2010年2月4日木曜日

「共生」を批判する: 川崎市議会にやっぱり出てきた、参政権反対の陳情

崔勝久さま

右からの反対論は予想通り強くなりました。

小生は、一般的には、歴史はジグザグに進むものな
ので、100%原理原則どおりでなくとも、相対的前
進ならば擁護すべきなのではないかと考えます。

地方参政権法案についても、いろいろと問題はあり
つつも、成立すれば社会の外国籍住民に対する認識に
前進をもたらすと考えられるので、成立しないよりは
成立した方がいいと考えていました。今も半分はそう
考えています。

しかし、朝鮮籍排除は、筋が通りません。

統治権(主権)の1つの構成要素である領土高権に
服さざるを得ない住民であることと、「被治者の自己
統治」を本質とする民主主義の理念とが、非日本国籍
住民の地方参政権の根拠だとすれば、外国人登録証に
朝鮮と書いてあろうがなんと書いてあろうが関係ない
はずで、この排除は原理原則に反します。

したがって、この法案には反対すべきだと考えます。

さらに原理原則論を唱えれば、日本語版が解釈の基
本となる日本国憲法は、基本的人権を国籍の有無によっ
て不当に広く制限しており、その上、主権者である国
民たる要件を下位の個別立法に預けてしまっており、
立憲主義的憲法のとしての内実を欠いています。なぜ
ならば、「誰が主権者か」という立憲主義憲法の一番
の基本を、下位の個別立法に丸投げしてしまっている
からです。この憲法は欠陥品です。英語版がどうなっ
ていても、救いようがありません。落第です。
そして、国籍法が血統主義オンリーになっているこ
とによって、憲法14条法の下の平等の規定自身に矛
盾する法システムを構築してしまっています。同じよ
うに日本で生まれても、親の血筋(門地)によって生
まれた瞬間に差別される人々をつくるシステムになっ
ているからです。
私は、現行の憲法を改憲するか、それに準じる措置
として、国籍法を改正するか、国籍に準じるものとし
て拡大型の市民権制度をつくるかでもして、立憲シス
テムの根本を変えて、「生まれた瞬間に血筋で差別さ
れない」システムに変えない限り、この国は「民主主
義国家」ではあり得ず、「奴隷主(親の血筋が日本国
籍である特権階級)の民主主義国家」でしかあり得な
いと考えます。古典古代時代のギリシャ・ローマには
共和制・民主主義の時代がありました。奴隷制のもと
で。

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富永さとる  MBA in Social Design Studies

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