2013年4月3日水曜日

「原発ゼロ」集会での二つの珠玉のお話しーあさこはうすの小笠原さんと、城南信金の吉原さん

2013年3月10日におこなわれた「原発ゼロへのカウントダウン in かわさき」集会には、青森県・大間町 で電源開発株式会社(J-POWER)による新しい原子力発電所「大間原発」建設計画に反対して、建設予定地で唯一、土地を売らずに反対 運動を続けていた故熊谷あさ子さんの意志を受け継ぎ、奮闘されている「あさこはうす」の小笠原厚子さん(熊谷さんの娘さん)にも、スペシャルゲストとして登壇、お話をしていただきました。以下、発言の要旨をご紹介します。

みなさん、こんにちは。小笠原厚子です。
あんまりうまく話せないですけれども、よろしくお願いします。

母のはなしー孤独な抵抗
今年の初せりに大間マグロが一億五千万円の値がつきました。その大間町が大間原発を誘致する、このことを大間の商工会が要請いたしました。それが1976年です。そのときから私の母、熊谷あさ子は 「大間には原発はいらない」ということで、反対してきました。それから30年、母の土地を買収しようと、電源開発が執拗な手段で買収させ ようとしてきました。そして買収がはじまったのが、平成の2年頃からなんですが、平成12年にはその買収...しようとする土地、電源開発のど真ん中に母の土地はあったのですが、その他に 敷地の中に、156人の地権者がいたんですね。平成12年に156人の地権者は買収に応じ
たんです。たった一人、母だけ買収に応じま せんでした。それも、平成12年からは、母に対しては先ほどおっしゃったように、いやがらせ、ストーカー、ヤクザ、しまいには村八分 にあいました。だけど、母は子どもを守るため、自分の土地を守るため、原発はいらない、「どんなことをしても、おらは売らない」、そうやって反対してきました。

そして平成15年、母が買収に応じないものですから、電源開発はそれこそ原発事業をやる上で、未だかつてない、前例のないことをしま した。それは、当初計画だった電源開発の原発の敷地のど真ん中に母の土地はあるのですが、そこから50mしか離れていないところに原 子炉を建てる、それが当初の計画でした。しかし、母が買収に応じないということで、平成15年に原子炉の建設場所を母の土地から 50mから200mへ移動させたんです。そのことによって当初の計画から新しい計画になる場合には全て変わるんですね。平成15年に 変わったのが稼働予定です。原発を動かす予定ですね、その15年の時点では平成の22年に稼働予定でした。それが200m移動したと いうことで平成の24年になったんです。この2年の差はすごく大きいんですよ。

大間原発の再工事
福島原発事故は23年におきました。大間は動いていないんです。いまも稼働はしていません。母は平成18年に亡くなったんですけれど も、そのあと、それこそいろんな形で工事は頓挫してまいりました。それで、その事故の前ですね、国は大間原発の工事を容認しました。 建設しても良いと認めました。そして、福島の事故がおきました。それなのに去年の10月工事再開を容認したんです。その理由が、大間 原発は建設を容認して認めたから工事を再開する。これってすごくおかしくないですか?

福島の事故が起きた時点で白紙にならなければいけないんですよ。そこから始めていろんな調査をして、原子力委員会が全部調査をして、 活断層の調査をして、それからGOサインを出すのがすじだと思います。それなのに大間原発は工事の再開を容認、私はそれを聞いたとき 信じられませんでした。再稼働ではないんです、新設なんですよ。稼働していない、工事の進捗りつもまだ38%、半分もいっていないん です。原子炉の中のブルトニウムの容器もその時点では入っていない。ただの箱物だったんですよ。もしそのときに政府が工事計画を容認するのではなく、それこそ新設の場合はやめようと言っていれば大間原発はそれこそ工事をしなかったし、いまも工事はやっております が、やることはなかったんです。

いま日本だけでなく、世界もいろんな形でこの原発のことが問題になっております。この狭い日本が、島 国で、それこそアメリカとかフランス、ロシア、中国とかとは違う独特な、特別な国なんですよ、周りは海に囲まれている。地震は多い、 津波は来る、そして活断層はある、そしてまた火山がある。本当、自然災害にことかかない、日本はそういう状況の国だと思っています。 そういう国が原発と言う恐ろしいものを扱うと言うこと自体が間違っていると思います。

母の心情ー海を守りたい、子どもを守りたいーあさこはうすの夢
そして日本は、日本独自で自然再生エネルギーを主体としたことをすれば、絶対世界に通じる、世界で一番の自然豊かな国になり、子ども たちを大切にし、日本国民も豊かに生活出来る、そういう風になると思います。

うちの母は「海を守りたい」、そして、「子どもを守りたい」、「土地を守りたい」と、頑張って来ました。それって私たち生きているも ののすべての原点だと思うんですよ。やっぱりわたしは母親ですから、子どもを守りたいです。そして、おいしい空気を吸って緑豊かな環 境に育って、そういう環境こそが、これから私たちが大人として子どもが安心して生活出来る環境にする、それが私たちの想いです。

あさこハウスは母が、それこそ命をかけて守ってくれました。その土地は1万平方メートル、一町歩あるんですけれども、母は常々そこの 土地で、「おらはそこの土地で骨を埋める」と、骨をうずめてそこで生活すると。「わらし」って田舎では「子ども」なんですけれども、 「わらし呼んで遊ばせる、いまのわらしはだめだゲームばっかりやってだめだってな、で、結局ゲームというのは殴り合いやらありますよ ね、だけど、ゲームの世界では自分は痛みを感じないわけですよ、やっぱり子どもは自然に触れて、自然の中で子ども同士で遊んでケンカをし、助け合い、そういうことを小さい時に学ぶということは、絶対大きくなってからどっか隅に残るんですよ。そういう子どもの心を育 てたいなと思って、いまその母が残してくれた、一町歩、1万平方メートルをそういう場所にしたいなと思って、あさこハウス発展プロ ジェクトというのをやってました。

それは母の夢なんですが、それは子どもたちがその動物たちに触れ合う、自然に触れ合う、そういう環境にしたいなと思って取り組んでい ます。いままであさこハウスに私しかいなかったのですが、住人が増えました。子猫2匹です。まずは子猫をあさこハウスの住人にして、 私だけじゃなく、私がいなくても今度は猫ちゃん達があさこハウスをお留守番してくれるし、みなさんが、子ども達が遊びに来た時に動物 たちに触れて、その愛情とかいつくしむ事を体験できる、そういう環境にしてゆきます。着々と少しずつは進んでおります。

夢の実現に向かって
何が大事かって、私はやっぱり一番は子どもなんでよ。これから日本で生きていかなきゃいけないんですよ。その生きていかなきゃいけな いのに、やっぱり不安があったりとか、悲しかったりとか、苦しかったりとか、そういう思いはさせたくないんですよ。子どもはのびのび と遊ばせなきゃいけないんですよ。やっぱりそういう子どもを育てるためにそう言う環境にするためにまず何が大事か、それはやっぱり私 たちが自然を豊かにして、安心して生活できる、そういう環境にすること、それが私たちの目指す、これからのやるべきことだと思っています。


(CNFE-3本の桜の植林の時の挨拶)

いま政府の方では、それこそ再稼働、安全であれば稼働すると言います。だけども、安心というものはお金では買えないんですよ。命もそ うです、お金では買えないんです。お金がたくさんあればそれはいいです。いいけども、やっぱりお金では心は癒されないんですよ、やっ ぱり心豊かに安心して生活するためには、安心して生活できる環境を作る、それが私たち1人1人のやるべきことだと思っています。私は 原発反対ですし、大間原発をもちろん建てたくありません。そして私のやっていることは、まずは「あさこはうす」を守って、あそこの土地をそれこそ子どもたちがのびのび遊べる環境にする、子ども達を育てる環境にすることが、私の反対運動の活動なんです。

いろんな形があると思います、例えばデモをしたりとか、署名したりとか、いろんな形あると思います。それこそ官邸前で頑張ってらっ しゃる方、本当にもう感謝しております。
自分の出来ること、無理しなくてもいいと思うんです。私はそれこそ署名出来るなら、署名で一生懸命頑張ってもらって署名をとるとか、 デモをするときは人を誘ってデモをするとか、そういう風に自分の出来ることをやる。そうやってやることが1つ1つ考えたら、「なん だ、それだけか」とか、「それっぽっちか」と思われるかもしれないですけれど、その横のつながりなんですよね、だって皆さん目標が1 つなんですよ、例え5年かかろうが10年かかろうがその目標に向かっていれば私たちは我慢できるんです。去年だって節電するしない 言って皆さん出来たじゃないですか、出来るんです、日本人はそういうこと出来るんです。ならば日本人としてふるさとを守るため、日本 を守るために頑張らないといけないんです。

みなさん、がんばりましょう
(原発事故から)2年経ってきました。そしたら去年よりもそういう運動とか、活動がやっぱりこう下火になってきましたけれども、それ ぞれ関心を持つ、他人事でなく、自分はいいやとかそうでなくやっぱり関心を持つ、自分の思うことの関心を1つでいいんですよ。だか ら、自分の出来る範囲の、「このくらいしか出来ないや」でいいと思います。そう思ってやるということが、それが大きな力になると思い ます。まずは、自分のことは自分で守らないといけないんです。

今回の事故で本当に皆、私も含めてわかったと思います。人任せは、だめ なんですよやっぱり自分のことは自分で、そして自分の周りのことも自分でお互いに譲り合って、助け合って、協力し合ってやっていけ ば絶対叶います。そういう風に思うこと、その思いがいっぱい集まれば、大きな、大きな力になるんですよ。

母は本当に1人でがんばってきました、だけども母は使命があったんです。「おらはどんなことしたって、おらは守ってみせる」、そうい う思いで30年間頑張って来ました、私たちにだって出来ます、絶対出来ます。日本に原発をなくし、そして自然エネルギーでやっていけ る、これだけ自然豊かなところ世界にどこにもないです。その日本を私たちは誇りに思わないといけないんですよ。誇りに思って日本を守 らないといけないんです。

福島(の原発事故被害者)は、ふるさとに帰れません、私は大間生まれで、ふるさとが大好きです。ふるさとを無くしたくないんです。日 本も大好きです。日本も無くしたくありません。そのためには、なんとしても、なんとしても豊かに生活出来る環境にすること、そういう 思いで頑張っております。皆さんと一緒に頑張って生きたいと思います。皆さん力を貸してください、一緒に協力し合って助け合って頑 張っていきましょう、よろしくお願いします。

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経済人として「脱原発宣言」をおこなっている城南信用金庫の吉原理事長も 参加、発言していただきました。以下、発言の要旨をご紹介します。

みなさん、こんにちは。
川崎で行われる原発ゼロへのカウントダウンin川崎、とても大切な集会にこうしてお招きたまわりまして本当に心から感謝して おります。

私たち城南信用金庫は、東京都そして神奈川県の横浜とか川崎、大和とかですね、その辺を中心としてお仕事をさしていただいて おります。日頃お取引先の方々も大変大勢いらっしゃると思います、本当に心から御礼を申し上げます。

信用金庫の原点に立って
今日は、どんなお話かということで、ちょっと考えたのですけど、私たち信用金庫というのは元々地域の方々によって作って いただいた公共的な金融機関です。地域を守って地域を幸せにするための、そういう金融機関だということで先輩から受け継 がれてまいりました。しかしながら最近は銀行とあまり変わらないじゃないかというようなことがありましたのですが、私ど もはやはり原点に立ち帰って、みんなの幸せのために金融はあるんだと。これはですね、金融だけではありません、企業活動 というのも全て本来はそういうことのためにあるのですが、現代社会ではですね、なぜかどんどんどんどんお金儲けの方に目 が向けてしまいまして、お金儲けというのは自分たちのためですよね、でもそうじゃなくて、いろいろ世の中の役に立つよう な例えば医療の分野で言えば、お医者さんが人々の健康を守る、パン屋さんで言えば、安全で美味しいパンを作る、いまそう いう活動がどんどん失われています。

その中で中小企業の方々とかあるいは協同組合の方々、生活協同組合や医療生協もそうですけども、私たち信用金庫も金融の 面からなんとか社会のお役に立ちたいということで、仕事をしております。そんな中で、例の原発事故、3.11大震災が起 きまして、その中で私たちも何をすべきか考えました。企業としても、また、個人としても、地域を守って、地域の方々のお 役に立つには、原発を止めなきゃいけない。これは誰しもが考えることです、当時、マスコミも、そして政府もですね、驚い たことにあの新聞大手、右、左、いろいろありますけども、全部がですね「原発止めるわけにはいかない」、テレビもそう 言ってました。

節電ーやれるところから
こういうような状況の中で、そんなバカな話はないと思った方々はいっぱいいらっしゃると思うんです。私も個人として思う と同時に会社としても当然やれることがいっぱいあるはずだと思いました。

例えば、「原発がないと電気が足りなくなっちゃう、だからやはり原発止めるわけにはいかない」と日経新聞とか読売新聞と か産経新聞とか、下手すれば朝日新聞と毎日新聞も書いていました。本当にひどい話だなと思いましたけれども、調べてみた らそんなことないんですよね、私たちも電気止めれば原発止められるんだったら、みんなで電気節約ましょうということでエ アコン全部切りました。そしたらですね、30%簡単に節電出来たんです。

地元の方々とも話し合って、町会でも電気を節約するし、マンションの管理組合でも節約するし、みんなでやったら、なんと 原発なくても今年の夏乗り切っちゃったじゃないですか。それだけじゃありません。こういうこと考えている人はですね、大 企業の中でもいっぱいいるんです。この1年間で、原発10基分のですね、自家発電設備がですね、なんと大企業から中堅企 業、中小企業に至るまで日本全国の経済統計で、増設されていることが明らかになったんです。

どんな所にも心ある方、エンジニアの方とかいっぱいいらっしゃる、経営者の方々も口では言わないけれども、そういう風に 原発なくても大丈夫な会社、仕事が出来る環境を作るということで、大手会社含めて自家発電電力いっぱいいれたんですね、

それから、ガスヒートポンプと言ったものがあります。これ何かと言うと、普通のエアコンは電気で動かしますけれども、ガ スでもってエアコンを動かすのがありまして、これ大企業どんどん入れていまして、いま生産が追いつかないんです。それい れますとですね、電気(使用量が)十分の一になります。大飯原発は去年夏稼働する前に散々電気が足りないとおどかしまし たが、関西電力圏内でもですね、実を言うと、後から調べたら、夏のピーク時においても24%も電力が有り余っていたんで す。火力発電だけでですよ、ところがですね、それ、たぶん分かっていたのにもかかわらず、原発再稼働して、火力発電止め たんです。それをですね、例の関西広域連合の橋本さんとか知ってか知らずか、あれをですね認めたんですね。ということは ですね、政治家の方々、中央だけじゃなくて地方も、橋本さんなんかも知っていて、ああいうことを認めてたんですね、私は 本当に一国民としておかしいなと思いました。

報道ステーションでですね、しゃべっていいと言われたので古館一郎さんの番組に出て来まして、あれはおかしいと、原発な んかね、2030年までに止められるって橋本さんが言ってたけど、「あんなの即時止めるべきでしょう」って言ったらです ね、非常にですね、スタジオ中がシーンとしちゃったんです。吉原さんが言うとコマーシャルがこなくなっちゃうと言われま したけれども、まあ吉原さん言ったんだったらいいかと言われました。

だから要するにみんな何かに怖がってるんです。何かと言うと「お金」なんです。マスコミもそうなんです、みんなすごい良 いお金もらってみんないい生活しているんですよ。新聞記者もテレビの関係者の上の方は、下の方は知りませんけど、電力会 社も多分ですね、社長はこのあいだ辞めさせられて、まあ責任取って辞めたけど、5億円の退職金を貰って、天下りしまし て、また給料貰ってますよね、勝俣さんでいう会長さんも天下りして未だに高い給料もらってやっています。みんなですね、 自分の目先のお金で動いちゃっている人がいっぱいある。ひどい話です。

本当のことを話して日本の将来を考えてほしい
話戻しまして、まず第一に私は多くの方々に本当のことを話して日本の将来のについて考えてもらいたい、こういう風に思い ました。同じ日本人じゃないですか、「右」「左」関係なしに私はですね、全ての人とお友達になろうということで、色々と お世話になっております。みんな、この一点にかけては日本の国に住んで日本の未来と日本の子供たちのことを考えているん だから、みんな手を組んで、大企業の中にいる人でも良心的な人はいるんですよ。ただ、おっかなびっくりでみんな上司か何 を言うか分からないから、だから時々新聞なんかも良心的な記事を出してますよね。石炭のガス化をすると、石炭のエネル ギー効率が倍以上アップしてあんまりCO2も出さない。しかも、資源は無限に近いほどある、そんな記事も出ていました。 NHKでもやっていました。シェールガスもあります。何十倍にも増えているんです。太陽光や風力でいま世界はどんどん もっとCO2を出さないようなものも出しています。電力は十分に余っているこれはもう常識なんですね、

原発はコストにあわない
二つ目はですね、原発は「コスト」の面で合わないということが、なかなか新聞で報道しないんですけれども、アメリカでは ですね、いまどんどん「原発離れ」が起きてるんですね、例えばGEという会社があります、元原発を作っていた会社です。 このCEO、トップの人が去年言ったんですよ、去年の4月に「原発は採算に合わない」、「ガスの方が安い」、「これから はガスと太陽光に全ての国が進むであろう」と言っているんです。

アメリカの大手電力会社であるNRGエナジー、それからエクセロンという会社が、テキサス州やなんかの原発の新設計画を 全て撤回しました。その理由は、環境じゃなくて、純粋に、コストが合わないからです。アメリカの常識はこれなんですよ。 世界の常識なんです。もはやアメリカの企業で原発に興味がある会社はどこにもないと専門家が言ってるんです。

でも、日本に対しては原発を続けろとオバマさんが言っているのか、あるいは日本の人がオバマさんか何かに通じて言わせて いるのかわかりませんけれども、世界の常識と全くの逆方向に日本は行っています。ですから、原発はコストが合わないとい うことをもっともっと世のビジネスマンに教えなきゃいけない。ちょっと考えて見たら分かるんですけども、城南信用金庫は 東京電力の電気の購入をやめました。原発依存は嫌だということで辞めたんですね。電気料金上がったかと言うと上がってな いんですよ、不思議ですね、東京ガスがですね、川崎の扇島にすごいバカでっかいガス発電装置を持っているんです。そっか らの供給を受けていると、電気料金安いんですよ。だからつまり、原発事故はある前からすでに原発のエネルギーは高かった んです。

企業(向けの東京電力の電気)の値段は安いんですけど、一般家庭(むけの電気料金)はものすごく高いんです。一般家庭か らの利益で、電力会社は8割の利益を得ている、企業向けは収支とんとんなんです。なぜかと言うと、企業向けを高くしちゃ うとみんな自分で作っちゃうからなんです。つまり、化石燃料石炭あるいは石油とか天然ガスを使った方が安いのがわかっ ちゃってるんです。だから一般家庭の電力自由化をしないんです。絶対しないんです。そうしたら原発をますます採算が合わ ないと分かっちゃうからですね。

原発ゼロへ
こういう原発というのはどうなるのかというと、NHKスペシャルでやっていました。核燃料サイクルというのがあって原発 の核のゴミをですね、もう一回処理してプルトニウムとして燃料になるんだということをやろうとしていますが、うまくいき ません。プルサーマル計画と言ってやっています。でも、結局ですね、コスト合わない、しかも危険が高い、再処理をすると 大量のゴミが出ちゃうんですね。環境にも良くない、採算が合わないからもうダメだって経産省の若手の人たちは本当は論文 なんかで書いてることをNHKでやっていました。

もう国民を騙すことは出来ない、でも核燃料サイクルはもう無理だという風に河野太郎さん(自民党・国会議員)も言ってい ますけど、言っちゃうと、青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料を日本各地の原発に返すことになると言うんでよすね。返し ちゃうというと、各地の原発がもう使用済み核燃料をおいておく場所がなくて、プールの所に入れているんですけど、プール はもういっぱいなんです。そうするともうすぐに稼動停止になっちゃう、と言うことはもう原発ゼロになる。

そうすると電力会社が軒並み破綻、原燃(日本原燃株式会社)も破綻、そして関連している会社が次々倒産してしまう。だか らやりたくない、でもどう考えたって無理だと分かってるんですね、だから、本来やるべきは現実を見据えて、これ(プル サーマル計画)を止めて、潰れちゃってもいいんですよ、電力会社。

こんなこと言ったらあれなんですけどね、だってJALっていう会社があるじゃないですか、ジャパンエアライン。いまジャ パンエアラインはすごい良い飛行機飛ばしてます。一回潰れてるんですよ。、潰れたって大丈夫なんですよ、大会社はね。中 小企業の方がもっと大変なんですよ、大会社は潰れても会社更生法ってのがあって、上の方の役員だけ交代ですよ。JAL だってちゃんと飛行機飛ばしてるじゃないですか、電力会社だって大丈夫なんですよ、だからそういうこと考えればですね、 原発は直ちにゼロにしていくべきだ。

しかもそう思っているのは私だけじゃないんです。実はですね、今度はですね加藤寛先生という元税調会長の先生で慶應義塾 大学の名誉教授をやった経済政策の第一人者、この方が昨日、本を出しました。題名はですね「日本再生最終勧告 原発即時 ゼロで未来を開く」こういう内容なんです。自民党歴代政権のブレーンで郵政民営化、消費税いろいろやりました、あと、国 鉄分割民営化とかいろいろやって御用学者なんて言われる人もいますけども、でもですね、原電即時ゼロで未来を開く、1月 30日に亡くなりましたけれども、最後の力を振り絞ってこの本を書きました。いまこの政治家と官僚と財界とですね、甘い 汁吸っちゃているけれども、そういうたかりの構造を辞めて、原電即時ゼロにした方が日本の国民のためには絶対正しいん だ、コスト的に合わないんだ、環境にもあまりにもリスクが高いんだ、日本の未来の子供たちのためにもならないんだそうい うことを絶筆として、これを見届けないうちには私は死んでも死にきれないと書いていただきました。

なんとあの、小泉元首 相も推薦しています。竹中平蔵さんも推薦しています。本当は中身見てないじゃないかと話が多いですけど(笑)、でも快く 推薦して表紙に書いていただいています。城南信用金庫ではこの加藤寛先生を城南総合研究所の名誉所長としてお迎えしてい ました。先生の最後の御意志として経団連、同友会、東京商工会議所、それから経産省、各政党の政治家の方々、経団連など の企業のトップの方々にこの本を是非謹呈したいと思っています。こういう形で、多くの方々を味方に付けて少し考え直して いただいて、アメリカが何と言っても日本は日本の国民のものですから、TPPも散々なことをやられてますけども、あんな 「ジャイアン」のいうことを聞かないといけない「のび太」みたいなあんなシステム乗らないように安倍さんもですね、「のび太」にならないように頑張っていただきたいと思います。

川崎の焼却灰の問題
いろいろ申し上げましたけど、川崎もですね、いま核のゴミ埋めたて処分、ゴミを焼くとですね、大田区の大森なんかも大変なんですよ、焼却場の灰がですね結構(放射線量の)濃度が高いんです。だからブルーシートかけてなんとかいま埋立地に置いてる状態なんですけど、全国各地も大変かと思います。特にここ北関東、東京の我々も結構被曝していて、ゴミなんかも いっぱいあるわけです。そういうものを燃やすと、その焼却場、相当な放射線量が高まっています。そう言ったものの処理な んかについてもこれから地域の方々の安全とか、子どもたちの安全とか考えながら是非、市役所へも働きかけていただきたい なと思いまして、私の話を終わらせていただきます。

(文責 

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