新聞報道で既にご存知のように、元国会事故調の委員であった田中三彦をさんは衆参両議員議長と、経産省大臣宛に要望書を出されました。御本人の許可を得て本人から送っていただいた要望書をそのまま公開いたします。
東電は国会の事故調査委員会が福島事故の際、第一号機の現場を視察することを求めたのですが、真っ暗で見えない、危険だということでその視察はできなくなりました。しかしその後、それが東電側の嘘であり、テントでカバーされていても内部には十分な光がさしこみ、視察には問題がなかったことが判明しました。
明日、辻元議員が東電の広瀬社長に国会で質問をします。自民党は国会に嘘をついた東電の職員のヒヤリングさえ拒否しています。
どうしてでしょうか?
それは他の民間の調査機関は事故はすべて津波によるものと断定したのに対して、国会事故調は地震による配管の破損による放射能漏れの可能性を指摘していたからです。もし地震によって配管が破損し、放射能が放出されたことになると、これまで原子力規制委員会が準備していル防災計画は根底的に見直さなければならなくなります。
国会事故調の中でももっとも早くから地震による配管損傷の可能性を指摘したのは、元日立のエンジニア-で原発建設に関わりながら、日立を告発した田中三彦さんだったのです。
まず明日、東電車長が国会でどのように答えるのか、注目しましょう。田中さんの主張は明白です。
東電の嘘と、視察の妨害行為は、「国会事故調のみならず、その設置者たる国会と国民をあざむくものであり、その意味でも到底許されるものではありません。」その上で、国会、及び経済産業省に対して、東電の「虚偽説明の検証」と「現地調査の実現」を求めています。現場の保全も必要でしょう(既に東電は配管の地震による損傷を明らかにする物証を隠してしまったかもしれません)。
はたして国会が田中さんのような専門家を現場調査をするメンバーに選ぶのか、または、これまでの原子力ムラの専門家を選ぶのか、私たちは注視しなければならないでしょう。
事態は非常に流動的です。いつでも田中さんを支援し、政府の判断によってはそれを批判する多くの市民の声を国会、政府に届ける必要がありましょう。
ご指摘は全く同感です。
返信削除田中さんは当初から原発は津波が来る前に、地震で損傷していたのではないかとの疑問を提示しています。
そのことが立証されると、対策は津波だけでは済まなくなるので、東電側は必死なのでしょう。
時間が経っているので、修復してしまっているかも。
それにしても、相手は国会調査団ですから、「お上を恐れぬ所業」ということになります。
時代劇に出てきそうな表現で恐縮ですが。
返信削除崔勝久先生
学期末業務に追われ、ご無沙汰いたしました。
オクロス通信、配信くださり、ありがとうございます。
今日、ある方から以下の本を頂戴しました。
洪成湛『光州「五月連作版画-夜明け」ひとがひとを呼ぶ』
(夜光社、2012年)
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「黒い苦痛のなかでのみ、輝く新たな日を見ることができるのです」(115頁)
「福島原発」は、まちがった名前です。
「福島核発電所」が、正確な名前です。
「福島原発事故」は、間違った名前です。
「福島核発電所爆発事態」が、的確な言葉です。
あの人たちの暴力は、このように、言語を損ない傷つけ、歪曲することからはじまります。
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末尾の中西新太郎さんとの対談の内容
(置き去りの歴史、抵抗の場を創り出す出会い、
ニセの虚無主義)にも、非常に共感しました。
本日お送りくださった記事を見て、以上のことをお伝えしたいと思いました。
新潟は冬に逆戻りの寒さです。
先生も、どうか風邪など召されませぬよう、お気をつけください。おやすみなさい。