斜陽産業の原発にそれでもがむしゃらに拡大を急ぐ日本企業トップに社会責任、倫理についての発言を聞くことはありません。一体、日立、東芝の経営陣は売り上げ拡大以外に、自分たちが建設し納入した福島原発事故をどのように捉えたのか、それは彼らの会社にとってどのような意味があったのか、まったくの沈黙です。
再投資と株主への配当のための売り上げ増大しか発言しないつまらない経営者、これが日本の代表的な企業の経営者の実態です。残念ながら原発メーカーに対しては「死の商人」としか言えません。彼らは世界どこも同じような原子力損害賠償法をつくらせ、原発メーカーの責任を免罪させています。これこそ世界の原発マフィアの陰謀、策略なのではないでしょうか。
アメリカは「核の平和利用」を掲げながらも世界的な核戦略に沿って世界を動かしています。彼らはもはや自ら原発をつくることをせず、ライセンス料をとり(原発の核心的な技術を保有している)、実際のお金と原発の製造は日本と韓国に任せる戦略です(11・10のNNAAの講演会での鈴木保奈美さんのお話に注目。近く公表します)。
原発体制は戦後の、植民地なき植民地主義だとしか言いようがありません。日本と韓国は国策として原発輸出を拡大し、アジアの新たな加害者になっていこうとしているのです。日立、三菱そして東芝はアメリカの戦略の上でアメリカにライセンス料を支払いながら、原発による売り上げを増やしていくという方針を臆面もなく発表しているということになります。
「反原発の国際連帯を目指してー台湾での8日間を振り返る」
http://www.oklos-che.com/2012/10/blog-post_28.html
私たちNo Nukes Asia Actions,Japan(NNAA-J)は、原発メーカーの社会的責任、法的責任を問うべきだと考え、その準備をしています。みなさんのご協力、ご支援によって国際連帯の運動を拡げていきたいと考えています。一緒にやりませんか。
「原発メーカーの責任」を問う理論的根拠について-島昭宏 弁護士
http://www.oklos-che.com/2012/11/blog-post_26.html
私はここで原発メーカーの責任を追及するだけでなく、最近の日本社会の動向に対しても警告を発すべきだと考えています。脱(卒)原発の動きと、自民・維新の極右的な動向を支持する日本の現状、ここに一国主義の危険性を私は感じます。嘉田さんが「世界倫理」という単語を使っているので少しばかりほっとしましたが。
再稼働反対の運動の中で原発輸出反対の声が圧倒的に小さいことを私はずっと危惧してきました。再稼働反対のうねりと領土問題による愛国心の高まりは併存しているのです。その併存こそ、一国主義という圧倒的多くの日本人が自覚化することのない問題点だと思います。
「絓秀美『反原発の思想史』を読んで」
http://www.oklos-che.com/2012/04/blog-post_6012.html
原発輸出によってアジアへの加害者になっているということをもっと深刻な問題としてとらえるべきでしょう。韓国の市民にこの視点が決定的に欠けていることが気がかりです。
「韓国からの報告ー多くの出会い、韓国の実態の目撃」
http://www.oklos-che.com/2012/11/blog-post.html
今度の選挙で政権を取るとマスコミで騒がれている自民や維新の会の論理は、結局のところ戦争は悪くなかった、戦争責任告白はしないでいいということなのです。これは歴史認識として彼らは戦前と同じく、世界の大国を目指して植民地主義政策をとるということの宣言だと思います。公明党は若干批判的であるような発言をしていますが、ここに維新の会が得票を伸ばすようなことになると、自公と維新の会で過半数をとり憲法改悪まで進むことが十分に予想されます。公明党はそのとき与党から離脱するでしょうか。石原の公明批判はその点を念頭に置いたものだと思われます。
脱原発は戦争責任と重ならないといけません。そうでないとまさに一国主義に陥るしかないのです。
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