2011年10月6日木曜日

日米による原子力燃料廃棄物のモンゴル持ち込み問題についてーモンゴル民主化運動史研究会

ネットサーフィンをしていたところ、日米による原子力燃料廃棄物のモンゴル持ち込み問題について(2011年5月~9月13日) というモンゴル民主化運動史研究会の記事に出会いました。
http://www.aa.e-mansion.com/~mmurai/page334.html

この記事によると、モンゴルの大統領が、「日米の企てる原子力燃料廃棄物のモンゴル移送問題について協議することを禁止する、と命令した」とあり、また「2011年9月22日、国連第66回総会での演説で、モンゴルに原子力燃料廃棄物を搬入させてはならない、と述べた」と現地の新聞の電子版を引用して伝えています。

日本のマスコミには報道されておらず、センセイショナルに日米蒙の契約の話が伝わってきたのですが、これで本当に完全解決なのか、或いは状況によってモンゴルの政策は変わるのか、まだよくわかりません。事実関係を調べたいと思います。この点に関する情報をお持ちの方は連絡いただければ幸いです。

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日米による原子力燃料廃棄物のモンゴル持ち込み問題について(2011年5月~9月13日)
モンゴル民主化運動史研究会
http://www.aa.e-mansion.com/~mmurai/page334.html


日米両国は、原子力燃料廃棄物をモンゴルに持ち込む計画を立案中である、というニュースを毎日新聞(2011年5月9日、11日、12日付)が報道した。その後、この問題がモンゴル国内で論議されるようになった。

まず、天然資源エネルギー省原子力局長С.エンフバトは、(原子力発電所からの廃棄物処理施設をモンゴルに建設するという報道に関して)非公式の協議が行われたことは事実である、と述べた(ウヌードゥル新聞2011年9月1日付電子版)。

次いで、П.アルタンゲレル・国家大ホラル(国会)自然環境食糧農牧業常任委員会委員長は、(原子力廃棄物問題に関し)関係機関の責任者に問い合わせたところ、彼らはこの事実を否定した。この問題は、誰か一人の大臣が決定する問題ではなく、国家安全保障会議、国家大ホラル(国会)常任委員会で話し合うべき問題である。そこで、秋期国家大ホラル(国会)で話し合うことになるだろう。その結果、モンゴル国内に原子力燃料廃棄物を搬入することを禁止することになろう、と述べた(ウヌードゥル新聞2011年9月7日付電子版)。

さらに、エルベグドルジ大統領が、2011年9月13日、国家安全保障会議(議長:モンゴル国大統領)での決議のないまま、日米の企てる原子力燃料廃棄物のモンゴル移送問題について協議することを禁止する、と命令した(ウヌードゥル新聞2011年9月14日付電子版)。

エルベグドルジ大統領は、この問題にだめを押すかのごとく、2011年9月22日、国連第66回総会での演説で、モンゴルに原子力燃料廃棄物を搬入させてはならない、と述べた(ウヌードゥル新聞2011年9月23日付電子版)。

以上のように、原子力燃料廃棄物問題は、モンゴル政府指導層によって「明確に」否定的な回答が出された。これは、全く当然の成り行きであろう。

元来、この「原子力燃料廃棄物」問題は、モンゴル人原子物理学専門家の机上の理論として始まったものである(注:毎日新聞の報道の中のチャドラーは科学アカデミー元総裁で原子物理学者。2000年から2004年まで国会議員。だから一定の影響力を持つ)。それが一人歩きしてしまった。それは、モンゴル国民のあずかり知らぬものであった。

また、核燃料処理場として候補に挙げられチョイル市は、モンゴル国内のほぼ中心部に位置している。いわば、モンゴルの心臓部に原子力燃料廃棄物を「貯蔵」する、というのであるから、問題外である。モンゴル人が広く知ったら反対運動が起きることは明白である。

モンゴルには、清朝支配期から現代まで、「牧民運動」、「民族解放運動」、「民主化運動」、そして最近の「市民運動」などの歴史的伝統がある。この問題が明らかになれば、この問題への反対運動が燃えさかるであろう。(2011.10.03)

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