2012年12月1日土曜日

アジアでの脱原発目指す国際ネットワーク(キリスト新聞)


アジアでの脱原発目指す国際ネットワーク

韓国・台湾・モンゴルからも参加
メーカーの法的責任を問う

CNFE(原発体制を問うキリスト者ネットワーク)のメンバーが中心となり、アジアでの脱原発を目指す国際ネットワーク「NNAA(No Nukes Asia Actions=反原子力アジア行動)」を立ち上げた。
1110日、東京都新宿区の日基教団信濃町教会で設立会が行われ、台湾、モンゴル、韓国、米国からの参加者をふくむ約100人が参加した。設立会でもたれた記念講演会「原発体制と原発メーカーの責任」では、フリーランス・ジャーナリストの鈴木真奈美氏、元国会福島事故調査委員会委員の田中三彦氏、弁護士の島昭宏氏が、原発輸出の背景、原発メーカーの実態や法的責任などについて語った。
  
福島原発事故後、電力会社はその責任を追及されているが、原発を製造した日立や東芝などのメーカーは責任を問われることもなく、原発の海外輸出を続けている。NNAA‐J(Japan)事務局長の崔勝久氏(CNFE共同代表)は、原発・核兵器廃絶のためには、原発輸出の行為を止めさせる必要があるとし、これら原発メーカーを「提訴する準備をしている」と言う。韓国NCCや台湾の長老教会もNNAAと提携することが決まった。崔氏は、2013年に韓国で開催される「世界キリスト教協議会(WCC)総会に向けて、アピールしていきたい。日本のNCCや日基教団はこうした取り組みには閉鎖的だが、アジア全体でアクションを起こしていきたい」と意気込む。

「NNAA 1110共同宣言  私たちは、国内における原子力発電所というのは、いずれの国においても、非民主的な手段によって作られてきた「国内植民地主義」の縮図であると認識しています。
それは原子力発電所の存在が電気の主な消費地である都会ではなく、遠く離れた、豊かな自然の恵みが残された地方に押し付けられてきたものであるからに外なりません。アメリカ、日本と韓国においては、国内に留まることなく海外へと原発輸出を展開するに至っていますが、事故があった場合にも責任をとらないことを条件とした、戦後体制下の新たな植民地主義であると考えられます。

3・11福島第一原子力発電所の事故を経験した私たちは、これまで強調されてきた、原発は安全、廉価、クリーンであるという宣伝はまったく事実ではないということを知るに至りました。原発は立地地域とそこで働く労働者の被曝という犠牲の上でなりたっているのです。そして日本に居住する者、及び海を隔てた国々の人々までもがこの原発事故で発生した放射能によって多大な被害を蒙っています。私たちにはこの大事故によっていまだに放出され続けている放射能から子どもたちを守る責任があります。私たちの生命は核とは共存することができないのです。

原子力発電所はそもそもウラン鉱石の採掘の段階から多くの被曝労働者を生み出します。モンゴルでは世界の列強がこぞって採掘権を買い漁っています。アメリカは核拡散防止を建前に、モンゴルのウラン採掘、輸出、使用済み核廃棄物の引き取り、同国内での埋蔵という、CFS(包括的燃料サービス)構想を具体化しようとしています。日本、UAE(アラブ首長国連邦)―実質は韓国―も表面下での契約を進め、モンゴルはそれに応えるべく施設建設の予算を国会で通したことが報じられました。

アジアの経済大国となった日本、韓国、台湾とアメリカの国民はもはや使用済核燃料を自国で最終処理することを承諾しないでしょう。しかし私たちはそれを他国に持ちこむ、植民地主義ともいえる計画を黙認することはできません。
私たちは各国との連帯を深めることによって、アジアの、そしてひいては世界の脱・反原発運動を進めることをここに宣言します。 2012年1110日  
No Nukes Asia Actions(NNAA) 、韓国、日本、モンゴル、台湾、米国より」

 今後取り組むものとして、▼福島原発事故に関連した原発メーカーの法的責任の追及▼原発メーカー製品の不買運動の展開▼原発メーカーの問題、責任をマスコミやネットを通して市民に知らせる運動や署名活動の展開▼青森県の大間原発と六ヶ所村再処理工場の推進決定に反対する地元住民と函館の運動を支持し国際連帯する活動を展開▼モンゴルでのウラン採掘の実態を調査し、モンゴルに核廃棄物を持ち込むことを前提にしたモンゴルからのウラン購入に反対する▼台湾の欄嶼島(Orchid Island)での放射性物質の調査を徹底して行う現地の闘いを支持し、具体的な連帯の行動を起こす▼アジアの国々に原発の実態、放射能汚染の恐ろしさを現地の言葉に翻訳した書籍や映像によって伝えるプロジェクトの立ち上げ▼定期的な講演会、学習会の開催などを予定している。

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