2016年9月29日木曜日

原発メーカー訴訟の当事者は弁護士ではなく、控訴人〈原告)であるという原則

原発メーカー訴訟の当事者は弁護士ではなく、控訴人〈原告)であるという原則が踏みにじられようとしています。一昨日ブログで発表した内容です。

原発メーカー訴訟弁護団・世話人会に反論するー偽りの情宣と組織の分断工作は止めよ

http://oklos-che.blogspot.jp/2016/09/blog-post_27.html

弁護団は控訴に際して、第一次訴訟委任状を使い、これまでの原告がそのまま全員(本人訴訟団を別にして)控訴人になったということが明らかになりました。これまでは弁護団は、新たな訴訟委任状をださないと控訴人には加わることはできないので、控訴人になって訴訟を続ける意思として新たな訴訟委任状の提出を求めていました。それはそれで一理あります。控訴人(原告)の数は少なくなっても、本人の意思を確認したという名目がたつからです。ただし、4000人の原告に直接、その意思を確認する作業を本当に実施することが前提です。

しかし最初に原発メーカー訴訟を起こすこと(=原告になること)を決断し、そのための代理人を選定して東京地裁に訴訟委任状を地裁に提出して訴訟ははじまったのですが、そこには高裁、最高裁まで行ってもその法的手続きは代理人に委任すると明記されてました。だから、今回、改めて訴訟委任状をだすことなく、最初のもので弁護団は控訴手続きをしたのです。

そうすると、弁護団は控訴審の進め方について当事者である控訴人の意見を聞かなければいけません。その控訴人(原告)の意向を聞くことなく、法廷闘争の方針がすべて弁護団の思いで進められていることに、私は強い違和感をもちます。本人訴訟団は、原発メーカー訴訟の当事者は原告であるという本質的な問題を提起したのであり、島弁護士の提訴は、その原則を違法に踏み外したことの問題点を明らかにする「けじめ」であったということです。

8月1日、本日、原発メーカ―訴訟の島弁護団長を提訴しました!

世話人会は、総会を開き、控訴人(原告)から新たに控訴審委任状を取り付け、「今後もこの訴訟を闘い抜く意思を明らかにした」控訴人(原告)だけが『原告団』のメンバーになるというのが、世話人の主張です。しかしこの主張には根本的な問題があります。

①弁護団がこれまでの方針どおり、新たな訴訟委任状を提出した原告だけが控訴人になるという方針であれば、それはそれで筋が通ります。そうすると、控訴人の数は圧倒的に少なくなります。間違いなく海外の原告はほとんどが参加せず、原発メーカー訴訟は国際的な闘いであるという大原則が崩れたでしょう。そうなった場合、「訴訟の会」としては海外の原告をこれまで会員として扱うことができるのか、大きな問題に直面するところでした。「訴訟の会」は実質、崩壊で、弁護団・世話人会は「訴訟の会」の乗っ取りの代わりに、その崩壊に成功したということになったかもしれません。

しかしどうして弁護団が新たな訴訟委任状の提出を求めるという方針を変更して、第一次の訴訟委任状をそのまま使うことになったのかわかりませんが(おそらく、弁護団の中の良識派の意見が通ったのでしょう)、これで控訴人〈原告)の3767名はそのまま「訴訟の会」のメンバーとして残ることになります。意図的に「訴訟の会」の役目は終わったので会は解散すべきと主張して会費は払わないと宣言している人(=世話人会)はこれではれて、「訴訟の会」のメンバーではなくなります。

③控訴人として登録された3767名の意思こそ、原発メーカー訴訟の当事者として尊重されるべきで、当事者抜きに裁判の方針を弁護団の思いで決めるべきものではありません。ましてや、弁護団を盲信する世話人会が、「原告団」を名乗り(せめて「原告団有志」とすべきでしょう)、そこに参加しなかった控訴人の意思を無視することはあってはならないことです。

④「訴訟の会」はメーカーの責任を問う裁判の当事者である控訴人(原告)及び、サポーターから成り立っています。ですから「訴訟の会」は弁護団と本人訴訟団の両方を支持、支援することを総会で決定し、予算化しています。「訴訟の会」との対話を拒否しそのお金を受け取ろうとしないのは弁護団・世話人会です。
「訴訟の会」は原発メーカーの責任を法廷内外の運動で問い、原発の製造と運用、輸出を止めさせることをそもそもの目標にしています。裁判のための裁判を目的にしていません。その趣旨をすべての控訴人に伝え、控訴審で原発の製造及び輸出が違憲であるという法廷闘争を続けながら、同時に法廷外のアクションにも理解、協力を求めていきます。

⑤結論:いずれにしても原発メーカー訴訟を弁護団と弁護団を支持する一部控訴人(原告)だけで進めるということはありえません。控訴人の意思を汲み取るべきでしょう。3767の過半数は外国人です。その事実と意義を最大限生かすことに弁護団は全力をつくすべきですし、「訴訟の会」はそのための協力を惜しみません。

弁護団・世話人会の「訴訟の会」乗っ取りは失敗に終わりました!
「訴訟の会」は法廷内外の反原発運動を展開していきます。

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