2010年1月9日土曜日

社会統合は全てに優先するのか

「移民と築く街の将来」「様々な人・文化流入」(朝日1・9)
今日の朝日新聞の一面で新宿、大久保の韓国系教会と韓国コミュニティの動きを取り上げています。川崎の桜本での「在日」が商店を構えるものの、まちづくりになかなか参加できていない現状を考えてみると、大久保の実践は検討に値すると思えます。

しかし大久保の場合はJR駅に近く、街全体が発展しており、桜本の場合は、臨海部の全体的な沈滞(コンビナート地域からの工場の撤退、労働者の激減等)の影響を受けていると思われます。外国人の関与によって街の活性化が図れるというより、街の活性化によって、桜本に多く住む外国人のまちへの関与の仕方が変わるようなことを考えるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

3面の三分の二のスペースを使いながら、1面の続きがあります。
「迫られる新たな開国」「社会の厚生員多様化」
内容は、高槻市の李敬宰をとりあげながら、本名で帰化した「在日」を紹介し、元東京入管管理局長を勤めた坂中英徳は「国づくり」の視点から、外国人の受け入れを話しています。彼は、日本籍をとらない外国人はわきまえるように警告を発した人物です。

「国籍と民族的なアイデンティティーは必ずしも一致しない。「日本人」をひとくくりできる時代は過ぎた。」というのが朝日の趣旨のようです。朝日新聞の基本的な主張と読みました。「国籍とアイデンティティーの不一致」を取り上げ日本国籍の取得を主張する鄭大均の影響は大きいですね。参政権には反対で、帰化を簡単にする対案がだされています。

地方参政権であれ、外国人の参加によって日本の安全保障が脅かされると主張する人が多いのですが、そこで共産国の中国、北朝鮮への反発が表明されています(櫻井よしこの国家基本問題研究所:http://jinf.jp/)。しかし他国の利益のために暗躍する「スパイ」などというのは、アメリカ、イギリスなどどこにおいてもその国の国籍をもった人がやることですよ。櫻井たちは、帰化や永住権取得者に国家への忠誠を誓わせるセレモニーの必要性を唱えます。

朝日と櫻井たちが基本的に同じと私が見るのは、国家の統合ということを大前提にしている点です。朝日の3面の「移民政策 逃げず論議を」(中央大学兼任講師の宣元錫)記事に注目しました。外国人を受け入れてきた韓国の政策と日本との違いが述べられており、検討に値します。しかし私は、「社会統合」と「共生」を強引に進める韓国の政策を額面通り受け取ることは危険だと思います。

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