2012年2月14日火曜日

神奈川県の「がれき」受け入れの現状について

「脱原発かわさき市民」のKさんからの報告を以下ご紹介します。
東北地方のがれきをどのように処理するのか、各地に分散して焼却して現地の「復旧」に協力しよう、それが「国民」として政府に要請に応えていく道理ではないか、ということまで神奈川県知事は発言しているそうです。それに対する市民の反発は激しいものがあります。しかし単なる反発ではなく、瓦礫の処理方法を含めて市民からさまざまな意見が出始めています。これは地方自治のあり方と直結する問題だと思われます。目が離せません。みなさんの投稿をお願いします。      崔 勝久


昨日(2月11日)は代々木の後、横浜の「青木泰氏講演会&シンポジウム」にたくさんの方が参加されました。みなさん、ガレキのことが「わかった」とおっしゃってくださって、本当によかったです。でも長距離の移動、本当にお疲れ様でした、ありがとうございました。

つたないですが、まとめの報告をさせていただきます。

1.神奈川県受入れの最近の動き

・芦名・大楠連合町会は受入れ反対決議をしましたが、決議文はまだ県に提出されておらず、先週金曜の神奈川新聞では、知事が「押したり引いたりすれば」受入れてもらえる、というような発言をし、記者も記者で「政治判断は?」など聞いたりする状態です。

・一方、横浜市が埋立についても本牧で可能というような動きをしています。これには港湾会長の力が大きいという話です。

2.講演会の内容
①現役議員、元議員さんたちのお話

青木泰さんはずっとゴミ問題を追っていた方です。その青木さんの前に、元横須賀市議、瀧川君江さん、横浜市議、井上さくらさん、大田区議、奈須りえさんが、お話をしました。

・瀧川さんは、芦名の処分場について写真も交え、活断層の上にあること、焼却灰を入れるフレコンバッグや遮水シートの軟弱性など、埋立の危険性を説明。また岩手を視察に行った際の写真や現地の方の言葉を紹介。

・井上さんは、受入れをめぐる横浜市の経過について現役議員でしか知らないお話。国が全国の自治体に受入れアンケートをしたのは5月と11月。5月には全国の放射能汚染の程度がわからなかったため、受入れ可能としていたところも11月には考え直し、横浜も回答欄を空白にして提出したなどの生々しい話もあり。

・奈須さんは、大田区であった集会を途中退席の参加で、その熱心さが伝わってきました。(大田区はリニアも通るところだそうです・・)

・今回の震災廃棄物の特徴=津波によって海・川のヘドロから、工場・医療機関などから出た、いろいろな有害物質が多量に付着。放射性物質だけの問題ではない。そういう物を焼却する危険性。

・ガレキの量=実際は現地処理する予定のものが多く、広域処理はたったの15パーセント。それが進まないから復興が進まないというのは、方便であること。

・費用=今回の岩手・宮城の廃棄物は阪神淡路の時と同量であること。現地処理するのはリサイクル等で業者に「売って」いるものもあり収入が発生しているのでは?それなのに、1トンあたりの処理費用は68000円。阪神淡路の時は22000円。おかしい。

・復興資金は10.5兆円、増税もするという。うち1兆700億円を廃棄物処理に回すというがそんなにかけて、汚染を広げるような焼却を全国でするのはおかしいことである。

②講演会の内容・青木さんのお話
 ・がれきの受入れと焼却がなぜ問題か・・放射能汚染物の拡散、放射能汚染物の焼却、これらが「世界で初めて」行われている。

・311以後の汚染は・・牛肉、稲わらの問題があった。放射性物質の許容限度、国の基準が後退している。不燃ごみについては、311前の80倍まで引き上げられた。

・海洋汚染・・深刻な問題となっている。

・ゴミは「出したところで分別。でないと訳がわからなくなる」。アスベスト、放射性物質など。

・仙台は自前ですぐにやり始めた。他も仙台方式でやっていけるはず。

・被ばくの安全性について、汚染物を焼却した時の空気汚染、国は全く議論していない。技術科学の分野でありえない。

・バグフィルターでは除去できない。東京新聞のスクープにもあったが、とれない。「不検出」と言っているのは「検出方法が確立されていない」から出てないだけ。


3.シンポジウムの内容

この4人の方にゴミ問題に詳しい司会者、また会場の質問者もみなさまも勉強している方ばかりで、内容の濃いものとなりました。質問と回答をまとめた形にします。

・仙台はなぜできた?
 → 仙台はお金も人材もあり、早く処理方法を作って実行できた。それができずにいる小さい自治体に人を送ったり、機械を送ったりするのが支援の方法としてある。

・放射性物質だけではないアスベスト、ヒ素の有害物質を燃やすことの危険性。しかし、島田市で焼却実験を行い、きちんと測れないために「不検出」となり、焼却OKになったらどうすればよいのか?
 → 市民が監視し、確認することは必要だが、実際は難しい。
 → 費用が発生する。それは議会の議決が必要なので、議員に訴える。
 → バグフィルターで99.99%除去できない、ということを国も認めたので、それを堂々と掲げているような自治体のHPから取り外すよう、運動をする。

・既にたまっている汚染灰がある横浜など。海面埋め立ては問題あるとすると、どうすればいいのか?
 → 100%の答えはない。一度、みんなで困らなければならない。「しょうがないでしょ」で片付けず、一度立ち止まってみんなで困って、みんなで考えることが必要。今は一応コンテナで2年間はためておける状態になっている。福島は無理でも、横浜市内の東電敷地に持っていくなど。

4 今後の方向性として示された内容・・重要!

●汚染されたゴミは焼かない
・被災地のものは放射性物質だけでない、津波被害によりヘドロや工場溶液など有害物質が付着。分別は不可能。どの地においても焼かない。

 →・そもそも、こんなにゴミを焼くのは日本だけ、ヨーロッパなどは焼かずにそのまま埋め立て、土に返す、そしてゴミを出さないようにしている。
 →有害物質の完全な分別など不可能。そのまま埋立が費用も安い。

●被災地が困るのに・・という意見への対処
・震災廃棄物の処理を決めた「特措法」、これは日弁連が改正すべしと言及したように「悪法」。この法律は、岩手・宮城のものは全国に、そしてもう一方では、福島のものはそこから出さず福島内で「焼く」ことになっている。それは始まろうとしている。福島のひとこれ以上の放射能汚染をさせてしまうことになる。

●目の前から消えてしまみ、今までゴミの問題を自分の問題として考えてこなかった。ゴミを減らさなくてはいけないという反省もしなくてはいけない。

●私たちはいま、放射能汚染の「人体実験」をされている状態。内部被ばくの危険性を訴える。「ドイツ放射能防御協会による報道発表」(※)を宣伝して、自治体に回答を求めるなどの運動をする。
(※紹介しているブログを紹介します)http://d.hatena.ne.jp/eisberg/20111130/1322642242

・・とにかく、特措法の改正や、内部被ばくの危険性を訴える、99.99%安全バグフィルターの文言を消させるなど、運動をする。全国で連携する必要もあるということで、川崎でもやろう、やらないと、ということになりました。

そこで311の集会で、震災廃棄物の問題を多くの人に知ってもらうチラシを作ることになりました。・・わたしが作ってみることになりました。1カ月、二月は日数も少ないですね・・タタキを作りますので、みなさんたくさんご意見ください。こういうのはどう?という意見もお待ちしてます。どんどん寄せてください。

ほんとにほんとに、どうぞよろしくお願いいたします。

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