

2013年7月29日月曜日
川崎市長 阿部孝夫氏への抗議文を公開しますー焼却灰の海面埋立実施について
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/07/blog-post_29.html

2013年9月4日水曜日
川崎市阿部市長からの回答
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/09/blog-post_4.html

公開質問状への回答には一定の評価
特に焼却灰に対しては3者とも「市民の不安の解消」「情報の共有化」「市民との話し合い」を回答したことは大きく評価できます。しかし「ーカウントダウン」の質問には、「市民と一緒になって話し合い具体的な解決策を求める場」をつくる考えを問うているにも拘らず、この点に関してはどの候補者も回答していません。

今後の課題
住民自治とはそもそもなんでしょうか。政党や行政に市民の考えを伝えその実現を依頼することでしょうか。そうではなく、住民自らが具体的な問題を提起し、行政と一緒になって話し合い、現状を把握し、その解決策を巡って話し合う場を保障させることではないでしょうか。そして多くの市民団体が力を合わせ、中長期的なビジョンを提示しそこに向けて議員、政党にも働きかけることが必要になってきます。

1.住民自治の内実として、市民の「政治参加」のあり方の具体案を提示する。
即ち、焼却灰の問題を取り扱う委員会設置を要求し、監視(モニタリング)にも市民参加し、さらに放射能物質の放流による環境汚染問題、特に私たちの食物に影響する生物濃縮問題に関しては政府・市側は安全宣言をしていますが違う立場からの見解もあり、市民が推す有識者(と行政側の有識者)を交えて深く議論する場が必要です。そして具体的な方策を提示する結論をだすところまで市民は「政治参加」する権利をもつべきです。それらの過程の実現に市民が参加する必要があるのです。

2.中長期的な課題ー条例化
中長期的な問題としては、原爆と原発は放射能を発して人類、自然に対する脅威になるという点では同じではないのか。そうだとすると、非核都市宣言をした川崎市として原発問題に関しても宣言文を採択させ、アセスメントをはじめ住民及び現場労働者の安全を保障する具体的な法的な処置(条例化)を目指す必要があります。政党、政治家に市民から働きかけ、絶えず情報公開をするべきでしょう(それは議員の選挙に関わる)。

3.あらゆる市民の政治参加の保障ー国籍・民族などによる差別があってはいけない
国籍・民族にかかわらず、地域住民は市民として、差別なく自らの生命の安全を期すために当事者として関わることを行政に保障させる必要があります。この点が今後の市民運動の課題になるでしょう。

番外編:
東京新聞川崎版の記事のすぐ下に、東芝社長と阿部市長が握手する社員が掲載されています。企業も地域の一員として地域社会のためにその役割を担うことは重要です。しかしその東芝は原発メーカーで、海外に原発を輸出し、その部品を川崎で生産しているのです。日本政府の方針ですからそれが違法行為とは言えません。しかし川崎が脱原発宣言をしたならば、原発を輸出するメーカーに対しても一定の働きかけをするようになるでしょう。

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