寄稿:「強制徴用」判決、東アジアの法治主義の勝利―崔鳳泰
毎日經濟新聞 2018年11月5日
去る10月30日。私たちの韓国最高裁判所は、日本強制動員被害者の損害賠償請求事件で、被害者の手を持ち上げてくれる勝訴の判決をした。常識の勝利である。人を引っ張って行って仕事をさせたら、賃金を与えた損害を賠償することは文明国の常識である。
まず、最高裁判決を聞いたときの印象である。私は判決を聞きながら、日本では勝訴の種をまいた良心的市民と弁護人にお祝いをするべきだと考えた。その方たちの努力が無駄ではなく、希望があり価値のあるものだった、正当なものであったというのが判明したのだ。このような日本人の努力がなければ、韓国で今回の判決は、することができなかっただろう。
また、2010年12月に両国の弁護士会が共同宣言を通じて明らかにした解決策は、私たち最高裁判所によって受け入れたので、日韓両国の法律家の勝利だと思っている。
今回の最高裁判決は、東アジアの日帝被害者たちに希望を抱かせたものであり、東アジアの法治主義を一段階高揚させたものである。なぜなら日帝被害者の問題が解決されていない根本的な原因は、日本政府と企業が日本司法府の判断を軽視するもので韓国の裁判所によってその態度を是正するきっかけとなったため、日韓間の法治主義が一段階昇格すると見ている。
日本軍慰安婦問題について、日本司法府は、いわゆる河野談話が出てきた後、3年以内に立法を通じて謝罪と賠償をしろと言い、強制動員被害者の問題についても、2007年4月最高裁判決により、被害者が請求訴訟を起こす権利は否定したが、彼らの請求権が実質的に生きていることを前提に、企業の自発的救済を求めたことがある。日本政府と企業が自国司法府の判断を尊重していたなら、韓国で今回の判決をする必要もなかっただろう。
今回の訴訟は、被害者四名が訴訟したもので、今は一人だけ生きておられ残念な気持ちもあるが一名だけでも生きておられる時に判決が出て幸いだ。遅れた正義は正義ではないという法諺にあるように、正義の判決が遅れたことは残念だが、それでも一人でも生きている間に恨みを溶かすことができ幸いだ。
もう一つ遺憾なことは、本件裁判の被告会社は、日本でも裁判の途中で韓国の被害者との和解をしたことがあるのに、被害国の法廷で和解を誘導できず、判決まで行ったことは問題だと思う。今でも被告会社は、日本で名誉ある形で被害者との和解をしたように、韓国でも、今回の最高裁判決に従い和解してほしい。
幸いなことに、2012年6月の株主総会でも韓国の裁判所の確定判決に従うと約束したことがあり、その約束を守っていただきたい。そうすれば、韓日間の平和企業第1号の選定がなされるだろう。それが株主の意思と利益に合致するものである。
問題は、日本外務省の不当な介入であるが、会社の利益は会社が自ら守らなければならない。不当な政治権力を排除する努力は世界的な企業になるための必須要件であり、善良な株主の利益を守る道でもある。
今回の判決で類似の訴訟が続くだろうという主張もあるが、これは望ましくない。なぜなら、日韓両国司法府の判断を尊重した解法が既に出ているので、不要な裁判を新たにする必要はなく、現在係争中の裁判も和解を通じて円満に解決されて訴訟が取り下げできるようにしなければならない。新しい訴訟を通じて長期間法廷闘争が続くのではなく、日韓両国の弁護士会の共同の努力で作られ、現在、国会に係留中の日帝強占下強制動員被害者の人権財団設立に関する法律案を通過させて一括救済の解決策を取らなければならないはずだ。
このような傷を癒す過程で韓日間の平和インフラを構築し、日韓企業は全世界に向けて共同発展の道を一緒に歩くことを祈る。
「崔鳳泰弁護士]
おっしゃる通りだと思います。田島力
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