2011年9月18日日曜日

本田さんの発言に対する奥田知志さんのクレームについて

「釜ヶ崎の本田さんとの対談ー(その4)行政と一体化するNPOと運動体の位置
の中で、九州で野宿者の自立を支援するNPO活動を長年展開されている奥田知志さんへの言及があり、それに対して奥田さんからクレームのコメントが寄せられました。奥田さんのコメントと私の意見を以下、そのまま記します。
(奥田知志さん、日本バプテスト連盟牧師、NHK「プロフェッショナル」で紹介される 茂木健一郎 クオリア日記 http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2009/03/post-dc31.html 認定NPO法人 北九州ホームレス支援機構 理事長)

奥田知志 さんのコメント...
奥田知志です。私は、「貧困ビジネスでいい」などと発言した覚えてはりません(ママ)。本田先生の記憶違いだと思います。ただ、本田先生がホームレス支援における事業化をすべて貧困ビジネスだと断じる、あるいは行政との協働なども貧困ビジネスだと断じておられるのなら、それは全く別の議論だと思います。
繰り返しますが、いわゆる貧困ビジネスを「いい」と言ったことはありませんし、全国ネットはそのようなスタンスはとっていません。いずれにしても本田先生の発言に大変衝撃を受けていますし「運動」とは何かを考えています。「その辺は良く分からない」で済むでしょうか。真偽不明の一方的な情報が垂れ流されることはホームレス支援全体にとってどうでしょうか。
2011年9月18日1:21

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
奥田さんへ

おはようございます。ご連絡、ありがとうございました。
奥田さんの出版記念パーティの席上で名刺交換させていただきました。私はお二人を尊敬する者としてどちらが正しいとか、どちらかの代弁をすることはいたしません。発言の有無はそのことを記した文献やメールがない限り、証明されることはなく、詮索することは意味がないと思いますので、以下、私の率直な意見をのべさせていただきます。

1.「本田先生がホームレス支援における事業化をすべて貧困ビジネスだと断じる、あるいは行政との協働なども貧困ビジネスだと断じておられるのなら、それは全く別の議論だと思います。」 この奥田さんのご発言は穏当ではないと思います。本田さんがどこにも話したことのない内容、本田さんの平素の言動からしてありえない仮定の発言を前提に議論をされるのは、誤解の元です。奥田さんは本田さんの仮定の発言を問題にしようとは考えておられないと推測しますが、或いはこの際、本田さんに確認されたいのでしょうか。

2.奥田さんも同様に、「我々のNPOも貧困ビジネスのようなものであっていいんじゃないのという発言」を自分がするはずがないではないか、そのような「真偽不明の一方的な情報」を垂れ流されると、自分たちが全国的にやっている「ホームレス支援全体」にとって迷惑だし、悪い影響があるではないかと感じ取られたようです。しかし本田さんは、奥田さんが、貧困ビジネスが「いい」と言ったとは述べていません。奥田さんが「我々のNPOも貧困ビジネスのようなものであっていいんじゃないの」という発言をされて、それは自分たちとは路線が違うので脱退したと話されています。

3.本田さんの「記憶違い」は、釜ヶ崎のNPOが全国組織を脱退した理由は奥田さんの発言によるという部分でしょうか。それでは事実関係として、①釜ヶ崎のNPOが全国組織を脱退したというのはまず事実なのでしょうか。②事実だとすると、奥田さんは釜ヶ崎のNPOが全国組織を脱退したのはどのような理由によると理解されているのでしょうか。そのことが明らかにされると、本田さんの発言は「記憶違い」かどうか明確になり、そのときは本田さんもご自分の「記憶違い」を認め、奥田さんに謝罪されるでしょう。

今回の対談の(その4)「行政と一体化するNPOと運動体の位置」の一番重要なポイントは、ある志をもった運動がNPO法人になり行政と組むとき、NPO一本で全的に行政とひとつになると、資金的には楽になるかも知れないが、本来の運動の志が資金を受けるということから曲げられる可能性があり(全国的にこのような傾向があるとき)、釜ヶ崎がNPO法人を立ち上げても運動の部分はしっかりと残し、行政に対しても問題があるときは批判的な態度を崩さずに来ているという点です。本田さんの今回のご発言はNPOのあり方に苦しんでいる運動体に大きな示唆を与えてくれるでしょう。

本田さんとの対談の続きがあります。私はそこで、どのような教会でも被災地支援に関しては熱心であるが、原発のことになると政治的な問題には立ち入らないということで、原発問題に言及をしない傾向があるということを指摘しています。この点を本田さんにお聞きしていますし、奥田さんの新刊書を読みまた出版記念会でのお話に深く感動しながらも、原発問題に対する言及がないことをどのように捉えればいいのか、ずっと胸の奥で繰り返し考えてきたことにも触れています。本田さんのご発言、私の発言に疑問があればあらためてコメントをいただければ幸いです。

ただし私は、奥田さんと直接お会いして話し合いをすれば違いよりももっと多くの共通点があるに違いないと確信していました。ご連絡をいただけるということでしたのでお待ちしておりましたが、いつかこの機会がくると思っておりました。これをきっかけにしていろいろと意見交換をさせていただければ幸いです。


奥田さんのますますのご活躍を祈ります。残暑厳しいおり、御自愛ください。

0 件のコメント:

コメントを投稿