2013年2月14日木曜日

「朝鮮学校と北朝鮮とは別」ではなかったのか、神奈川県知事の見識を疑う。県議会・県民の良識は?



朝日新聞の報道です。「朝鮮学校への県補助金」「知事「予算計上しない」」「北朝鮮核実験「理解得られぬ」」(2月14日)という見出しで、神奈川県黒岩知事は、北朝鮮の核実験を理由に挙げ、「これ以上の補助金支出は県民の理解を得られない」として朝鮮学校へ年間、6300万円の補助金の新年度予算に計上しないことを決定をしたそうです。

しかし知事はこれまで、「朝鮮学校と北朝鮮とは別」と主張し、学校の視察を行い、学校側が横田めぐみさんを題材にした映画を見せるなど授業でも取り上げていることを確認したうえで補助金を出すことを継続すると決定したのではなかったのですか。

県議会は知事の予算案に対してどのような反応をするのでしょうか。川崎市民を含めた神奈川県民がどのような意見を政党、議会に反映させようとするのでしょうか?ここで民意のレベルが可視化されるでしょう。

まず、知事が前言を翻して、朝鮮学校と北朝鮮とを同一化し、神奈川県民である朝鮮学校に通う外国人の子弟の教育権を迫害するようなことを県民の総意とした根拠は何でしょうか。横浜チャイナ・タウンと、川崎のコリアン・タウンを持ち、「多文化共生」を看板にしてきた県が、朝鮮学校への補助金を続けることが「県民の理解を得られぬ」と判断したとは、お粗末極まります。県民の、県議会の良識的な行動をここは見てみたいものです。

高校生の無償化の対象から朝鮮学校生徒を排除した政府の決定も、明らかな差別です。政治的な報復を外国人子弟に対して行うことは教育を受ける権利を剥奪しており、憲法違反です。外国人もまた、人として、憲法が保障する基本的人権の対象であることをまったく理解していないようです。

まあ、自民党の憲法「改悪」案では、基本的人権は権利ではなく、保障の対象としているので、気にいらなければ守ってあげませんよというのですから、まさに外国人への権利はく奪行為は、これからの日本の先駆けというべきものでしょう。そのつけは日本人にすぐ来るでしょう。

東京のど真ん中での、殺人を明記した差別言辞の横行とそれを認める警察の行為も許しがたいものです。それは外国人の問題でなく、そのような社会を許していること自体が日本社会の問題だということにはやく多くの人に気づいてもらいたいものです。
日本の首都東京のど真ん中での信じられない光景に驚きます(コメントもお読みください)
http://www.oklos-che.com/2013/02/httpwww.html

私たちは「脱原発かわさき市民」の運動を多くの人たちとやっていますが、外国人へのこのような差別の問題と、戦前の従軍「慰安婦」、強制連行した人たちへの賃金未払い問題などが、戦後の原発体制といかに結びついているのか、すなわち原発ゼロを目指す運動は、外国人への差別を許さない民主的な、開かれた地域社会をつくることと直結しているということを知っていただきたいものです。

8 件のコメント:

  1. FBで素晴らしいコメントがありました。匿名でご紹介します。

    今だからこそ、しっかり補助しなくてはだめだ。

    返信削除
  2. FBでのコメント

    教育は子どものためのもの。軍事や政治と分けて考えること。子どもを犠牲にするやり方は冷静さに欠けます。

    返信削除
  3. The students of the People's Republic eventually suffer the unreasonable treatment by the Kanagawa Governor. There is no Respect to the people living in Kanagawa by the Kanagawa Governor. That is a regretful and shameful movement occurring in recent Japan. Protest this dark movement by grassroots power of the citizens in Japan. -takashi, Ph.D. 20130214.

    返信削除
  4. 「朝鮮学校に通う子供たちが、補助金がなぜ支給されなくなったのかを理解することも、教育の一環だと思う」(黒岩神奈川県知事) その理屈なら侵略戦争を反省しない日本は世界中から棲家を失うことになりますよ。 神奈川県知事のあまりのつめたい言葉に目の前が暗くなるような思いがしました。

    返信削除
  5. 大阪では昨年秋以降、反原発運動をしている市民が次々逮捕拘留されるという弾圧が続いていますが、「朝鮮人を殺せ」などという許しがたいプラカードを掲げたり、聞くに堪えない差別的暴言を繰り返している在特会を取り締まるどころか、その在特会の言い分を利用して大阪府警が不当な家宅捜索を強行しました。これ以上の政治的弾圧を許さないために、抗議の声を上げてください!
    http://blog.goo.ne.jp/yoninwomamore/e/07876264a02870c715cf3a876ff5a993
    大阪での一連の弾圧事件についてはこちら
    http://d.hatena.ne.jp/Ryota1981/20121212/1355311707

    返信削除
  6. 朝鮮学校を公立私立高校と同等の一条校として認めず、一方教育課程においてはその内容を問わず無償化対象とする各種学校としながら教育内容や朝鮮総連との繋がりにおいて無償化対象から除外する、これを差別と呼ばずに何を差別と呼ぶのでしょう。

    返信削除
  7. いうまでもなく,朝鮮学校差別は明確な憲法違反であり,国際法違反です。(経
    済的,社会的,および文化的権利に関する国際規約) つまり「日本人自身が法
    治国家を守れるのか,つぶされるのか」という問題です。

    私見では,神奈川県知事の見識に対して安倍政権から圧力がかかっていると見ます。前の安倍政権のときに作った通称「北朝鮮人権法」があります。これで 「地方公共団体の責務」 として (北朝鮮を敵視するように)「国民世論の啓発を図
    る」よう責務が課せられたわけです。

    総務省法令データ提供システム
    http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/strsearch.cgi
    拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律
    (平成十八年六月二十三日法律第九十六号)

    この法律自体が憲法違反であるとおもいますが,いまはあえて違憲,違法なこと
    を権力がやってきているわけです。石原都知事や橋下大阪市長をマス・メディア
    がもちあげるのも同根です。かれらの本質は国の秩序の意図的破壊です。
    これから数年かけて戦争体制にもっていくことで,戦争ビジネスと国内の抑圧と
    の一石二鳥(両面作戦)をねらっているとおもいます。

    日本は危険水域に「近づいている」というより,「すでに入っている」というこ
    とだとおもいます。

    警鐘一打。早々

    返信削除
  8. 崔 さん

    > 身近な外国人への迫害、権利はく奪は、日本社会の先駆け、前触れです。
    本当にそうです。

    戦争の歴史から全く何も学んでいない事が身についている私達日本人です。
    アベ自民党が参院選に向けて、秒読みで改憲に向かって行っているというのに、
    です。(まったく素晴らしくマインドコントロールが大好きないつまでも自立を好まない日本人ですねー。素晴らしい面もあるのに、、。残念です)

    すべては改憲(憲法反転)への可視化です。一歩一歩、巧みに。
    繋がっています。

    ここで最重要なことは、改憲させない、ことです。
    (すみません、「そんなことわかっている!」って言われそうですネ)

    3・11以後も何も学びたくない、ひたすら何も観たくない、知りたくない日本
    人が急増していると思いませんか?
    改憲阻止のために、まず学習していない日本人、又、したくない日本人に、そし
    て自分達にも、知らせる事が大切でしょう。地道に。

    その方法の一つとして「自民党改憲草案の中身と日本国憲法使って行こう」講演
    会をもち、そのdvdを普及させ、小さな集まりであっても観て考えてもらう日本
    人を増やす事を考えています。いかが思われますか?

    返信削除