2018年4月12日木曜日

日本の拉致問題についてー11日の朝日新聞より

河野外相は訪韓にあたり、日米間が一致、協力して北朝鮮に対する最大限の圧力をかけ続けることと、拉致問題でも協調路線でいきたい旨を強調していましたが、本日の朝日新聞は、日本の拉致問題に対する米韓の微妙な違いを報道しています。
3面:「米朝会談「拉致」議題に トランプ政権 日本の要請受け入れへ」
5面:「韓国 拉致提起せず 日本と温度差」

即ち、アメリカは米朝首脳会談で日本の拉致問題を議題にするが、韓国は議題そのものがまだ決まってないというということで、拉致問題を議題にすることを確約しなかった(それは外交的な表現であり、実際には議題にしないということです)ようです。

アメリカは金正恩との首脳会談で北朝鮮の「人権問題」が国際的な評価からして北朝鮮に対する攻撃材料のひとつとみているので日本の拉致問題を利用できると踏んでいるだけで、米政府幹部が「日本は重要な同盟国なので、拉致問題に関し、トランプ氏は安倍首相の要請を受け入れるだろうが、協議での優先順位には差がある」と言っているように、実際、どこでどのように金委員長にこの問題を提起するのか、わからないということなのでしょう。

実際、アメリカ政府にとっては日本の拉致問題は国際的に北朝鮮へのイメージを
落とすのに利用したいだけで、実質的に拉致問題解決に効果があるとは思えません。

一方、韓国は、自分たちの国民が拉致された数は、政府が公式認定しただけでも486名に及び、実際はもっと多いと思われます。また北朝鮮の女性が中国から韓国に亡命した12名の件は韓国側は自主的な亡命と主張するのに対して、北側は「集団拉致」と言っているので真相は薮の中です。すなわち、韓国側が簡単には解決できない状況なので、ここで日本の拉致問題を南北の首脳会談で議題として提起することはありえないでしょう。

結論としては、安倍政権はそれほど重要な問題として国内外で広く訴えながら、本当に解決する気であればどうして自ら北朝鮮に飛び、拉致された人たちの解放を談判しないのかという大きな疑問が残ります。

これは人道問題なので、政局とは関わりなく、とにかく一日も早く拉致の被害者を日本に返してほしいというご家族の気持ちはよくわかります。ドイツはかつて強硬に北に拉致された自国民の解放を求め成功しました。おそらく日本政府もドイツと同じように、北に対して強硬に人道問題を前に出し解放を求めていたならば、可能であったと思います。しかし私はもう手遅れだと思います。日本は北朝鮮の核兵器の撤廃、破棄を検証できるまで最大限の圧力をかけ続けると主張しているのですから。この主張は外交ではありません。相手の完全な屈服を求めるものです。外交においては圧力と共に対話が並行しなければならないのです。そうでなければ、武力でリビアやイラクのときのように軍事力を行使するしかありません。しかし北朝鮮に対してそんなことができるはずはないのです。あまりに北朝鮮から報復されるリスクが高いからです。その報復を抑えるすべはありません。

私は拉致問題の解決は小泉元首相が北朝鮮で約束した、日朝平壌宣言(参照:参照:文韓国大統領との電話会での安倍発言、もう戻れません!
http://oklos-che.blogspot.jp/2018/03/blog-post_17.html)に戻るしかないと思います。安倍は厚顔無恥にも、文大統領に電話で、自分がその宣言を反故にしたにもかかわらず、宣言の実行をすると北に言ってくれと要請しました。韓国側は安倍の実態を知るがゆえに冷笑したことでしょう。ここは拉致の不条理に感情的な反発をせず、歴史的に、現実的に北朝鮮との関係をどうすべきかを考え、その過程で拉致問題の解決を図ることしかないと、私は思います。

日本の新聞は、日米韓で一致して北朝鮮への圧力を加え続けることで合意していると報道しますが、韓国もアメリカも北朝鮮との具体的な対話を計画し実行に移そうとしています。何も策がないのは日本だけです。私は北を悪者にして危険な国だと国民に宣伝し、それを日本の軍事力を強めるために利用する安倍の戦略ではないかと見ています。しかしここ数日の国会答弁を見ていても、彼は部下を信頼しても、国民を信頼していないということは一目同然です。いい加減、安倍を放逐してください、日本のみなさん。



 

3 件のコメント:

  1. 本当におっしゃるとおりです。だが、北朝鮮の問題が大きく変わろうとしている今、日本人の心のどこかに、この問題を日本なりに今までの主張を通してやり遂げられる首相は阿部しかいない。だから国内政策に問題はあるが激動の国際関係はどうにか彼にやってほしいと言った平和ぼけした、本質を知らない自分よがりのあまい思考回路が国民の心の中に潜在的に働いて、この政権を異常なまでに延命させているのが日本の今の政情の混乱か。阿部以外の人間が指導した方が日本の未来は明るくなる、とはっきり説く政治家が保守の中に現れないのが日本の悲劇。病膏肓に入り正常な判断ができなくなっている。最後まで自分の非は認めず相手を攻撃するのみの愚かな愚人をいつまで首相にしておくのか。今が分かれ目である。

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  2. 日本の憲法上で米国主導の「エサ絶ち」作戦に協力するしかないのでは?
    北朝鮮は過去、約束も契約も条約さえ破って来ました。
    その北朝鮮に「約束も契約も条約」(嘘吐き)を物理的に破らせない仕組みが必要です。
    正直、「何も策がないのは日本だけです」でなく現行法上打つ手が無いのでは?
    だから、今の「エサ絶ち」作戦をもっと推進する必要があるのでは?
    本腰を入れるなら日本国内に居る鮮人由来の在日の帰国事業を再開して、
    日本円が北朝鮮に流れない様にするべきです。
    在日が帰国すれば「エサ絶ちに貢献」「生ポ代が減る」「凶悪犯罪が減る」で
    一石三鳥の素晴らしいアイデアと思うのですが。
    日本が嫌いな在日さんには帰国してもらった方がお互いWIN-WINと思うのですが?

    私は国内から在日を排除する案を出しましたが、
    対案が在れば是非官邸HPにメールすればよいのでは?

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