2018年10月1日月曜日

平壌の空は青かったー「偉大なる祖国」の光と影、   その(3)

平壌の空は青かった ー(6) 信川の博物館を訪問して

父の故郷にある信川(シンチョン)は、朝鮮戦争にときに国連軍、韓国軍それに現地で解放後の国造りの過程で迫害を受けていたキリスト者が住民35,383名を虐殺したところで、そこに博物館があるということは聞いていました。朝鮮学校の修学旅行で共和国を訪問する際、必ずそこに行くということでしたので、ぜひ、私も訪問したいと思っていました。



新しく建て変えたという信川博物館は想像していたよりはるかに大きく、立派な建物でした。案内してくれた女性によると、毎年、全国民が1回は見学するそうです。正面の看板には、「信川の地の血の教訓を忘れるな」とあります。そして土台のところには虐殺された母親と子供をモチーフにした彫り物がありました。



博物館の横には実際にその母親と子どもたちが虐殺されたという場所に建物が建てられていました。このことは北朝鮮の人にとって何よりも忘れることのできない出来事であったということがよくわかります。その建物の看板には、「米帝殺人鬼たちを千百倍の復讐せよ」とありました。



博物館には実際にどのような虐殺があったのか、どのように米兵が住民を殺したのかということをリアルに知らしめる人形や写真が展示されていました。許可を得て写真を撮りましたので、その一部を公開します。


            (のこぎりで頭を切っている場面です)


    (ちょっとわかりにくいですが、住民の足を2頭の牛が引っ張り股裂きにしています)

         

                


                

                
                      (1950年10月20日とあります)

                

最後に博物館を出たところにある小さな小屋と洞窟を案内してくれた人は、ガソリンをかけられて火をつけて虐殺された中で、そのガソリンを被らず奇跡的に助かった人でした。写真はそのときの洞窟と御本人です。私と同じ年でした。

                

                

私の父の故郷はこの博物館から車で20分ほどのところにありました。私はこの博物館を見学し、今までそんなことを思ったこともなかったのですが、その殺された35,383名の中に私達の身内もいたんではないかと思いました。

案内してくれた女性は聡明な方で私は説明を受けながらもいろいろな質問をしました。まず、このように米帝の批判をしている環境の中で今回、トランプ大統領と金正恩委員長が首脳会談を持つことになったが、そのことをどのように受け止めているのか、実際の殺害者は米兵であるが、アメリカの一般市民とトランプのような政治家と同じように思っているのかということでした。

彼女は共和国が核兵器とロケットを開発し米国の首都を攻撃できるようになったので、トランプは白旗をあげてきて交渉することになった、我々の勝利である、一般のアメリカ人と指導者と一緒にすることはない、ということでした。この彼女の言葉と同じ言葉を平壌でも何度も聞きました。共和国の国民が、これまでの対立から朝米首脳会談をどのように見ているのか、伺い知ることができます。

朝米の国民同士は国交が樹立されされば、抵抗なく仲良くつきあうことになると思います。北京でも平壌でも、日本の円より圧倒的に米国ドルでの交換が喜ばれていました。次によいレートで使えるからでしょう。南北間の国民同士も言葉が同じの上で、同じ民族であるという意識が強く、南北間の交流が進めば思ったより速く大きな支障なく付き合うことができると思います。

それともう一点、質問しました。それは米帝に対する批判はあるが、日本に対してはどのように思っているのかということでした。彼女の意見は明確で、日本は植民地支配の清算をしておらず、私達に謝罪をしていない、また日本に住む総連の同胞に差別を続けており、許すことはできないということでした。日本は米帝の後ばかりついて行っており、独自の政策を出せない国だということも言及していました。

私は北朝鮮の訪問した体験を日本国内と韓国のソウルと大邸で報告することになっています。どのような反応が出てくるか、楽しみです。

0 件のコメント:

コメントを投稿