2011年10月31日月曜日

韓国における反原発運動の一断面ーソウルにて


私は10月26日から日本キリスト教協議会(NCC)の全面的な支援を受け、「脱原発の国際連帯運動を目指す」使命を持って韓国に来ています。11月1日からモンゴルに飛びます。

韓国政府は2030年までに国内の原発の比率を60%までに高め、世界の原発建設の20%の輸出を獲ると公表しています。李明博大統領は現在の21基の半分以上を現代建設の社長として建設した、まさに「原発マフィア」の頭目と言って過言ではありません。過去の金大中、Ro Muhyon大統領のときにも原発は建設されましたが、現李大統領は彼らとは全く次元が異なり、まさに韓国を挙げて原発大国をつくるという方針を明らかにしたのです。

しかし日本の3・11以前の「安全神話」と同じく、韓国もまた、政財学、マスコミを挙げての徹底的な「国民教育」によって、原発の安全、廉価、クリーンが宣伝され、それに石油に代わる資源の必要性が強調されるなか、さらに原発輸出によるビジネスの面(金儲け)が前面に出て輸出立国として原発はなくてはならないものとされてきました。

したがって日本よりさらに反原発運動は徹底して強権的に抑えられてきたのです。私はそのような状況下で韓国に来ました。しかしまさに韓国に来たその日のソウル市長選で状況は変わりはじめました。民主化闘争の渦中にいた弁護士のPark Wonjunが保守派の若手女性候補を破ったのです。彼女を支援したのは、これまで表に出ることがなかった次回の保守派の最も有力な大統領候補であったPark Gunhee(暗殺されたPark Jeonghee大統領の長女)でした。これで彼女の大統領出馬は危ぶまれています。

勝利した無所属候補の大統領は早速、これまで環境問題で教会などが中心に取り組んできて解決できなかった問題を解決すると約束しました。来年末の大統領選挙で現職大統領の保守派の後継者と、ソウル市長勝利の流れの中で野党が統一した場合、保守派が負ける確立は高くなったといわれています。そのとき、脱原発が政策としてどうなるのかというのが私たちの最大の関心事です。

この点が長年の自民党支配を覆した民主党が原発政策を明確にできず、原発の再稼動と原発輸出を決定しようとしている日本の状況とは異なり、韓国は新たな大統領が新たな原発政策を打ち出す可能性があるのです。韓国の民主化闘争を行ってきた人たちは今、その準備に取り掛かろうとしています。私はまさにそのようなときに韓国に来て、歴史の変わり目を目撃し、反原発を実現しようとする人たちと多く会うことができました。
写真は、26日夜、ソウル市長が決定する直前のカトリック教会礼拝堂における脱原発集会の様子です。韓国の緑の党創設に向けて全国発起人大会が成功裏に終わりました。壇上に責任者が並びましたが、若い人が多いことに驚きました。12月末までに全国での地方発起人大会を終え、4月の国会議員選挙に備えようとしています。12月の大統領選挙においては反原発のキャンペーンを行うでしょう。彼らは既成政党を批判する政党であり、地域社会の自治と民主主義を掲げ、正義と平和と生命を守ることを求めています。



私はこのような韓国の流れ目撃し、モンゴル緑の党の党首との記者会見を終え、11月11日11時に東京でソウルと同時に記者会見を持ちます。

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