2012年3月2日金曜日

3・11のときの千葉のガスタンク爆発は他人事ではない


朝日新聞3月2日の一面に、「ガスタンク 耐震基準強化へ」「震災での大爆発 支柱の破断起因」というタイトルで、3・11の時の千葉でのガスタンクの爆発事故を経済産業省は構造的な問題であることを認め(正確には、「疑いがあるとして」)、「基準を厳しくする方針」であると伝えています。これは同様な構造を持つ、さらに大規模な川崎臨海部では千葉と同じような問題が起こるかも知れないということを意味します。

新聞では事故の原因をタンクを支える「筋交いの耐震基準が不十分」であった疑いだけを指摘していますが、現場をよく知る人たちは、さらに深刻な問題を抱えていると指摘しています。地震と津波によってガスタンクが爆発すると、川崎市内は水の被害だけでなく、まずガスタンクから油が流れだし、市民はその被害に遭うのです。

勿論、このことは東京湾全体の船の運行禁止に至り、産業界に莫大な影響を与えることことになります。この点は早稲田大学の濱田教授がこの間、ずっと主張されていたことでした。私のブログで、「濱田教授」で検索していただければいくつかの文書がでてきます。以下その中でよっつだけご紹介いたします。是非、URLから拙論の内容をご確認ください。



「隠された東京湾炎上」ー川崎は想定外の地震でどうなるのでしょうか
http://www.oklos-che.com/2011/08/blog-post_17.html

津波への備えのない、エコ発電都市川崎の実情を目撃
http://www.oklos-che.com/2011/09/blog-post_06.html

エコ発電都市(環境都市)川崎の陥穽
http://www.oklos-che.com/2011/06/blog-post_28.html

講演:東日本大震災をどう受けとめるかー日本の地震防災工学の「権威」の濱田教授
http://www.oklos-che.com/2011/06/68-20071020093-2003320053-199320091.html

臨海部の問題は川崎の20%の面積を占める一大工業地帯なのですが、ここを50年後、100年後どのようにしていくのかは、今から市民と行政、企業と政治家が一緒になって研究し、議論を重ねていかなければならない重大な問題です。いろいろなアイデアや意見をお持ちの方がいらっしゃるでしょうが、ここは専門家を交えて徹底的に議論をする必要があるのです。そのための話し合いの場が急務です。

しかしながらこれは川崎の臨海部だけの問題だけでなく、金太郎飴のように海を埋め立て石油コンビナートを作り工業化を進めてきた全国各地の問題でもあるのです。早急に全国的な協議会のようなものが必要になってくるでしょう。しかし重要なことは、地元の住民が、縦割り行政で市と県と国の権限が分かれ、コンビナート地帯での大事故が起こった場合の対応が全くできていないことを、自分たちと家族の命を守ること求めてまず立ち上がることだと思います。私たちが行政の縦割りに付き合って個別に担当者に会うのではないのです。災害対策をどうしてくれるのかということをまず川崎市に求め、そこに県と国に参加させればいいのです。それは市の仕事でしょう。

国のガスタンクの耐震を基準を強化するため法律を作り、行政指導を強化しても、所詮それを実行するかどうかは私企業が決定することです。莫大なお金がかかるでしょう。しかし私たちはその改善を指をくわえて待っているわけにはいきません。行政に私たちの生命を守ることを求めることです。

地震・津波はいつ来るかもしれません。川崎において、川崎の直下型地震の震源地を東京都にしている現状では、3・11規模の地震・津波が起こった場合の最悪のケースさえ明らかにされていません。私見では、臨海部の最悪のケースを早急に調査発表させるべきでしょう。臨海部に接している池上町のような朝鮮人集落はどうなるのか、今からどのよう対策を打つのか、さらに川崎区・幸区と川崎駅まで油の海になった場合、また津波が川を遡上して北部に至るようになるとどのような災害が起こるのか、今の市のデータでは信頼できません。同時に急速に開発が進んだ川崎北部の崖くずれ、や高層マンションへの影響も心配です。

まさに国籍・民族を超え、協働して地域社会を変えないと私たち自身の生命が守られない状況になっているのです。

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