昨年の10月15日、阿部三選阻止集会に参加して下さった皆様および、私たちの住民自治を内実化する活動を見守りご協力、ご助言をしてくださった皆様へ
みなさん、新年明けましておめでとうございます。
昨年は皆様方の温かい激励によって、ささやかですが、自分たちの想いを実践につなげる活動をしてまいりました。
残念ながら、市長選の結果は阿部現市長の当選という結果に終わりました。しかし、阿部市長に反対する票を投じた人は25万人、阿部市長支持者は15万人、そういう意味では、阿部三選阻止を目指した私たちの運動は一定の成果を上げたと言えるでしょう。問題はこれからです。川崎の市政に私たち市民がどのように関わるのか、私たちがなすべきことは何なのか、私たちとしてはじっくりと学習と実践を重ねて、4年後に備えて具体的な政策を提示していきたいと考えています。
10・15集会を踏まえて作られた「新しい川崎をつくる市民の会」のMLを作成中です。皆様をグーグルグループにご招待いたします。メンバーとしてMLにメールアドレスを載せることに承諾してくださる方はご返事をいただければ幸いです。「市民の会」事務局で話し合った内容、学習会の案内などをMLでお送りいたします。
(1)候補者のドタキャンから見えてきたこと
2009年10月15日、告示後、すべての候補者が公になった段階で、ストップ・ザ・阿部三選集会を企画し、阿部市長を除いたすべての候補者を招き、候補者同士の討論、市民からの質問を保証する場にしたいと考えました。それまでは阿部候補をはじめ、各党内の事情で候補者が決められ、その決定過程では市民不在でした。マスコミの報道の仕方を含めて、候補者のマニフェストを検証する場はありませんでした。候補者同士の真剣な討論は一切なく、市長選に際して、市民の知る権利は損なわれていると私たちは考えていました。
しかしながら集会出席を約束していたすべての候補者は、まさに集会当日になって、まるで申し合わせをしたかのようにキャンセルをしてきました。そのうえ、候補者陣営からは誰一人、集会場にキャンセルの事情を説明に来る人はいませんでした。時間が合わないという言い訳は論外にして、公示後、選挙に関する集会に候補者が参加することは公職選挙法に違反する、或いはそのように選管(警察)から判断される恐れがあるというが主な理由でした。
私たちは選管は勿論、選挙違反を取り締まる警察にもその点を確認しましたが、現行法では、一定の候補者の落選を目指し、特定の候補者を応援したり、集会で選挙運動をするのでないならば、問題はないという判断でした。公職選挙法は、特定の候補者の応援にあたっての選挙運動違反を取り締まるための法律なのです。市民の知る権利に応えて、市長候補者が堂々と自分の意見を述べ討論する集会を警察は取り締まることなどできません。
公職選挙法の解釈と、市民の知る権利について、告示後に集会をもつことの是非を各党派の立候補者陣営と私たちの間で討議・検証する時間的な余裕は十分にありました。しかし市民運動陣営でさえ、公職選挙法について十分な知識を持たず、集会参加を「自粛」していたことは、今後の市長選の在り方に大きな課題を残すことになりました。
市民の知る権利を全面的に前に掲げて、徹底して各候補者のマニュフェストを検証し、たとえ公示後であっても(そもそも候補者が確定するのは公示であるのに)、市民の前で各候補者間の議論をさせるべきです。4年後は、マスコミにも協力を求め、市民が中心となった集会をもちたいと願います。
(2)それでも集会に参加してくれた人たちの発言から
しかしながら集会当日、なんと70名もの人たちが、候補者のドタキャンにも拘わらず集会に参加し、ドタキャンに関する主催者の見解をめぐって話し合いをしました。参加者からは、各自の実践を踏まえて、これは市民が中心となった新しい運動の出発であるという発言が相次ぎました。
集会の準備をした事務局としては、集会参加者の発言に勇気を得て、またそれらを次になすべきことについての助言と受け取りました。時間をかけて事務局で検討した結果、「新しい川崎をつくる市民の会」を立ち上げることを決定しました。事務局は日本基督教団川崎教会に置き、代表は教会牧師の滝澤貢、事務局長は崔勝久で、現在は今後の会の理念、活動方針を明確にする準備にとりかかっています。
(3)「新しい川崎をつくる市民の会」の理念について(草案)
●「住民が生き延びる地域社会」実現を目指して
「住民が生き延びる」地域社会(Sustainable Community)とは、
「平和と民主主義を希求し、国籍に拘わらず全ての住民の自由、平等、基本的人権を保証し、絶対的貧困を除去すると同時に、環境・資源・生物多様性の維持・保全を根底に据えた、住民が主体となった住民自治を志向する地域社会」と定義します。
●川崎では本格的に工業立地が開始されて2010年で100年になり(「韓国併合」の年)、その間国が求める富国強兵政策や戦後の重化学工業政策に沿ってまちづくりがなされた結果、道路政策の過ちと相まって「公害」問題が発生し、現在「環境再生」という大きな課題に直面しています。エコ社会の実現という阿部市長の謳う政策で本当に数十年先、現在のモンスターのようなコンビナート地帯から市民に憩いの海が戻るのでしょうか。都市計画によって川崎北部もまた東京、横浜への住宅供給地となってきていますが、現在のようなまちづくり政策で、「住民が生き延びる地域社会」になるでしょうか。
「市民の会」は、21世紀のあるべき川崎市及び地域社会はどのようなものなのか、市民(住民)の立場から、特に社会の弱者の立ち場に立って、行政や企業に対して対話を求めながら具体的な政策を提示し、その実現に向けて活動すると共に、インターネットを介して広く情報発信します。
●「市民の会」の上記理念に賛同する人は、国籍、性、職業、宗教、思想、居住地(川崎市以外を含めて)に拘わらず、会員として、会の催す学習会、講演会に参加し、自由に会の討論に参加することができます。
●会員に対してはすべての情報は公開を原則にします。会員は社会的地位や職業に関係なく、すべて平等・対等で、民族・宗教・政治的理念は関係なしとします。
(4)事務局で検討されている内容
「市民の会」は、市民主権の地方自治体実現へ向け、主権者不在の実態(政治風土)を打破すること、住民自治の内実を形成して行くことを目標に、運動を発展的に継続したいと考えています。
当面は、上記(3)の他に以下のことを話し合っています。
A:歴史教科書の問題。 横浜市の採択からいずれ全国に波及するであろうこの問題を、教科書の内容もさることながら、「自由社」の教科書の採択を決定した教育委員会とそのメンバーを決定した首長、及びその決定を承諾した議会の在り方を、横浜市の例を参考にして、注視する。
B:住民自治の内実をどう形成して行くか。地方自治のあり方として、人口20万人くらいの区を単位にした行政システムを、地方分権の政治日程が俎上に上って来る前に事前に学習会やシンポジュームを重ねて備える。
C:地下鉄、南校跡地、外国人差別、福祉・介護など、全市的に個別に地域の課題を担い運動を進めている個人及びグループとの提携を図る。
D:その他
臨海部に川崎の歴史的な産業政策の矛盾が集約していると判断し、地震が起った場合の大災害の可能性や、現在に 至るも続く「公害」問題を「環境再生」のチャンスととらえて、「住民が生き延びる地域社会」実現を目指す。そのための学習会を計画し、ひろく住民、研究者に呼びかける。
(5)ホームページの作成
「新しい川崎をつくる市民の会」としては、今年度、新たにホームページを作成し、各現場で地域活動を展開されている個人やグループの実践やメッセージを紹介するとともに、いくつかの研究課題を設定し、多くの研究者からの寄稿もお願いしたいと考えています。皆様の参加を心から歓迎いたします。
2010年1月1日
新しい川崎をつくる市民の会
代表 滝澤 貢
事務局長 崔 勝久
〒212-0023
川崎市川崎区小川町11-13
日本基督教団川崎教会付
電話:044-599-2829
Fax: 044-599-0609
Googlegroups:shimin@googlegroups.com
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