2月2日の朝日新聞で早稲田大学の浜田政則教授の研究室が神奈川・千葉県にあるコンビナートを上空から撮影して石油タンクの実態を調査した結果、1510基の石油タンクの内、115基から、「大型タンクローリ6千台分にあたる計11万キロリットルがあふれ出すとの試算結果がでた」ということが報道されました。
浜田教授は、「東京湾岸部でも同時多発的に火災が起きる可能性がある」と指摘されています。私は浜田教授の指摘を受け、ここ数年、この問題を川崎の臨海部の問題として追い、住民と行政そして議員と有識者を交えて討議して政策提案することの重要性を提案してきました。
東京湾臨海コンビナートが危ない! ここにも安全神話が
http://www.oklos-che.com/2012/04/blog-post_13.html
新聞報道はいつでもそうなんですが、起こった事象あるいは発表された内容を報道するだけで、そのことが何を意味するのかということを市民レベルの視点で考え総合的に報道する姿勢に欠けています。川崎市民フォーラムでも危機管理室の担当者や市会議員を呼び、濱田さんの講演を聴きながらこの問題を考えてきました。しかし全般的に現実感がないのか、危機意識が不足しているのかなかなか具体的な行動を起こすことができていません。しかし浜田さんは着々と行政、企業に呼びかけて東京湾全体の問題として取り組む準備をされてきました。
首都圏を襲う地震・津波に総合的な対策をー住民参加案に賛同
http://www.oklos-che.com/2012/11/blog-post_23.html
川崎は3・11と同規模の直下型地震で数十万人が死傷する、市にその危機感無し(参考資料の紹介)
http://www.oklos-che.com/2012/09/blog-post_21.html
浜田さんの指摘された問題提起は実態調査から浮き上がってきた事実を基にしているので、誰もが無視できません。地震によって液状化現象が起き、それが石油コンビナートが集積する臨海部でどのような被害をもたらすのか、川崎においても早急に市民が参加するかたちで超党派の議員、行政と一緒になって討議をはじめるべきです。今年の秋に市長選があるので、すくなくともこの問題を各候補にぶっつけて次期市長において実現させなければならないでしょう。
浜田さんは地震によって石油コンビナートの石油が東京湾に流れ出す可能性を指摘されたのですが、その石油は実は市内に流れ込むということの重要な問題をマスコミは見逃しています。3・1メートルの防波堤を海水は石油とともに越えて市内に流れ込み、川を逆流してしていくのです。そのことで「津波火災」という、これまで知られなかった現象がおきることも予想され、そうすると高いビルに逃げることを前提にした市の防災計画は根本的に見直さなければならなくなります。
地震が起こって今ある停止中の原発事故でさえ危険であることが分かればすぐにでも避難計画を立てなければならないのに放置されているのと同じ問題がここにもあります。これは住民の生命・財産は自分で守るということであり、それを具体的にしていくということが住民自治です。民主主義の根本は政治家や政党選びではなく、市民・住民の日常的な政治参加によって実現されるものだということを再度、強調したいと思います。
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