川崎市長阿部孝夫殿
「市施設へのごみ焼却灰の海面埋立開始決定」に抗議し、再検討を強く求めます
2013年7月29日
放射能汚染を考える川崎市民連絡会議(共同代表:今井克樹・川口洋一)
7月27日付の各紙報道によれば、川崎市は、4月から橘処理センターから出る焼却灰を臨海部の埋立に投下していたが、安全性を確認したということで8月1日から浮島処理センターの焼却灰の投下を決定し、9月2日から堤根、王禅寺処理センターでも「ごみ焼却灰にゼオライトを添加し、内水への長期溶出検査を行い、安全性を確認」(神奈川新聞)したうえで実施することを決定したとあります。「試験的埋立」から本格的な埋立を開始するという宣言です。そしてこのことは、ごみ焼却灰に含まれるセシウム等の放射性物質で汚染された内水を本格的に東京湾に放流するということを意味します。
私たちは5月1日に阿部市長宛の「放射性物質に汚染されたごみ焼却灰の海面埋立再開に対する抗議と要望」を提出し、5月23日に回答をいただきました。
川崎市の内海への焼却灰投下はゼオライトの使用によって飲料水並みの水質水準を維持し、「安全性の確保」のための装置をつくり、モニタリングを強化することで環境汚染、市民への影響はないというのが基本的な見解です。そして焼却灰の投下の決定は「抜き打ち」ではなく、市民への説明をしたうえでなされたとありました。
私たちは以下の理由によって川崎市の決定に抗議いたします。十分なご説明をお願いします。
1.川崎市は4月の焼却灰投下の決定は市民への説明のうえでなされたと議会・環境委員会で報告し、私たちへの説明会の場でも同じ話しをしましたが、実際は一般市民への文書による説明も、具体的な市民への説明会もなかったことが判明しました。本格的な浮島処分場への海面埋立にあたっては、市民への説明会を早急に開催することを求めます。
2.セシウムはゼオライトで永久に吸着可能という環境局の判断に誤りがあります。また、実際の海水に接触している自然状態で長期間保管していくことを前提にした実験・調査の過程を踏まえずに、実験室で行われた結果に基づいて実施された今回の実施には科学的な手法における問題があります。
3.ごみの焼却の際にフィルターでセシウムは99%取り除くことができるとの判断に関しては更なる検証が必要です。焼却や焼結処理で気化したセシウムが大気中に拡散し、処分地および焼却場周辺を汚染する可能性が無視されています。
4.遮水性護岸構造物から内水が外に漏れることはないとの見解、及び東京湾に放流しても生物濃縮の影響はないという見解に関しては徹底した検証が必要です。福島県の処理済みの放射能汚染水を海に排出する問題とも通底していると私たちは捉えます。
5.そもそも今回の放射性物質の問題が発生したのは東京電力の責任であり、放射性物質に汚染された高線量の焼却灰は未だに臨海部に放置されたままです。津波が来ればどうなるのでしょうか。放置されたままの高線量の焼却灰が市街地にコンビナートの油や劣化ウランなどの有害物質などともに流れこむのは明らかです。東京電力との交渉の内容を公にし、その交渉に市民の参加を認めるべきです。
連絡先:「放射能問題を考える川崎市民連絡会議」事務局
090-4067-9352(崔)、che.kawasaki@gmail.com
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