2011年4月3日日曜日

福島原発事故の後は、世界は新たな原子炉に代るのか、それとも「凍結」するのか?


川崎臨海部にある東芝の原子炉のことを調べていたら、東芝がビルゲイツと次世代原子炉「TWR」の共同開発に乗り出すとの記事に出会いました。ビルゲイツはアメリカ原子力ベンチャーの主要株主で、東芝とのプロジェクトに数千億円単位の私財を投資するとのことです。(http://www.afpbb.com/article/economy/2712240/5528408)。

原子炉が川崎臨海部にあることだけでも驚きだったのに、ビルゲイツと組んだことに目を見張りました。金もうけには鼻が利くビルゲイツです。次世代原子炉が古い原子炉に代り、発展途上国でも大量に売れると踏んだのは間違いありません。彼は、川崎の臨海部にある原子炉を見学しています。

この小型原子炉は、水で冷やすことがなく、従って海辺でなくともよく津波の心配がなく、「燃料に劣化ウランを使用する。現行の軽水炉が数年ごとに燃料交換が必要なのに対して、TWRは燃料交換なしに最長100年間の発電が可能」、かつ廉価で維持管理のコストも大幅に減らすという、「優れもの」らしい。

東芝は白物家電や半導体の会社だったのですが、今や、「原子力開発分野で世界トップの実績とシェアを持つ。米国の原発建設計画7基のうちの6基は東芝-WHラインが受注。世界で112基の供給実績、シェアは30%強、成型加工燃料でも3割近いシェアを持っている」とのことです。日本の大臣は今回の事故の後で、日本の原子力発電の技術をもって世界に進出する方針に変わりはないと断言しました。これは国策ですね。

この提携話と、福島原発事故の今後の世界における原子炉発電の近い将来像はどのように関係するのでしょうか。にわか仕込みの、全く原子炉の素人の私が判断するに、福島原発事故は東電と日本政府の管理能力の無さが問題であったのであり、石炭や石油に依存する発電は資源の限界がありなお、二酸化炭素を発生し環境に悪い(そう言えば、一世を風靡した環境映画のスポンサーは原子炉会社だったとか)、だから「安全な」原子炉を世界に売ろう、ということになるでしょう。

フランスの原子力発電の割合は80%、韓国が40%。ドイツも30%ですが、大規模なデモが続き、首相も「一時停止」を発言しましたが、その発言にも批判が続きます。韓国も「継続」を発表しましたが、野党の有力政治家は、「原子力発電の終焉に備える」と発表しました。デンマークをはじめ北欧では風力発電が完全に定着し、世界に輸出するビジネスモデルになっています。

原子力発電に完全に依存する方針を継続するフランスや韓国の原子炉に問題はないのでしょうか。より安全な原子炉を謳う東芝・ビルゲイツの開発する原子炉はどうなのでしょうか?反原発の運動、識者からは、今の「管理能力」のない東電などの原子炉の問題点は指摘しても、世界の先端を走る(いずれ彼らが凌駕していく段取りなのでしょう)原子炉批判は、私はまだ知りません。どなたか資料を教えてください。

勝間やホリエモンも原子力発電はなくてはならないもの、100%安全などはありえず、リスクは当然ある、しかしそれを最小化していくのが技術、と断言して疑いません。素人の私は、結局は、使用済み核燃力の処理(何万年も放置するわけですから)の安全性が鍵だと考えたのですが、専門家のみなさんはいかがでしょうか。

何万年も地中深く使用済み核燃料を埋め、その間に、人類は完全に処理する技術を開発するだろうからその間待つということになるのか、安全な技術の開発までは原子力発電に依拠せず、新たな技術の開発に全力を注ぐということになるのかの選択のように思うのですが、みなさんはどのようにお考えですか。

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