2012年2月6日月曜日

韓国通信:<核ない世界のための医師会>(反核医師会)創立を提案します

2011年3月11日の福島核発電所事故は、「安全できれいな」核エネルギーという神話を一瞬にして崩壊させました。歴史上最大規模の核発電所事故が起き、膨大な量の放射能物質が大気、土地、水へと広がっていきました。チェルノブイリ事故以後、まだ一世代が過ぎ去りもしないのに私たちはもう一度、人類が作り出した最も危険な物質に、ごく普通の人々が無防備にさらされる事態を見守っています。

 特に、事故地域の近隣に住んでいた子供たちは、膨大な量の放射線にさらされました。私たちは、これから少なくても数十年もの間、この身の毛のよだつ事故の結果と向き合うことになるのです。医師である前に社会の構成員として、私たちはこの途方もない悲劇を前に話す言葉を失います。

 良心ある科学者として、私たちはすべての放射線が人体に有害だという事実を知っています。私たちは、とても少ない量の放射線でも致命的な癌を起こすことが可能だという米国国立科学アカデミーの2006年研究発表を信頼し支持しますi)。 少ない量の放射線は身体に有益だという話は作り話にすぎません。よって、医師として私たちは放射性物質を作り出すすべてのことを直ちに中断しなければならないと考えます。私たちは政府と政策立案者たち、すべての研究者たちに、核エネルギー使用を直ちに中断することを勧告・要求します。

 第一に、すべての核発電を中断して再生エネルギー体制へ転換しなければなりません。福島事故とチェルノブイリ事故が見せたように、核発電は根本的に安全を保障できません。人類が持ったどんな技術でも、暴走し始めたこの火を消し止めることができませんでした。自然はとても長時間をかけて、この火を冷やすでしょうが、その時まで途方もなく多くの生命が灰に変わるでしょう。

 核発電は危険なだけでなく経済的でもありません。この事実は一部の進歩的な学者たちだけの意見ではありません。いくつかのヨーロッパ政府と、さらに保守的な言論でさえ、これを一部認めています。核発電に注ぎ込む途方もないお金を再生エネルギー開発と普及に切り替えれば、私たちは放射能と気候温暖化が奪い取る数多くの命を救うことができます。こういう転換が大々的になされるならば、今日、人々の健康に大きい悪影響を及ぼしている失業と貧困問題を解決することにも役に立つでしょう。

 第二に、すべての核兵器開発を中断しなければなりません。特に全世界で核兵器を最も多く保有・開発してきた米国をはじめとして、主要先進諸国がまず直ちに核兵器を廃棄し核開発を中断しなければなりませんii)。 韓国政府も例外ではありません。1970年代だけでなく、去る2004年にも韓国政府は国際原子力機構の査察によって、核兵器技術を開発してきたという事実の指摘を受けたことがありますiii)。

 第三に、人類は核エネルギーを利用して病気を診断し、治療する方法を開発しました。医師として私たちは、こういう諸技術が今後もしばらく数多くの生命を助けるのに利用されなければならないと思います。しかしこのために、今、各国政府が天文学的なお金を注ぎ込んで競争的に行っている核開発と研究を正当化することはできません。このことは、全体の核エネルギーの利用の中の極一部に過ぎません。

 私たちは、診断用・治療用放射線でさえも、とても注意深く利用されなければなければならないと警告します。先に指摘した通り、このような放射線も人体に有害なのは同じことです。よって、一部医療機関の無分別な放射線乱用は中断されなければなりません。放射線使用は、避けられない場合に限り、被曝を最小化する安全装置などを用意した状態でのみ、なされなければなりません。私たちはこういう放射線使用でさえ、代替できる新しい技術が開発されることを期待します。核エネルギーに対する執着を捨て、核エネルギー開発・維持に使われる財源を代替技術に投資し、研究を支援するならば、これも不可能ではないでしょう。

 私たちは医療関係者として、科学者として、何よりも良心的な世界市民の一部として、核エネルギーの使用が完全に中断される時まで、必要なすべてのことについて共に行動するでしょう。私たちは、全世界の反核運動の一部になるでしょう。

私たちと共に行動しましょう。


2011年12月
核ない世界のための医師会(反核医師会)提案者一同


“反核医師会”提案者
コ・ビョンス、キム・ヨンジン、キム・イクチュン、キム・ウイドン、キム・ジョンボム、キム・ジングク、キム・ヒョンソン、ノ・ワンホ、ノ・デメン、パク・ヨンシン、ペク・ドミョン、ペク・ハンジュ、ソン・ガンウク、ソン・ハクソン、ウ・ソクギュン、イム・サンヒョク、チャン・ホジュン、チョン・ヒョンジュン、チュウ・ヨンス、チェ・キュジン

“反核医師会”はこれから、以下のような仕事をします。
●研究: 放射線が人体に及ぼす効果に関する研究など
●調査: 核施設と放射能物質安全性の検証など
●教育: 核発電と放射線の危険性と関連したフォーラム開催など
●広報: 核発電と放射線の危険性、国際基準、安全対策、エネルギー転換の可能性など
●連帯: 国内外の反核団体および環境諸団体との共同活動

------------------------------------------(提案文の参考資料)----------------------------------
i) 米国国立科学アカデミーのBEIR VII phase 2 Reportを参考のこと
http://www.nap.edu/openbook.php?isbn=030909156X
ii) 各国の核兵器保有現況は調査機関ごとに大きな違いがあり、各国の安保政策のために正確な数を確認することが根本的に難しいがBulletin of Atomic Scientistsなどで公開された核兵器統計を確認することができる。この統計を見れば、直ちに使用可能な核兵器をロシアが2,430基、米国が1,950基の核兵器を保有したと分かる。
http://bos.sagepub.com/
iii) IAEAが2004年11月に発表した報告書Implementation of the NPT Safeguards Agreement in the Republic of Koreaを参考のこと。
http://www.iaea.org/Publications/Documents/Board/2004/gov2004-84.pdf

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<核ない世界のための医師会>(反核医師会)で共に行動する方はご連絡下さい!
Tel. +81-(0)2-766-6027 / 携帯 010-2364-8541(イ・ミョンハ) /
E-mail: doctorsantinuclear@gmai..com

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