2018年3月17日土曜日

文韓国大統領との電話会での安倍発言、もう戻れません!

今日の朝日新聞で、安倍首相と文大統領の電話内容が記されています。安倍は、「日朝平壌宣言に、基づき、核ミサイル、拉致問題を含め、全ての諸懸案を包括的に解決し、国交正常化を目指す考えに変わりはない」と伝えたようです。
しかしこの両国の宣言を反故にしてきた安倍が、よくもしゃあしゃあと、「日朝平壌宣言に基づき・・国交正常化を目指す考えに変わりはない」などと言えますね。本当に、厚顔無恥とはこのことです。

日朝平壌宣言の最重要部分は以下の点です。「不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現する」。安倍首相がこの点を認めた(認めざるをえなかった)ことは今後の日本の外交政策をにおいて全ての出発点になるでしょう。日本政府はもう戻れません。はたして野党連合は従軍慰安婦問題、被爆者問題に関してこの宣言の精神に則り、安倍政権と違う政策を出せるのか、注目したいと思います。同時にマスコミ及び日本国民がこの点をどう理解するのでしょうか。

私は、宣言にある「不幸な過去を精算し」ということが日本の植民地支配の清算を意味するのか、そしてそれは具体的にはどのようなことなのかの議論が必要だと思います。特に、安倍首相は未だ慰安婦問題の「合意」内容とその過程を明らかにしていません。文大統領が政府間の「合意」では慰安婦問題は解決せず、日本政府に慰安婦当事者に対して心からの謝罪を助言したことについても無視しています。同時に、韓国人被爆者へのに対して日本政府が約束を破り、和解を拒否しましたことをどうするのでしょうか(毎日新聞2017年11月25日、https://mainichi.jp/articles/20171125/k00/00m/040/172000c)。

麻生副総理と安倍首相の辞任は当然です。ここで現政権を倒せないと、いつ、日本国民は安倍を辞任に追い込むのでしょう。朝日新聞元記者の前川惠司氏は韓国の市民キャンドル革命を取材し、40年前の日本と同じだと書いています(元朝日記者「韓国デモ参加者も民主主義を理解していない」。植民地史観の典型です。http://news.livedoor.com/article/detail/12392235/ 

韓国の市民キャンドル革命が文在寅を安倍と「合意」した朴槿恵を放逐して
大統領に選んだのです。その「合意」を守らなかったと安倍が批判し、マスコミ
も日本国民も文大統領をそれに同調したのかずいぶん厳しい批判をしていました。
どうぞ、日本の皆さん、安倍政権を打倒するのに全力を尽くして下さい。




日朝平壌宣言とは、2002年9月17日、日帰りで北朝鮮を初訪問した日本の小泉純一郎首相と、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長(党総書記)との間で行われた日朝首脳会談後に署名された共同宣言のことです。日本側が過去の植民地支配に対し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明、過去の清算では互いに請求権を放棄し、代わりに、国交正常化後の無償資金を始めとする幅広い経済協力を実施する旨を約束しています。この方式は、基本的には1965年の日韓の国交正常化を踏襲しているとされているのですが、今後の日朝関係を議論するのに重要なものであるので、ここに外務省のHPに掲載されたものを改めて掲載します。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_koi/n_korea_02/sengen.html

              日朝平壌宣言
                        平成14年9月17日


 小泉純一郎日本国総理大臣と金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、2002年9月17日、平壌で出会い会談を行った。
 両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。

1.双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。
 双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した。

2.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。
 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。
 双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。
 双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。

3.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。

4.双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。
 双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。
 双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。
 朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した。

 双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした。

日本国
総理大臣
小泉 純一郎
 朝鮮民主主義人民共和国
国防委員会 委員長
金 正日
2002年9月17日
平壌

Japan-DPRK Pyongyang Declaration

Japanese Prime Minister Junichiro Koizumi and Chairman Kim Jong-Il of the DPRK National Defense Commission met and had talks in Pyongyang on September 17, 2002.
Both leaders confirmed the shared recognition that establishing a fruitful political, economic and cultural relationship between Japan and the DPRK through the settlement of unfortunate past between them and the outstanding issues of concern would be consistent with the fundamental interests of both sides, and would greatly contribute to the peace and stability of the region.

1. Both sides determined that, pursuant to the spirit and basic principles laid out in this Declaration, they would make every possible effort for an early normalization of the relations, and decided that they would resume the Japan DPRK normalization talks in October 2002.
Both sides expressed their strong determination that they would sincerely tackle outstanding problems between Japan and the DPRK based upon their mutual trust in the course of achieving the normalization.

2. The Japanese side regards, in a spirit of humility, the facts of history that Japan caused tremendous damage and suffering to the people of Korea through its colonial rule in the past, and expressed deep remorse and heartfelt apology.
Both sides shared the recognition that, providing economic co-operation after the normalization by the Japanese side to the DPRK side, including grant aids, long-term loans with low interest rates and such assistances as humanitarian assistance through international organizations, over a period of time deemed appropriate by both sides, and providing other loans and credits by such financial institutions as the Japan Bank for International Co-operation with a view to supporting private economic activities, would be consistent with the spirit of this Declaration, and decided that they would sincerely discuss the specific scales and contents of the economic co-operation in the normalization talks.

Both sides, pursuant to the basic principle that when the bilateral relationship is normalized both Japan and the DPRK would mutually waive all their property and claims and those of their nationals that had arisen from causes which occurred before August 15, 1945, decided that they would discuss this issue of property and claims concretely in the normalization talks.
Both sides decided that they would sincerely discuss the issue of the status of Korean residents in Japan and the issue of cultural property.

3. Both sides confirmed that they would comply with international law and would not commit conducts threatening the security of the other side. With respect to the outstanding issues of concern related to the lives and security of Japanese nationals, the DPRK side confirmed that it would take appropriate measures so that these regrettable incidents, that took place under the abnormal bilateral relationship, would never happen in the future.

4. Both sides confirmed that they would co-operate with each other in order to maintain and strengthen the peace and stability of North East Asia.
Both sides confirmed the importance of establishing co-operative relationships based upon mutual trust among countries concerned in this region, and shared the recognition that it is important to have a framework in place in order for these regional countries to promote confidence-building, as the relationships among these countries are normalized.
Both sides confirmed that, for an overall resolution of the nuclear issues on the Korean Peninsula, they would comply with all related international agreements. Both sides also confirmed the necessity of resolving security problems including nuclear and missile issues by promoting dialogues among countries concerned.
The DPRK side expressed its intention that, pursuant to the spirit of this Declaration, it would further maintain the moratorium on missile launching in and after 2003.

Both sides decided that they would discuss issues relating to security.
Prime Minister of Japan
Junichiro Koizumi
Chairman of the DPRK National Defense Commission
Kim Jong-Il
September 17, 2002
Pyongyang

日朝合意文書の全文


双方は日朝平壌宣言にのっとって、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現するために真摯に協議を行った。
 日本側は北朝鮮側に対し、1945年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨及び墓地、残留日本人、いわゆる日本人配偶者、拉致被害者及び行方不明者を含む全ての日本人に関する調査を要請した。
 北朝鮮側は、過去北朝鮮側が拉致問題に関して傾けてきた努力を日本側が認めたことを評価し、従来の立場はあるものの、全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施し、最終的に日本人に関する全ての問題を解決する意思を表明した。
 日本側は、これに応じ、最終的に現在日本が独自に取っている北朝鮮に対する措置(国連安保理決議に関連して取っている措置は含まれない)を解除する意思を表明した。
 双方が取る行動措置は次のとおりである。双方は、速やかに、以下のうち具体的な措置を実行に移すこととし、そのために緊密に協議していくこととなった。
■日本側
 第一に、北朝鮮側と共に、日朝平壌宣言にのっとって、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現する意思を改めて明らかにし、日朝間の信頼を醸成し関係改善を目指すため、誠実に臨むこととした。
 第二に、北朝鮮側が包括的調査のために特別委員会を立ち上げ、調査を開始する時点で、人的往来の規制措置、送金報告及び携帯輸出届出の金額に関して北朝鮮に対して講じている特別な規制措置、及び人道目的の北朝鮮籍の船舶の日本への入港禁止措置を解除することとした。
 第三に、日本人の遺骨問題については、北朝鮮側が遺族の墓参の実現に協力してきたことを高く評価し、北朝鮮内に残置されている日本人の遺骨及び墓地の処理、また墓参について、北朝鮮側と引き続き協議し、必要な措置を講じることとした。
 第四に、北朝鮮側が提起した過去の行方不明者の問題について、引き続き調査を実施し、北朝鮮側と協議しながら、適切な措置を取ることとした。
 第五に、在日朝鮮人の地位に関する問題については、日朝平壌宣言にのっとって、誠実に協議することとした。
 第六に、包括的かつ全面的な調査の過程において提起される問題を確認するため、北朝鮮側の提起に対して、日本側関係者との面談や関連資料の共有等について、適切な措置を取ることとした。
 第七に、人道的見地から、適切な時期に北朝鮮に対する人道支援を実施することを検討することとした。
■北朝鮮側
 第一に、1945年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨及び墓地、残留日本人、いわゆる日本人配偶者、拉致被害者及び行方不明者を含む全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施することとした。
 第二に、調査は一部の調査のみを優先するのではなく、全ての分野について、同時並行的に行うこととした。
 第三に、全ての対象に対する調査を具体的かつ真摯に進めるために、特別権限(全ての機関を対象とした調査を行うことのできる権限)が付与された特別調査委員会を立ち上げることとした。
 第四に、日本人の遺骨及び墓地、残留日本人並びにいわゆる日本人配偶者を始め、日本人に関する調査及び確認の状況を日本側に随時通報し、その過程で発見された遺骨の処理と生存者の帰国を含む去就の問題について日本側と適切に協議することとした。
 第五に、拉致問題については、拉致被害者及び行方不明者に対する調査の状況を日本側に随時通報し、調査の過程において日本人の生存者が発見される場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、措置を講じることとした。
 第六に、調査の進捗に合わせ、日本側の提起に対し、それを確認できるよう、日本側関係者による北朝鮮滞在、関係者との面談、関係場所の訪問を実現させ、関連資料を日本側と共有し、適切な措置を取ることとした。
 第七に、調査は迅速に進め、その他、調査過程で提起される問題は様々な形式と方法によって引き続き協議し、適切な措置を講じることとした。


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