2010年4月17日土曜日

「韓国併合」って?

「韓国併合」って?

昨日、ある大学のゼミに行きました。簡単に自己紹介をしたのですが、20数名の学生に、「韓国併合を知らない人はいますか」と問いかけたら、なんと、半分くらいが手をあげました!

いやはや、驚きました。かく言う私も、45年前、大阪の(一流という受験校)をでて大学に入ったものの、寄宿舎で先輩に「3・1万歳事件」って何ですか、と話して失笑を買いました。まあ、それでも「韓国併合」「日韓併合」の歴史は知っていましたが。

横浜では、自由社の中学の歴史教科書が市内全域で使われるのは時間の問題となっています。本来は、教育委員会、首長、議会と何段階ものチェック機能が働いたはずなのに、中田元横浜市長の策略で自由社を推す教育委員長が置かれたことがきっかけで、こんなみっともない事態になりました。東南アジアで日本軍を「解放軍」として現地の人が歓迎したとの解説付きで写真が載せられるような教科書が、近隣のアジア諸国からどのように見られるのか、まったく許せない教科書です。

横浜国大の加藤教授をはじめとした学者が「自由社版 『新編 新しい歴史教科書』をどう教えるか?」という小冊子をだし、現状への危機感を表明されています。しかし、かのゼミの学生も私も、自由社の教科書を学んだわけではありません。私は、今、日本はとてつもない間違った方向に突き進んでいるように感じるのです。野田正彰が喝破したように、戦争責任を受け止めようとしてこなかったことが日本をとんでもない社会にしている(『戦争と罪責』(岩波書店))、と私もまた強く思います。

司馬遼太郎の「坂本竜馬」がNHKで多くの人に見られ、一部の批判があるものの、司馬の歴史観は圧倒的に多くの人から支持されています。格差の拡大、非正規社員の増大、就職難という閉塞状況の中で、日本の「恥部」を直視することなく、過去を美化した歴史観にしがみついてこれから日本はどうなるのでしょうか。

ゼミの大学生に見られるように、過去の侵略の歴史さえ知らない若者が大量に作られ、漫画やネットからまさに一部を拡大、歪曲した歴史を知って今の日本の大変さは在日朝鮮人の所為だと短絡的に考え、「在日」を攻撃し、基本的人権である政治参加でさえ、亡国につながると反対する人が多くなっているということに、私は大きな危機感を抱きます。

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