2017年9月17日日曜日

北朝鮮に関するFB上での議論を公開しますーパート2

北朝鮮に対する以下のやりとり、皆さんはどのように考えられますか。メール及びFBでのやりとりを編集し以下に挙げます。個人的に中傷するものではなく、現在の北朝鮮に対する正直な気持ちが表れており、それに対する私の意見を述べています(青字)。大変おもしろい議論になりましたので、皆さんに公開します。

その後、議論された内容は緑色にして付け加えました。日本の植民地支配の清算がなされていないことの問題、北朝鮮の(独裁)体制を戦前の日本と同一化することの問題点が議論されました(緑色)。

姜尚中氏は、昨日の記者会見で安倍首相とは異なり、北朝鮮との対話の必要性を説いていますが、私が以下に展開しているように北朝鮮との問題は、植民地支配の解決がなされていないことにより生じた問題という視点が欠けています。

その点、昨日の講演会で纐纈厚(こうけつ・あつし)が「2017日朝ピョンヤン宣言15周年 朝鮮半島と東アジアの平和を求める9・16集会」で話された内容は的確でした(「南北朝鮮の和解と統一を阻むもの」)。氏の講演は、現在北朝鮮の核・ミサイル実験で北の脅威がさかんにいわれているが、アメリカの世界的な核兵器の整備実態と北朝鮮への軍事演習こそが戦争であり北ならず全世界への脅威であるとされるべきというものでした。

氏の主張は、朝鮮の南北の分断・緊張は北朝鮮の脅迫的な行為によるものではなく、本質的には、日本の植民地主義の清算ができていないことに起因するというものでした。この主張は在日に対するヘイトスピーチ、差別を制度化した「川崎方式」にも繋がります。ネット配信されればよかったですね。歴史と現実を踏まえた論理的でよい講演でした。

また、今朝の朝日新聞一面で、蓮池薫さんが拉致問題とのからみで北朝鮮との対話の必要性を論じています。まともな主張です。

Mより:崔さんへ米朝平和条約、南北平和条約、日朝平和条約は、時代の流れかもしれません。しかし私はチェさん達と同じようには北朝鮮に対する好意を共有できないでいます。
原因は
キム・ジョンナム(キム・ジョンウンの義兄)の暗殺
キム・ソンケン(キム・ジョンウンのおじ)を死刑にしたこと
強制収用所の存在およびそこでの拷問
思想の自由がないこと
非民主制
日本人拉致被害者の存在です。
崔:Mさんへ
大阪に来ています。Mさんに誤解があります。私もまた、金正恩政権に好意をもっているわけではありません。
国家は為政者のものではありません。
植民地支配をして来た日本国はそしてそれを支えてきた日本国民は、その植民地支配を謝罪し、償いとして適切な賠償金を支払う義務が あるのです。多くの日本人は残念ながらその点を理解できないでいます。朝鮮民主主義人民共和国をどのような国にするのかは、100%朝鮮人自身の問題です。
今の北朝鮮はまさに、戦前の日本ではないですか。今の日本はその過去の忌まわしい歴史の流れにあり、その落とし前は、現在の日本政府そしてそれを選んだ日本人国民にあるのです。好き嫌いの問題ではありません。日朝の国交樹立、日本政府の賠償金の支払いは日本国政府、国民が担わなければならない責務です。
Y氏:個人的な好悪と公的な政策選択と混乱させてる?
S氏:国のトップが変わる度に金払って謝罪してきたよーな気がするけど
Y氏:ドイツは、戦後、毎年度ですけれどね。
S氏:ドイツお金持ちなんすね。半世紀以上前の出来事忘れてはいけないと思いますけどいつまでゆーねんって感じすね。
崔: それは謝罪してないということですね。
S氏:謝罪はトップが変わる度に何回もしてますよね?
崔:あれって謝罪ですか。相手の心に響かない、金を出せばいいだろうという顔つきで語られる言葉も謝罪とあなたは思っていらっしゃるようです。
Y氏:「半世紀以上前の出来事忘れてはいけないと思いますけど、、、いつまでゆーねんって」文章・文意が続いてませんね。
I氏:民主党政権の菅談話でも駄目だったんだから、もうこれ以上なにやっても心に響くことはありえないでしょう。
崔:そんなことはないでしょう。
I氏: 菅談話が心に響かなかった、「あれって謝罪ですか?」と言われてしまう点ってどのあたりだったですか?
崔:国家の犯した植民地支配に対する謝罪とは、歴代政府だけでなく、それを支えた国民がどのような歴史認識をもつのか、どのようなことをしてきたかという事実を踏まえて、今後決して同じ過ちを犯さないと決意し、その後の行為でそのことを示すしかないでしょうね。そもそも戦後の日本国民が選んだ日本政府は、植民地支配で何をしてきたのか、それの何が問題であったかわかっていたのでしょうか?
K氏: Sさんは北朝鮮と韓国を混同しているのではないですか? 北朝鮮に賠償金なんて払ってないはずですが・・・・
S氏: 韓国の話してますけど
S氏:それらを行った人々は殆ど亡くなられてやられた人々も亡くなられていく中、誰が誰に謝ればいいのですか?
R氏:隣から失礼します。Sさん、あなたのおっしゃる様な言葉をよく聞きます。私は個人的な意見ですが、謝罪などもう良いと思います。なぜかと言いますと、謝罪がある度にそれを覆す様なコメントや行動が地位のある人が行うのです。(近くは関東大震災時の朝鮮人慰霊祭に対する小池都知事の対応等)その都度、騙されたと思うのは当然の事だと思います。
ですから、言葉だけの謝罪などいらないと思うのです。これは私個人ではなく韓国、朝鮮また心ある日本の皆さんにも共有してる事だと思います。横から失礼しました。
S氏:そーですね。僕個人の意見としては日本人は全員玉砕すべきだったと思います。...もっと見る
K氏: 「お国の為に」亡くなったのか「お国のせいで」亡くなったのか。 主権者としては、今後、お国の為に亡くなる人にもお国のせいで亡くなる人にも、責任がありますね。
H氏:異議ナシ、同感です。
K氏:崔さんの返信に賛成です。
崔:Sさん、バカなこと言わないでください。あなたのご両親も玉砕すべきだったのですか?植民地支配をして海外の人に多大な迷惑をかけたのは、戦前の日本政府とそれを支えた日本国民ですが、「今の腐った日本」を作ったのは戦後の日本政府であり、それをえらんだ、そう、あなたを含んだ日本国民です。植民地主義は支配する国民を腐敗させ、そして支配される人たちを苦しめるのです。その植民地主義を根底から無くしていくことができないでいるのが、戦後日本です。
H氏:チェさん、仰る趣旨は私も理解できます。しかし、「日本列島4島を核爆弾で海に沈めなければならない」と報道官声明を出す地域(私はアレを国と認めません)ですので、現在は過去の植民地支配のことはともかく、謝罪と賠償のことを言うのは無意味でかつ逆効果だと思うのですが。
崔:Hさんは、私のFBで紹介している金民雄教授の論文を読まれましたか。文在寅氏の側近の一人で彼を支えて来た教授が何故、公開で文政権を批判し、何を要請しているのか、そこに韓半島、アジアの平和を求める原則を記しています。
(ムン・ジェイン政府の対北政策の軌道修正を要請するー金民雄教授

http://oklos-che.blogspot.jp/2017/09/blog-post_12.html )
I氏:賠償してもいいと思いますけど、どうせまた特権階級の贅沢品購入や核兵器・ICBM開発に使用されて北朝鮮国民には回らないんじゃないでしょうか。過去の太陽政策で援助したお金がどう使われたかという前例を見ますと。崔さんおっしゃるように今の北朝鮮は過去の日本のようだと。それは日本に大きな責任があるのだから、責務としての償い、落とし前としては現政権を倒す方向に持っていくことで、金正恩政権に対し援助し延命させることではないでしょう。現政権打倒後、民主的な新政権に賠償してこそ、意味があるのでは?
崔:それは彼等が自己責任できめること、日本人が決めることではないでしょう。
I氏:彼らって?賠償金の受取手は金正恩政権ですよね?今は。金正恩たちの自己責任で決めさせたら賠償金はもれなく核爆弾に変わるだけでは?
I氏:彼らって?賠償金の受取手は金正恩政権ですよね?今は。金正恩たちの自己責任で決めさせたら賠償金はもれなく核爆弾か高級ワインに変わるだけでは?
Y氏: 床屋政談で、しかも内政干渉。不毛ですね、皆さん。
崔:彼等とは誰か、それは北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の国民、市民のことです。歴史の主体は彼等です。翻って、植民地支配によって富国強兵をはかってきた天皇制の日本は、それを支えてきた日本国民 、市民は、その植民地支配をしたしてきたことに対する謝罪と賠償の責務があることを自覚しているのかと私は聞いているのです。その責務は同時に、自分たちは二度と戦争をしない、隣国と平和共存をする社会、国家を運営しているのかという問いに繋がります
I氏:彼ら(北朝鮮国民市民)に賠償金がちゃんと届くなら、やるべきでしょうけど、全く届かないというのが現実ですよね。だから無意味でしょうと言ってるのです。まさか届くと思ってるんですか?
崔:それは国民が決めることです。It is not your business.
I氏: 北朝鮮が、国民が決められる国だったらみんな苦労してませんよ。民主国家じゃないんですよ?軍国主義専制独裁国家で、国民に決める権利は一切ない。ご存知なのになぜしらばっくれるんですか?
崔:北朝鮮が一番似ているのは戦前の日本です。いくら戦前の日本が酷い国で、それを戦後も払拭できないでいても、それは日本の歴史の一コマで、北朝鮮も同じことです。国民、市民がいろんな屈折を経て歩むのです。日本も今もそうでしょう、形式的な民主主義国家が内実をもつようになるにはいつになるにでしょうか。
X氏:そんなに簡単に同一化できるものでしょうか。大日本帝国に対しては侵略されたアジア諸国の人々がその体制の打倒を目指し、現在朝鮮が経済制裁を受けていることや、朝鮮の体制が認められないことが植民地支配責任を謝罪されない口実とされている中で、崔さんが安易に同一化しているように思えてなりません。
崔: なるほど、そうかもしれません。しかし私には 国内の統治手段、方法に問題があるという思いが残ります。もちろん、それをどうするのかは朝鮮人人民、民衆が決めることです。
X氏:朝鮮の体制に問題があることは同意します。しかし、朝鮮の体制を大日本帝国と同一化する日本での論調は、朝鮮の体制をどれほど分析した上で出されたものなのか不明です。朝鮮の主体思想をマルクス主義の延長線上にあると評価される研究者もおられます。日本社会で支配的な朝鮮の体制に対する評価は、差別的な視点も加わった俗論ではないかと感じることが少なくありません。

崔:その意見には同意します。内部批判は一切許さない、そのような統治はいずれ、民衆の、歴史の審判を受けるでしょう。私の言いたいことはそれだけです。
I氏:戦前の日本にお金を上げたいなら、したらいいと思いますね。ナチス・ドイツにお金をあげたいならあげればいいかと思いますね。北朝鮮はそれと同じなんですから。
崔:あげたいのではなく、日本は植民地支配をした国として謝罪と賠償金を出さなければいけないのだということは肝に銘じてくださいね。だれもいますぐだせということをいっているのではありません。いずれにしてもその交渉がいつからかはじまります。
I氏:金正恩政権打倒後に始まるのは、いいと思います。
崔:安倍政権イコールあなたを含めた日本国民ですか?北朝鮮も同じです。賠償金もあげればいいのではないのです。謝罪と将来に向けての、戦争をしないという心が重要です。
Y氏:「謝罪と将来に向けての、戦争をしないという心」を形にするのが、平和条約でしょ?
崔:日本人の戦争をしたくないという気持ちは安倍政権によって逆用されています。国民の恐怖心を拉致問題などと絡ませ(今日の朝日新聞一面で蓮池氏が言っているように北朝鮮との対話を促進させなければならないでしょう。小泉が北朝鮮で約束した国交樹立の話し合いも並行すべきでしょう。

3 件のコメント:

  1. 議論を拝見して思うのは外交・政治と個人の思いとの混同です。日本に敗戦国として賠償義務があることは当然ですが、何時どのような形で成されるかは外交交渉で行われるものです。当然両国の国益をすり合わせて実施されます。外交では正式に謝罪を表明すればそれで謝罪をしたことになります。相手の国民の心に届くかどうかは関係ありません。国家間のルールです。もう一つ「日本の植民地支配の清算」の具体的内容が全く語られていません。これでは議論ができません。ちなみに応手諸国は植民地支配について謝罪も賠償もしていないと思うのですがどうお考えですか。特にイスラエル建国に関する二枚舌外交は汚点と思います。

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  2. ★外交交渉は民意を反映します。特に日韓会談の時の政治家の失言は、日本が植民地支配をしたことを忘れ去っているかのような日本国民の総体を反映していますね。

    ★植民地支配の清算は、何度か触れていますが、1つは北朝鮮に対する国交樹立に向けて植民地支配したことの謝罪と賠償金支払い、在日の「当然の法理」などをはじめとした差別の撤廃です。その他、纐纈教授の指摘する南北の分断・緊張を助長させず、アジアの平和共存にむけた宣言と政策の実行です。

    ★パレスチナに関しては完全にイスラエルの植民地支配でアメリカがそれを支えています。
    (参考までに:http://oklos-che.blogspot.jp/2017/05/bds.html)Horst Kleinshmidst in South AfricaーHorst Kleinshmidst in South Africa )

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  3. 私は観念的な議論は好みません。戦後日本社会の右傾化、軍事化、安倍の登場は植民地支配を清算せず、朝鮮戦争を機に具体化されてきました。今後の日本の方向を予測しました。

    総選挙が実施される見通しになってきたー在日の立場からの辛口見解(予想)ーーそうならないことを願います
    1)森本・加計学園問題は曖昧な形で終わる
    2)安倍の支持率は上昇する→自民の単独支配の継続
    3)北朝鮮の脅威がでっち上げられ、総選挙は自民の勝利
    4)憲法改正は、公明の反対を押し切り、自民が小池の「国民ファースト」と組み実行する
    5)沖縄の基地問題は日本全体の問題にならないまま既定方針通り進む
    6)原発の再稼働は新潟を含め、さらに進められる→輸出展開
    7)東アジアの平和共存ではなく、日本はさらなる緊張を生む方針で進む→アメリカの核の傘の下、癒着の強化
    8)野党連合は実現せず、民進党、共産党も単独で政権をとれない
    9)日本の為政者のみならず、市民運動は過去の植民地支配の清算に思い及ばず、戦後日本の植民地主義(原発体制)を進めることに加担することになる
    10)北朝鮮バッシングは進み、日本の敗戦で国際的に決められた植民地支配の謝罪と賠償金、国交樹立は話題にさえならない→拉致問題の進展はない

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