木村公一牧師が糸島教会で話された、聖書的、進行的立場からの安倍首相の「コロナ非常事態宣言」に対するご意見をオクロスで紹介させていただきました。
[安倍首相の「コロナ非常事態宣言」と神の宣教(missio Dei)]福岡国際キリスト教会・糸島集会 牧師、 木村公一 http://oklos-che.blogspot.com/2020/05/missio-dei.html
それに対して生物学(昆虫行動生理学)の研究者であられる谷村禎一先生のご意見を以下、ご本人と木村牧師の御承諾を得て紹介させていただきます。谷村先生は、「国際社会は、細菌やウイルスを根絶させるのではなく、協同して一定の集団免疫を作り、宿主としての役割を認識すべき」であるということを強調されていらっしゃいます。このお二人のご意見を参考にして、教会や運動の仲間においてコロナウイルスについての議論をさらに深めていただければと願います。 崔勝久
木村公一先生
澤先生よりミッションステートメントの文書を送っていただき読ませていただきました。たいへん示唆に富んだ論考による問題提起に感謝します。特に、政治権力に対する聖書的、信仰的視座の確認が重要であると共感します。わたしは、これまでこのような事態に備えてこなかった日本の医療と政治をあり方にも問題があると思います。安部政権に的確な判断ができることは到底期待できません。
生物学についての文章で2件を指摘させていただきます。
国際社会は、細菌やウイルスを根絶させるのではなく、協同して一定の集団免疫を作り、宿主としての役割を認識すべきです。
1. 細菌には人間のとって環境にとっても有益なものがあり、また私たちの皮膚に腸内に共生している多くの細菌がいます。「細菌を根絶」は適切な表現ではありません。病原性の細菌であればよいかもしれません。ウイルスについても病気を引き起こすウイルスと限定する必要があります。「協同して」は何と何の協同かが不明です。
2. 病原性の細菌やウイルスに対する人間の対抗手段は集団免疫だけでなく、ワクチン接種が主要だと思います。
3. 「宿主としての役割を認識」の意味がよく理解できません。そのまま読めば、人間は種を飛び越えてきたウイルスを受け入れて彼らの増殖と生存の宿主として生きるべきであると読めます。
人間は「害虫」や病原微生物、細菌、ウイルスなどに対する抗体を獲得する仕方で生命を継承してきた。
微生物には細菌とウイルスが含まれます。「病原微生物」あるいは「病原性の細菌やウイルス」が良いと思います。人間は、病原細菌に対して各種の抗生物質を発見してそれで対処してきました。しかし抗生物質の濫用によって、あらゆる抗生物質が効かない細菌が出現し深刻な問題になっています。昆虫に対して抗体は作られませんので「害虫」を除くか、別の文章が要ります。書くのであれば、化学農薬のことでしょう。
以上、参考にしていただければ幸いです。
谷村禎一先生
いうまでもなく、わたしはこの分野では、素人です。先生のような専門家から、こうしたご批判・ご助言を必要としていました。感謝申し上げます。教会の兄弟姉妹たちにも、先生のご批判ご助言を読んでもらい、わたしの考えを再吟味して、次の文書に反映させてみたいと願っています。
先生は、次のように記されました。「これまでこのような事態に備えてこなかった日本の医療と政治をあり方にも問題があると思います。」わたしは先生の認識に共感します。けれども、「このような事態に備えてこなかった」のは「医療や政治」だけではなく教会も同じ怠慢を貪ってきたのではなかと思います。教会員もわたしも、そのような思いで、互いに
話し合ってきました。
先生のようなキリスト者の医学・生物学関係の方々が、発言しなければならない状況がこの日本のみならず、世界を覆っています。ところがそうした発言はキリスト教ジャーナリズムの世界においてもほとんど見られません。このような教会の状況はわたしにとりまして、コロナ禍で乱舞する世間よりも、重要なのです。先生はどのように考えられますか。次回の理事会では、こうしたテーマで対話できれば幸いであるとと思います。感謝と共に。
主にありて
木村公一
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