2013年6月1日土曜日

市民の国際連帯運動によって原発・核兵器のない社会をめざしませんか

市民の国際連帯運動によって原発・核兵器のない社会をめざしませんか
 『市民活動のひろば』第111号(201361日号


崔 勝久(チェ・スング)
NNAA-J事務局長、原発体制を問うキリスト者ネットワーク(CNFE)共同代表)

いまだ福島事故の原因もあきらかにされず、その上、原発地域の住民の安全な避難の計画もないまま、安倍政権になり原発の再稼働が言及されはじめています。3・11以降、福島の事故を起こした原発メーカーは自分たちの社会的責任に一切触れることなく、世界中に原発の輸出を進めようとしています。みなさんは福島事故を起こした原発を作った会社はどこかご存知ですか。彼らの社会的・道義的責任を問うために私たちNo Nukes Asia Actions(NNAA)は、11月11日に福島原発事故を起こした原発メーカーを提訴します。

アメリカは核による世界支配を貫徹するために「原子力の平和利用」を掲げ、日本に原発を売り込んだのですが、その際に、原子力メーカーの責任を不問にするという法律を日本に作らせました。原子力損害賠償法(原賠法)です。PL(製造物責任)法を適応せず、原発メーカーの責任を免責しました。

私はこの事実を知ったとき、江戸末期の黒船を思い出しました。西洋列強による開国の脅しに屈した日本は、数十年後、まったく同じ方法で韓国、台湾に開国を迫り植民地支配をしました。原発大国になった日本は、今度は海外への原発輸出を謀るのですが、そのとき自分達がアメリカから強いられた方法と全く同じように、輸出国に原発メーカーの免責を立法化させます。

 メーカーの免責の保障を受けながら、3・11以降も日本政府の後押しで、原発メーカーとして今や世界のトップ企業になった御三家の日立、東芝、三菱重工は世界中に原発を売り込もうとしています。日立は国民投票で反対されたにも拘らずリトアニアに、三菱重工は地震国トルコへ、東芝はサンタとムーミンの地フィンランドへ、その他ヨルダン、ヴェトナムも決定済みです。そう言えば、日立は英国の原発メーカーを買収し、最大3基原発を建設する予定です。
 今年の5月になって安倍首相はトルコ、UAE(アラブ首長国連邦)を訪れ、原発建設の契約を締結しました。日本での増設や再稼働が難しいとされているなか、「海外市場への輸出を活性化し、成長産業の柱としたい」という考えだそうです。

それに台湾の首都台北の30キロ圏内にGEを頭に日立、東芝、三菱重工が建設した4基の第四号原発があるのですが、住民の反対で完成したものの運転はできない状態が続いています。まもなくその建設の是非をめぐって国民投票が行われます。私たちは台湾の新聞一面に意見広告をだし、連帯の意思を明確にしたいと計画しています。

東芝はスリーマイル事故以来40年近く原発建設がなかったアメリカで2基の建設をすることになり、また、子会社のウエスチング・ハウス社と組んで中国で10基の原発を建設しています。さらにマイクロソフトのオーナーであるビル・ゲイツは東芝に私財数千億円を投資し、小型で安全、廉価を旗印にした新型の原発を共同開発し、中国と大型契約をしようとしています。今後増大する中国での原発製造はすべて東芝が引き受けることになるでしょう。

このような状況の中で私たちはNo Nukes Asia Actions(NNAA)を昨年11月11日に立ち上げました。現在、日本の他、韓国、台湾、モンゴル、アメリカの市民が参加しています。日本の運動が再稼働反対に留まらず、原発輸出反対、使用済み核燃料のモンゴルへの持込み反対を掲げることは、一国平和主義に陥りがちなこれまでの日本の運動の歴史から抜けだし、市民による国際連帯の運動を展開する第一歩になると考えます。海外において反原発の運動を進める市民との国際連帯なくして反原発の運動が勝利することはありません。

一昨年、私はモンゴルを訪れ日米モンゴル3ヶ国がモンゴルのウラン開発から使用済み核燃料の持込み・埋立を一括した構想を知りその実態を見て来ました。先月の4月下旬には台湾を訪れ、彼らの運動との共通課題を話し合いました。6月後半には韓国の全原発立地地域を巡るツアーを行い日本から20名の人が参加します。現地の住民と話し合い、お互いの抱える問題を率直に話し合うことになるでしょう。

11月11日には、福島原発を起こした原発メーカーのGE,日立、東芝を相手に裁判を起こし彼らの社会的、道義的責任を問います。原告は世界中から募る方式を採用します。テレビなどで被害の現場を見て精神的ショックを受けた人は全世界どこの国の人であっても原告になれるような裁判にしようと考えています。
この原稿をお読みなったみなさん、原告あるいはサポーターとして原発・核のない社会をめざし原発メーカーの責任を問う運動を世界の人たちと一緒にやりませんか。

(崔 勝久 CHOI Seungkoo 連絡先)
che.kawasaki@gmail.com 携帯: 090-4067-9352

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