2012年2月13日月曜日

大飯原発3・4号の運転再開を止めよう!2月4日「びわこ集会&デモ」に参加して ー古野恭代

大飯原発3号・4号機は、原発再稼動阻止の防波堤といわれています。
2月4日、びわこ畔大津で開かれた大飯原発再稼動阻止の集会に参加してきました。熱意に満ちた500人が集まった集会の賛同団体は172に上っていました。冒頭、アイリーン・スミスさんが、2月20日に高浜が止まれば、若狭原発は0に、4月に泊が止まれば国内の稼動原子炉は0になる、大飯原発再稼動反対署名は、4万3229筆となった、再稼動0を実現しようと挨拶。

次に立った服部良一衆議院議員は、現政権のやり方を取り上げ、国会事故調査委員会が調査中なのに、4月発足の規制庁職員を横滑り的に決め、運転期間を40年から60年に延長する「改正」まで考えている、と批判。

「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」代表の小山英之さんは、ストレス テスト・IAEAの判断を受け、8日の原子力安全委員会で審査が行われると、その後は首相ら4閣僚による政治判断で決着が付けられる。ただ、そのとき「地元」の理解が必要なことは保安院も認め、住民説明会はどこへでも行ってすると言っている。しかし、重要視される地元了解は、福井県知事、大飯町長の意向もあるが、何よりも福井県議会、大飯町議会での了承を念頭に置いていると考えられる。

県議会・町議会は2月、3月にかけて開かれるから、このあたりがヤマ場になる。再稼動反対の論拠として、大飯原発は活断層FO-A,FO-Bに近いが、少し離れたところにある熊川断層も、現在では連動する可能性が高いとされている。もしそうなるとM7.9 の地震が起こる。小山氏は、保安院はどこへでも説明にゆくと言っているからこれからは説明会をどんどん開いてそこを反対集会にしてゆくと話されました。

小浜の明通寺住職中島哲演さんは、地元で原発設置反対運動を長く闘ってこられた方ですが、小浜市民の7割が大飯原発10キロ圏内で生活していると聞いて驚きました。小浜では1972年4基の原発建設計画が持ち上がったのですが、2万5000人の有権者のうち1万2000人が反対して食止めました。大飯町で8基建設の案が表に出たときは、町民が原発賛成の町長をリコールし、中止をいう町長を選びました。しかし、町議会が中止に反対する決議したため、大飯町は原発設置へと押し切られました。今、小浜のお母さんたちは、子供から「なぜ反対しなかったの」と後で言われないよう、断固反対してゆく決意を固めているそうです。

その後、南相馬からこられた井上さんをはじめ、リレー・トークで関西各地の大勢の人たちが反原発の思いを語りました。印象深かったのは、小さい子供連れで登壇するお母さんや、幼子をあやしながらマイクを手にする若い女性がいたことです。子供たちも視野にいれた闘い、それが今の反原発運動だと思いました。おそらく、まだ生まれていない、姿も声も持たない将来の子供たちも、私たちは代弁する義務があるでしょう。

また、この集会で、地域で連帯が広められていること、過去の反原発運動から学ぶ努力がされていることも知りました。たとえば旧丹波地域では全域7市2町と兵庫県が連合して「原発なしで暮らしたい丹波の会」を作り、反原発は東日本への義務であり、世界への責務だとの考えで活動されています。また、舞鶴市は原発に関わっている人が多く、賛成反対で親戚まで二分される状況があるのですが、同様の状況下で反対を貫いた高知の事例に励まされているそうです。地下の核ゴミ研究施設反対運動をしている岐阜の女性グループは、1988年に美浜から風船1000個を飛ばした記録を再確認しているとのことで、美浜から80kの岐阜市には2時間で飛来したそうです。

今後の闘いについて、2月1日に県知事あての要望書を持って県と交渉された石地さんは、「地元の意見」というとき、それは半径30kの広域防災区域にある自治体ではなく、立地自治体の大飯町のみになる可能性があるそうです。 リレートークの最後に、美浜の元町議の松下さんは、立地自治体の住民は、皆原発を「危険」と思っているが、雇用不安に悩んでいる、そこで、脱原発になったときの雇用シフト(自然エネルギー生産など)について、美浜町長に提案すると同時にシフト案に賛成してもよいと言う原発立地市町の人たちと協議を進めている、と話されました。また、大飯町議会の原発特別委員会議員が長野県飯田へ太陽光発電を見学に行ったという話もされました。

歌、踊りも加わった訴え、熱気あふれる報告、全国からのアピール、そして大会宣言が発せられて集会は終りました。その後、参加者一同は関西電力大津支店へとデモをし、関電の敷地があるブロックを人間の鎖でとりかこんでウエーブをしました。デモの終点である膳所駅では、私が陰の主役と呼んだ幼い子供たちが、お父さんの背中や乳母車で眠りこけている姿が可愛いかったです。

2月8日、原子力保安院は、ストレス テストを「妥当」と判断し、あとは、「地元の了承」と首相を含めた4閣僚の政治判断が鍵となりました。去年2011年の9月、大飯町議会は、「原発推進を国に提起するのでなく、国の施策を見極めながら今後(再稼動)を検討してゆく」と決議しました。これは同じ9月、高浜町議会が「定期検査後の原発再稼動を国に求める意見書」を可決し、「原発と共生する道を模索したい」としたのに対し、異なる姿勢を示したものといえます。しかし、国が再稼動の意向を強く示せば受け入れてもよいと言っているようにも見えます。

関西では大飯再稼動反対の熱意はとても強く感じられましたが、関東はそれほどでもないように思われます。これから福井県議会:2月24日ー3月16日・おおい町議会:3月1日―22日が始まります。

私たちは、ここへきてみすみす再稼動へと舵を切らせることをしてはなりません。是非、以下のところにファックス(または電話)して、再稼動は絶対にしないでほしいと訴えてゆきましょう。全国から届く声が多いほど「地元」は責任をもって判断するでしょうから。

福井県議会、西川一誠福井県知事あての要望や意見は、
福井県原子力安全対策課
 FAX 0776-21-6875    TEL 0776-20-0314
(西川知事は、これまで、県民の安全確保が第一、福島の原因究明もできていないのに再稼動は難しいとの考えを表明してきました。)

0 件のコメント:

コメントを投稿